【Z世代のマネー学】投資する上で大切な3つのリターン視点

投資する上で大切な3つのリターン視点
マネーケア

投資でお金を増やしたいからといって、単に絶対的にリターンの高い商品にだけ投資していけばいいのかというと、そんなことはありません。リターンの高い商品は、その分リスクも高く、大きく値下がりしてしまう可能性もあるからです。これでは、「お金を減らさずに増やす投資」など、できるわけがありません。

投資するにあたって、リターンの高さ以外に着目していただきたいポイントがあります。今回は、投資をする上で大切な3つのリターン視点をお話しします。
▶︎前回:運用成績の9割が資産配分で決まるって本当?コアサテライト戦略を実践しよう

①リスク調整後リターンで考える:効率のよい資産配分を目指す

リスク調整後リターンとは、投資のリターンを得るためにとったリスクも加味したリターンのことです。
たとえば、2つの異なる商品に投資して、同じ額のリターンを得たとします。このとき、よりリスクが低い商品のほうが効率よく投資ができたことになります。

これを簡単に数字で比較できる指標があり、シャープレシオといいます。

シャープレシオは、リスクに見合ったリターンがどのくらいなのかを数値で表したもの。
リターンから無リスク資産(短期国債の金利・日本の場合は現状ほぼゼロ)を引いたものをリスクで割った数値です。
シャープレシオの数値は、大きければ大きいほど効率のよい運用ができていることを表します。

たとえば、次の2つのファンドがあったとしたら、みなさんはどちらに投資したいですか?

●ファンドA…40のリスクをとって、20のリターンが得られる
●ファンドB…15のリスクをとって、10のリターンが得られる

ファンドAはファンドBの2倍のリターンが得られているのですから、一見して「お金を増やしたいからファンドA」と思われるかもしれません。
しかし、シャープレシオで考えると、ファンドAのシャープレシオは20÷40=0.5、ファンドBのシャープレシオは10÷15≒0.67です(無リスク資産はゼロとして計算)。
同程度のリスクでより効率よく運用できているのは、シャープレシオが大きいファンドBだとわかります。
つまり、お金を減らさずに増やす運用をしたいならば、ファンドBに投資した方がいい、と考えられるのです。

ここではシャープレシオのイメージをつかんでいただくために計算をしましたが、金融機関のウェブサイトでは、各商品のシャープレシオが表示されている場合がありますので、それを確認して比較すればOKです。

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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