老後資金1億円準備しなければならないはウソ?ホント?

老後

「老後には1億円必要」と聞いて将来のことが不安になったことはありませんか?
夫婦二人で60歳から30年間において、生活費だけで約1億円近くかかるというのは本当です。しかし、その全部を準備しなければならないわけではありません。

今回はそんな不安に対して、老後の生活費がいくらかかるのかを知るところからスタートして、どれくらい準備しておくべきなのかを考えていきます。

老後の生活費はどれくらいかかる?

老後の平均的な生活費はどれくらいかかっているのでしょうか。
厚生労働省「年金制度基礎調査(平成28年)」のデータを用いて、90歳まで生きた場合の夫婦二人暮らしの老後の生活費と女性の一人暮らしの老後の生活費をシミュレーションしてみます。

日本人の平均寿命は、男性が80.98歳、女性が87.14歳(2016年厚生労働省調べ)なので、90歳と仮定しました。

65~90歳までの25年間の生活費とします。
●夫婦二人暮らしの老後の生活費
平均的な生活の場合、夫婦二人暮らしの老後の生活費は、平均支出額は月額24.6万円(厚生労働省「年金制度基礎調査」平成28年)です。
25年間では、24.6万円×12か月×25年 =7380万円となります。

●一人暮らしの老後の生活費(女性)
一人暮らしの女性の場合をみると、平均支出額は月額14.4万円(厚生労働省「年金制度基礎調査」平成28年)です。
25年間では、14.4万円×12か月×25年=4320万円となります。

公的年金はいくらもらっているのか?

現在もらっている方と将来もらう方とを単純に比較することはできませんが、公的年金の受給状況(厚生労働省「年金制度基礎調査」平成28年)によれば、本人の公的年金は年額で、男性の場合の平均は、正社員中心の方(厚生年金)が209.8万円、自営業中心の方(国民年金)が109.4万円になっています。一方、女性の場合は正社員中心の方(厚生年金)では137.5万円です。さらに、夫婦世帯で夫が正社員中心の方(厚生年金)で、収入を伴う仕事をしていない期間中心の方(国民年金)の場合は、320.6万円という結果が出ています。

*(注)
「正社員中心」とは、20歳から60歳までの40年間のうち20年を超えて正社員等であったものとします(他も同様)。厚生労働省「年金制度基礎調査」平成28年

統計データから65歳から25年間の公的年金額を予想してみます。ここでは、現役時代の経歴が20年を超えて会社員や自営業であった場合とします。
●夫婦ともに会社員の夫婦世帯の公的年金額
209.8万円×25年=5245万円(夫が会社員)
137.5万円×25年=3437万円(妻が会社員)
合計 8682万円

●夫が会社員、妻が専業主婦の夫婦世帯の公的年金額
320.6万円×25年=8015万円 (夫が会社員、妻が専業主婦)

●夫が自営業の夫婦世帯の公的年金額
109.4万円×25年=2735万円(夫が自営業)
137.5万円×25年=3437万円(妻が会社員)
合計 6172万円

●女性の一人暮らしの世帯の公的年金額
137.5万円×25年=3437万円(会社員)

老後資金の必要額はいくら?

老後の資金の必要額は次の計算式で算出できます。
老後の収入-老後の支出(老後の生活費+その他の支出)=老後資金の必要額

よって、夫婦世帯で夫、妻ともに会社員の場合は、8682万円-7380万円=1302万円
夫婦世帯で、夫が会社員、妻が専業主婦の場合は、8015万円-7380万円=635万円
夫は自営業、妻が会社員の場合は、6172万円-7380万円=▲1208万円
女性の一人暮らしの場合は、3437万円-4320万円=▲883万円

どのケースでも年金だけでは生活が難しく、貯蓄を取り崩しながらということになります。
老後の収入から老後の支出を差し引いてマイナスになった金額を老後資金として準備する必要があります。

まとめ

「現状がわからないこと」や「先が見えない」ことから生まれる漠然とした不安は大きいものです。今回はあくまでもシミュレーションなので、個人差はあります。
それでも、このくらいの老後資金が必要だとわかったら、計画的に準備していくことにも意欲が持てますね。

池田 幸代

株式会社ブリエ 代表取締役 証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。「...

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