【教育費準備】学資以外の保険という選択と保険証券整理法
筆者には現在高校2年生の子どもがおり、大学進学予定のため教育費は大きな関心事のひとつです。今回の記事では、筆者の教育費準備と、保険会社勤務と片づけのプロの経験からお伝えできる証券整理法について触れています。いざという時に困らないために、今から教育費の準備や証券整理に取りかかりましょう。
ドル建て養老保険で大学進学費用を準備
子育て中の家庭では、教育費をどのような手段で準備するのか検討されているのではないでしょうか。今回は、筆者が選択した方法をご紹介します。
保険で準備する教育費=学資保険?
教育費準備の手段として、候補に挙がることが多い学資保険。しかし、教育費を準備するための保険には、学資保険以外の選択肢も多くあります。
学資保険は保護者が亡くなった際の保障や以降の保険料支払いが免除になる契約も多く、中学・高校・大学など入学のタイミングで給付を受けられる点も含め、多くの人のニーズにマッチしていると言えるでしょう。
しかし、別の保険に加入していて保護者の保障が十分な場合には、二重に保険料を支払うことになります。その上、一見貯蓄性が高く感じるかもしれませんが、加入プランによっては受け取れる給付金が支払った保険料総額を下回るケースもあるため注意が必要です。
筆者が選択した保険と選んだ理由
教育費をコツコツと積み立てたい方や、保障とセットにしたい方にはメリットがある学資保険ですが、筆者の場合は学資保険に魅力を感じませんでした。
なぜなら、他界した筆者の父が「子どもの教育費に」と遺してくれた、まとまった資金があったからです。保険会社に勤務していた経験から、まとまった資金を一度に支払って満期金を受け取るタイプの保険で教育資金を準備しようと考えました。
最終的に選択したのは、外資系企業の「ドル建て積立利率変動型養老保険」。選択の理由は、当時の為替レートが1ドル=70円台だったこと、保険料を3%/年程度の利率で運用する保険商品だったことです。
契約時のメモによると、為替レート1ドル=78.1円の時点で契約しています。保険期間は10年、保険料払込期間を3年に設定し、3年分の保険料を契約時に一括で支払いました。
円安傾向で運よく大学進学費用を確保
ちょうど今年、2022年9月に満期を迎えたのですが、近ごろの円安傾向で思ったより多額の満期保険金を受け取れました。
受取時の為替レートが144.39円だったため、満期保険金を円に換算すると支払った保険料の2倍以上の保険金が受取れたのです。今回は契約者も受取人も筆者のため、満期保険金から保険料や控除を除いた額は一時所得となり所得税の対象です。そのため、満期保険金全額は教育費に充てられませんが、大学4年間の学費は確保できました。
以前執筆した記事『「投資に回すお金はない」は思い込み?資産運用と保険の見直しセミナー参加レポ』でも触れましたが、ライフプランに合わせて保険を見直ししたり、新たに検討したりすることはとても大切です。「保険のことは、よく分からない」という方も多いかもしれませんが、そのような方こそプロの手を借りて検討することをおすすめします。
加入窓口によって違う保険関係書類の管理
ここからは、保険関係の書類管理について解説します。筆者は以前保険会社に勤務しており、退職後に保険代理店でパートをしていました。パート先で顧客の保険関係書類の整理を担当していて感じたことは、「保険の加入経路によって、自身で管理する範囲が異なる」ということ。保険会社勤務の頃は、「保険会社からの書類は大切です」とアナウンスしていましたが、全てを保管しておく必要はないのです。保険関係の書類管理が、加入窓口によってどのように違うのかまとめてみました。
信頼できる担当者に管理を一任しているケース
「保険のことは、全てこちらに任せています」という、信頼できる担当者がいる場合。保険専業の代理店や、ファイナンシャルプランナーに管理を一任しているケースです。
顧客管理システムがしっかりしている場合、自身で契約内容の詳細まで把握したり保険会社の連絡先や案内書類を保管したりする必要はありません。万一の場合も担当者に連絡すれば、各保険の内容を確認して適切に手続きを進めてもらえるでしょう。
自宅で保管しておく書類は、保険証券のみでも大丈夫です。保険会社から毎年送付される「契約内容のご案内」などは、目を通して問題がなければ処分しても支障はありません。
退職などで担当者不在のケース
加入したときの担当者が退職してしまい、担当者が不在の場合もあるでしょう。また、不在でなくても、引継ぎされた担当者や契約が移管された代理店と面識がないこともあります。
そのようなケースでは、保険金の請求事案が起こったときに、自分で手続きをしなければなりません。また、どのような保険に加入しているのかも、把握しておく必要があります。
保険会社から送付される「契約内容のご案内」や加入時の「保険設計書」は、保険の内容が証券よりも分かりやすく記載されているので、保険証券と併せて保管するのがおすすめです。
インターネットで加入しているケース
インターネットで保険に加入している場合は、特に担当者がいる訳ではありません。保険会社のサイトにある契約者ページで管理することが多いので、保険会社名やサイトのURL、パスワードなどを管理する必要があります。
事故や病気などで家族が代わりに書類の手配をすることもあるので、家族にも共有しておくようにしましょう。また、ネット保険は紙の保険証券を発行しない「ペーパーレス証券」を採用していることがあります。
契約内容はサイトで確認できますが、不安な場合はサイトから印刷した契約内容や契約時に送付される書面を保管しておきましょう。