収入の多い人は多くもらえる? 意外と知らない年金と収入の関係

年金・社会保険

20~30代の皆さんにとって年金は、まだまだ先のこと思いがちです。
しかし、「老後資金が2,000万円不足する」という金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書のニュースを聞いて、老後に不安を感じる人が増えてきました。
老後の年金は多ければ多いほど安心ですが、実際のところ、収入が多ければたくさん受け取ることができるのでしょうか。
今回は年金額の決まり方や多く受け取るための方法についてお話します。

老後の年金額の決まり方

公的年金のしくみは「2階建て」と言われています。
1階部分は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する、国民年金(基礎年金)です。1カ月あたりの保険料は、1万6,410円となっています(2019年度)。

学生・自営業・フリーランスなどの人は、1階部分だけの加入ですが、会社員・公務員は2階部分の厚生年金が上乗せになります。
厚生年金に加入していると、1階の国民年金、2階の厚生年金を合わせた保険料を納めることになります。つまり、厚生年金の加入者は、国民年金の加入者よりも多く保険料を納めることになり、その分受け取る年金も多くなります。

参照:日本年金機構「国民年金保険料」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-02.html

収入が多ければ年金も多い?

国民年金保険料は加入者の収入に関係なく一定の保険料を納めます。
そして、20歳から60歳までの全期間、保険料を納めた場合、65歳からの年金額は1カ月あたり約6万5,000円(2019年度)です。

一方、厚生年金保険料は収入によって違いがあります。そのため、たくさんの収入を得ている人は、厚生年金保険を多く納めることになり、将来支給される年金額も多くなります。
ただし、厚生年金の保険料は、基本給や残業手当、通勤手当を含めた毎月の収入が60万5,000円以上になれば、負担する保険料も支給される年金も上限となり増えません。

つまり、月給65万円と150万円の人では、収入は倍以上違いますが、支払う保険料は同額となり、将来受け取る年金も同じになるという計算になります。
収入がどんどん多くなったとしても、支給される年金が上限なく増える訳ではないのです。

参照:日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html
日本年金機構「平成29年9⽉分(10⽉納付分)からの厚⽣年⾦保険料額表」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20170822.files/1.pdf

老後の年金を増やす方法

厚生年金で平均的に支給されている金額は、1カ月あたりいくらくらいなのでしょうか。
「2017年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」(厚生労働省)によると、男性は約16万円、女性は約10万円となっています。
国民年金の支給額、1カ月あたり約6万5,000円(2019年度)よりは多い金額です。

では実際に、老後ゆとりを感じて暮らすにはどのくらいの収入が必要になるのでしょうか。
生命保険文化センター「2018年度生活保障に関する調査」で確認してみましょう。

夫婦2人で生活する際の「ゆとりある老後生活費」の平均額は約35万円です。そうなると、厚生年金の支給額の約26万円(夫:約16万円+妻:約10万円=26万円)を受け取ったとしても毎月約9万円が不足します。

そのため、老後にゆとりのある生活を望むのであれば、厚生年金以外で独自に老後資金を準備する必要があります。
その際、積立する時も受け取る時も、手厚い税制優遇を受けることができるiDeCo(個人型確定拠出年金・イデコ)は、月5,000円から始められるお手軽さが魅力であり、おすすめです。

参照:厚生労働省年金局「平成29年度
厚生年金保険・国民年金事業の概況 」 https://www.mhlw.go.jp/content/000453010.pdf
生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」 https://www.jili.or.jp/press/pdf/press_160920.pdf

まとめ

現役時代の収入が多かったとしても、残念ながら厚生年金だけで、ゆとりある老後生活はおくることは難しそうです。余裕のある老後を望むのであれば、iDeCo(個人型確定拠出年金・イデコ)を活用し、早いうちから効率的に準備をしましょう。

舟本 美子

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」 会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。 あなたに合った...

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