【Z世代のマネー学】投資する上で大切な3つのリターン視点

投資する上で大切な3つのリターン視点
マネーケア
金融機関のシャープレシオの表示例

金融機関のシャープレシオの表示例
楽天証券のウェブサイトより

たとえば楽天証券では、6か月・1年・3年・5年のリスクとリターンから計算されたシャープレシオが掲載されています。
複数の商品のシャープレシオを見比べれば、そのなかで効率よく運用している商品がどれなのかがすぐわかります。

ただし、シャープレシオを使用する際には、注意点もあります。

同じ「資産」に投資している商品で比較する

シャープレシオは、数字が大きいに越したことはないですが、絶対的な目安がある指標ではありません。他の商品と比較することではじめて効率の良し悪しがわかります。
シャープレシオの値は、投資先によって値の傾向が変わります。ですから、同じような投資先の商品で比較しましょう。

たとえば、投資信託は投資先に応じて「国内株式型」「国内債券型」「先進国株式型」などと分類されています。この投資先を揃えて、なるべく同じようなリスクの商品で比較すると効果的。より効率よく運用できている商品がわかるようになります。

比較期間・時期を確認する

市場は、日々上昇したり下落したりを繰り返しています。ですから、どの期間・時期のシャープレシオなのかを確認しましょう。
たとえば、同じ10年間のシャープレシオでも、2001年〜2010年の10年間と、2011年〜2020年の10年間では値がぜんぜん違います。シャープレシオを比較するときは、比較する期間や時期を揃えましょう。

マイナスの成績のときに注意

シャープレシオは、利益が出ている場合には数値が大きいほど効率がいいのですが、損失が出ている場合は値がマイナスになってしまいますので、リスクが大きいほど数値が大きくなります。
たとえば、シャープレシオが−0.5のファンドと、−1のファンドでは、−0.5のファンドのほうが効率が悪いことを表します。マイナスの値を読む際には注意しましょう。

②コスト控除後リターンで考える:コストが低い金融機関・商品を活用

コスト控除後リターンとは、得られたリターンから、リターンを得るために支払ったコストを差し引いたリターンのことです。

投資のコストはリターンを大きく左右します。
投資をするにあたっては、以前の記事(【ミレニアル世代のマネー学】資産運用の結果に影響を及ぼす「金融機関選び」)で紹介したとおり、コストがなるべく低い金融機関を選ぶのがポイント
これからミレニアル世代・Z世代と呼ばれるみなさんがお金を増やすために、スマホ証券をおすすめしました。スマホ証券はコストが安いのはもちろん、スマホで初心者でも簡単に投資ができ、少額からスタートできる点が魅力です。

そのうえ、投資する商品のコストが低い商品を選ぶこともポイント
たとえば、投資信託の手数料には、買うときにかかる購入時手数料(販売手数料)・保有中にかかる信託報酬、売るときにかかる信託財産留保額の3つがあります。
このうち特に大切なのは保有中の信託報酬です。
投資信託の場合、数年、数十年と長期にわたって保有し続けることが多くあります。ですから、信託報酬のわずか0.数%の違いであっても、ゆくゆくは数十万円・数百万円の金額差を生み出すこともあるのです。

たとえば、信託報酬が0.8%のファンドAと、信託報酬が1.5%のファンドBがあり、どちらも年利3%で運用できたとします。この2本の投資信託に毎月3万円ずつ積み立てをした場合の比較が以下の図です。
運用利回り3%、毎月3万円の積み立てケース
表:筆者作成

ファンドAの資産総額は1526万円だったのに対し、ファンドBの資産総額は1360万円。たった0.7%の違いが、30年で166万円もの違いを生んだのです。
こうしてみると、信託報酬は少しでも安い商品を選んだほうがいいことがわかりますね。

さて、投資信託には、目標とする指標(ベンチマーク)に連動することを目指すインデックス型と、指標を上回ること・絶対的に利益を追求することを目指すアクティブ型があります。
アクティブ型はなんとなく儲かりそうな感じがしますが、実はインデックス型のほうが優勢です。

インデックス型に勝てないアクティブ型

インデックス型に勝てないアクティブ型
表:SPIVA日本スコアカード(2020年末)をもとに著者作成

表は、インデックス型よりもリターンが少なかったアクティブ型の割合を示しています。インデックス型に勝てないアクティブ型の割合は、長期になればなるほど増えていきます。
そして、10年リターンで見ると、日本の大型株ファンドは約77%、国際株式ファンドにいたっては約94%ものアクティブ型が、インデックス型に勝てていないのです。

インデックス型は信託報酬が0.1〜0.3%程度が多く、アクティブ型は信託報酬が1〜3%となっています。
アクティブ型は上図の通りインデックス型に勝てない上、信託報酬は1%超と高いのです。
長期間運用するほど、このコストは重しになります。もちろん、インデックス型に勝っているアクティブ型もありますが、最初の1本を選ぶなら、コストの安いインデックス型のほうがいいでしょう。

続きを読む
2 / 3

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

プロフィール

関連記事一覧