新型コロナウイルス感染拡大に伴う補助金・助成金まとめ
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言により、多くの方の生活に影響が出ています。中でも減収や解雇などによって、当面の生活資金につき深刻な状況に陥っておられる方も少なくありません。
そこで本記事では、現在実施されている補助金、助成金、給付金及び貸付制度などについて、今後実施可能性のあるものも含めてまとめてみました。
【個人向け】新型コロナウイルスの影響における補助金・助成金一覧
現在、個人向けに行われている補助金、助成金は多岐にわたります。
ここでは、用途別にどのような支援策があるのかについてまとめてみました。
特別定額給付金
新型コロナウイルス関連の給付金で、一番メディアで取り上げられたといっても過言ではないのが、特別定額給付金です。
当初は低所得者世帯に限定して30万円を給付する予定でしたが、給付までに時間がかかる、対象世帯が大幅に限定されるなどの批判が起きたことから、一転して全国民に対して一律10万円が給付されることになりました。
住民登録がある人全てが対象となるので、減収のあるなしに関わらず給付されるほか、外国人についても対象となります。
すでに自治体によっては給付申請が始まっていますが、人口の多い都市部などでは準備に時間がかかっている関係で、5月中下旬くらいを目処に開始予定です。
申請方法は、オンラインもしくは郵送による申請となります。
詳細についてはこちらの記事で紹介しています。ご参考ください。
総合支援資金(貸付)
生活の再建を目的として毎月一定の貸付を、最高3ヶ月間継続して受けられる制度で、特例措置として保証人がいない場合でも一律無利子での取り扱いになっています。
返済期間は10年間ですが、特例措置として住民税非課税世帯でなおも所得の減少が続いている世帯については、返済の免除を受けることも可能です。
税金の支払い猶予
生活資金に困窮している世帯に配慮するために、国税の納税を一時的に猶予する制度が導入されています。
これにより、所得税、相続税、贈与税などといった国税の納付について一定の要件に該当する場合において、延滞税などのペナルティなく納税を猶予することが可能です。
社会保険料の支払い猶予
社会保険料の支払いについても、それぞれ特例措置が講じられています。
国民年金保険料については、新型コロナウイルスの影響で減収が生じたなどの一定の要件に該当する人について、所得見込額に応じて一定割合の支払いを免除する取り扱いを行なっています。
また、国民健康保険料、後期高齢者医療制度、介護保険料などの支払いについても、各自治体や健康保険組合において減免や支払い猶予の対応を行っているとのことです。
子育て世帯への臨時特別給付金
子育て世帯の生活を支援するために設けられた特別給付金で、児童手当に1万円が上乗せして支給されます。
※児童手当とは、0歳から中学生のいる世帯に給付される手当のことです。
令和2年4月の児童手当の受給対象であれば、特段の手続きは不要で、各自治体の準備が整い次第、児童手当の振込先口座に児童手当と一緒に振り込まれます。
子育て世帯への臨時特別給付金については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
傷病手当金
新型コロナウイルスに感染したことで仕事を休んだ場合は、申請することで健康保険から一定の傷病手当金が支払われます。
PCR検査が受けらないまま自宅療養を続けて、結果的に検査をしないまま仕事に復帰できたような場合でも対象になるとのことです。
本人に症状が出ていたかどうかが判断基準になるので、たとえば家族などに感染者が出たことで濃厚接触者として自宅隔離している場合でも、本人が無症状である場合については対象外というのが現在の運用になります。
また、至急当面の生活資金が必要になる場合は、生活福祉資金貸付制度を利用して無利子で一時的に生活資金を借入れるという方法もあります。
療養給付・休業手当
通勤中や業務中に新型コロナウイルスに感染して療養が必要になった場合は、労災保険から療養給付として医療機関で支払う医療費について給付が受けられます。
※病院で自己負担した後、労災認定を受けると全額支給されます。
また、仕事ができない日が4日以上続く場合は4日目以降について1日あたり給付基礎日額の6割相当の休業手当の支給が受けられます。
お問合せ先:
詳しくはご加入の健康保険の保険者へお問い合わせください。
生命保険の契約者貸付制度
当面の生活資金を確保するために、生命保険契約を解約して解約返戻金を受け取ろうとする方がいますが、実は積み立てタイプの生命保険は解約しなくても一定の現金を受け取る方法があります。
それが「契約者貸付制度」です。
契約者貸付制度とは、生命保険契約を解約しないまま、既払い保険料に応じた一定額の貸付を受けられるという制度で、審査などもなくすぐに借り入れることができます。
また、生命保険契約も解約せずに済みますので、事前に保険会社に問い合わせて確認することをおすすめします。
お問合せ先:
ご加入の保険会社へお問い合わせください。
生命保険料・損害保険料
生命保険料や損害保険料の支払い期限についても、一定期間猶予する取り扱いをする会社が出てきています。
