遺族年金とは?妻が受給できる金額や受給資格について徹底解説
夫が亡くなった場合に妻が受給できる年金として「遺族年金」があります。これは国の社会保障制度の一つですが、万一の場合を考えるなら受給資格や受給額などは理解しておきたいところです。
今回は、遺族年金制度の概要を詳しく解説していきたいと思います。もしものとき自分は遺族年金をもらえるのか、もらえる場合はいくらもらえるのか、詳細を確かめておきましょう。
遺族年金について
まず、遺族年金制度の内容を確認しておきましょう。
遺族年金とは?
遺族年金とは、公的年金制度の一つです。遺族とは、亡くなった故人の家族を指します。故人が国民年金・厚生年金に加入していた場合、遺族は故人が年金として積み立てていた分を受給することができます。故人が65歳を過ぎて年金を受給していた場合でも、遺族は同じように遺族年金を受給することができます。
遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。これらの違いとそれぞれの特徴について、以下でお伝えしていきます。
遺族基礎年金とは
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者もしくは老齢基礎年金の受給期間が25年以上ある人が死亡した場合に、遺族が受け取ることのできる年金です。
遺族基礎年金を受け取れる遺族は、子どものいる配偶者、もしくは子ども自身です。子どもの受給要件は、18歳以下であることです(18歳の場合は、18歳になった年度で3月31日を過ぎていないことが条件です)。
遺族厚生年金とは
遺族年金には、遺族厚生年金もあります。遺族厚生年金は、故人がサラリーマンや公務員で、厚生年金保険料を払っていた場合に、遺族が受給できる年金です。
遺族厚生年金は、被保険者が死亡した場合、または被保険者期間中の傷病で初診の日から5年以内に死亡した場合に、遺族が受け取ることができます。遺族厚生年金は、受給資格の幅が広いのが特徴です。
たとえば妻は、無条件で受給することができます(ただし子どものいない妻の場合は5年間のみの支給)。子どもの場合は、遺族基礎年金と同様に18歳までです。ただし、遺族が重複してもらうことはできないため、優先される遺族が受給する場合は他の遺族は受給できません。
遺族年金は非課税
遺族年金は基本的に非課税で、相続税や所得税はかかりません。遺族年金は、国民年金・厚生年金から支給される社会保障だからです。
妻が受け取れる遺族年金の受給金額
ここからは、実際に妻が受け取れる遺族年金はいくらになるのか、金額を見ていきたいと思います。
遺族基礎年金の受給金額
まずは、遺族基礎年金の受給額から見ていきましょう。夫が死亡した場合、妻はまず78万1,700円(年間)と子どもの数に応じて加算される金額を、遺族基礎年金として受け取ることができます。
子どもの数に応じて加算される額は、第2子まではそれぞれ22万4,900円です。第3子以降は、それぞれ7万5,000円が加算されます。
たとえば18歳以下の子どもが2人いる妻の場合は、夫が亡くなると781,700円+224,900円+224,900円で、合計123万1,500円の遺族基礎年金をもらえることになります。
遺族厚生年金の受給金額
遺族厚生年金の受給額の目安は、老齢厚生年金の4分の3です。金額は被保険者である故人の給与・賞与によって変わり、故人の給与が高かった場合は遺族厚生年金の額も高くなります。
ちなみに、年金額は以下の計算式で算出できます。
(平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の被保険者期間の月数)×3/4