通常、生命保険料の支払いが苦しい時期に猶予を受ける場合、猶予期間は1ヶ月程度が原則ですが、今回は新型コロナウイルスの影響を鑑みて最長で6ヶ月程度、損害保険の場合で1ヶ月程度の猶予を行っている会社があるようです。
詳しくは、ご加入している保険会社に直接ご確認ください。
電気・ガス・水道料金
電気、ガス、水道、NHK受信料などの各種公共料金の支払いについても、一定期間猶予する取り扱いが開始しています。
それぞれ問い合わせ窓口への電話、またはインターネットでの申し込み手続きが必要です。
何も手を打たないまま支払いが遅れると、通常の滞納扱いになりますの注意しましょう。
スマホ・携帯料金
NTTドコモ、au、SoftBankなどの携帯電話会社が、携帯料金やインターネット料金などの支払いを猶予する取り扱いを始めています。
各社によって詳細は異なりますが、概ね2020年5月末まで支払い期限を延長する対応をとっているようです。
利用するためには、事前に電話での申し込みが必要になります。
住居確保給付金
職を失うなどして経済的に困窮している人を対象に、住宅を確保するために必要となる費用のうち一定の金額を給付する制度です。
給付される金額は、上限額の範囲内(東京都1級地の場合 単身世帯:53,700円、2人世帯:64,000円)の家賃1ヶ月分で、原則として3ヶ月間支給されます。
当該給付金の振込先は、本人の口座ではなく、賃貸物件の家主または管理会社などの家賃振込先口座となります。また、申請書類には貸主等の署名捺印が必要です。
お問い合わせ先:
お住いの市区町村役場へお問い合わせください。
イベントチケットの寄附金控除
イベントチケットの払い戻しによる事業者への負担を軽減する目的で新設された税優遇制度です。
新型コロナウイルスの影響で中止になった各種イベントのチケットについて、払い戻しの放棄をした人は、放棄した金額を寄附したとみなして寄附金控除が受けられます。
対象となるイベントは、主催者からの申請に基づいて文化庁、スポーツ庁が指定したイベントです。
参加者は主催者に対して払い戻しを受けない旨を連絡して、代わりに「指定行事証明書」と「払戻請求権放棄証明書」を受け取り、それを確定申告の際に添付書類として提出することで、寄附金控除が受けられます。
失業保険
新型コロナウイルスの影響で、従業員に休業手当が支払われていないケースが多発していることから、政府は失業手当を支給する特例措置を行う見通しです。
雇用保険の加入期間や年齢に応じて、失業した人に対して賃金の最大8割を一定期間支給する制度で、離職していない人でも受給できる「みなし失業」という形での支給も検討されています。
【法人向け】新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う補助金・助成金一覧
新型コロナウイルスの影響で、個人事業主や中小企業が受けられる補助金や助成金制度についてまとめてみました。
持続化給付金
5月から申請がスタートした給付金で、個人事業主100万円、中小企業200万円を上限として受けられる給付金制度です。
2020年の月別売上のうち、前年同月比で50%以上減少する月がある事業者が対象で、減少した金額を以下の計算式によって算出します。50%以上減少した月のことを対象月といい、2020年1月から12月までの間で任意の月を申請者自ら指定することが可能です。
前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)
上記金額について、上限額の範囲内で給付されます。
申請はインターネットの専用サイトからのみ受付しており、2019年度分の税務申告書類や月別売上がわかる書類などをPDFや写真データで送信することで、申請から2週間を目処に振り込まれます。
問い合わせ先:
持続化給付金事業コールセンター
直通番号:0120-115-570
IP電話専用回線:03-6831-0613
小学校休業等対応助成金
新型コロナウイルスの影響に伴う休校に対応するため、保護者が休みやすい環境を作る目的で設けられた助成金です。
保護者に直接助成金が支払われるのではなく、一定の要件に該当する保護者に通常の年次有給休暇とは別に、賃金全額支給とする有給を取得させた事業主に対して助成金が支払われます。
これにより、子供を持つ保護者が仕事を休んで看護がしやすい状況が整うことが期待できます。
お問い合わせ先:
学校等休業助成金・支援金、雇用調整助成金コールセンター
0120-60-3999
緊急小口資金(貸付)
個人事業主の方は、生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金を利用してスピーディーに融資を受けることも可能です。
無利子無担保で最大20万円の貸付が受けられますので、各種給付金が支給されるまでのつなぎ資金などに利用できます。
まとめ
新型コロナウイルスによる影響に伴い運用が開始もしくは予定されている補助金、助成金、給付金、支払猶予制度、貸付制度についてご紹介しました。平時の運用よりも申請手続きが簡素化されているものも多いので、ぜひ積極的に活用することをおすすめします。