マイナンバーカードを保険証に!「お得でない」の言葉に困惑中
公的な本人確認書類として使える、マイナンバーカード。2022年6月30日からは、取得を後押しするマイナポイント第2弾キャンペーンもスタートしました。
私は、このキャンペーンを知ったとき、「お得!」と保険証機能追加にすぐ申し込もうとしました。しかし、少し調べてみるとどうやらお得だとはいいきれないようなのです……。この記事では、マイナンバーを巡るキャンペーンに困惑した体験談をお伝えしていきます。
マイナポイントがつく!「マイナ保険証」はお得…ではない?
我が家は引っ越しが多いため、転入・転出手続きが楽になるマイナンバーカードを、割と早い段階から手に入れていました。実際にマイナンバーカードを手にしてからというもの、転出届や住民票など、これまで引っ越しに必要だった書類が不要になり手続きは格段にスムーズになっています。
だからこそ、「マイナ保健証」もきっと便利なものなのだろう、と思ったのですがどうやらそうではないらしいというのです。
お得!マイナ保険証登録で7,500円相当のポイントゲット
子どものマイナンバーカードの受け取りのため訪れた区役所の一角で、私はマイナポイント第2弾キャンペーンを知りました。宣伝されていた施策内容は、次のとおりです。
施策1:マイナンバーカードの新規取得など → 最大5,000円分のポイント授与 施策2:マイナンバーカードを健康保険証として利用する → 7,500円分のポイント授与 施策3:公金受取口座の登録 → 7,500円分のポイント授与 |
新規取得で最大5,000円分のマイナポイントがもらえるのは、第1弾キャンペーンでも行われていたため、私もすでに受け取っていました。
しかし、2022年6月30日からスタートしたキャンペーンでは、マイナンバーカードを健康保険証として使う申し込みをすれば新たに7,500円分のポイントが受け取れるというのです。
さらに、コロナ禍で支給された公的給付金のように、公金を受けとる際の口座を登録すると7,500円分のポイントが上乗せされるとのこと。これは、「お得な事業がまた始まったな」と思っていました。
調べていくと「お得ではない」のコメントや記事が続出!
区役所の方に簡単な説明を受けて申し込もうとしたのですが、この日は第2弾キャンペーンスタート前。制度切り替えのタイミングで登録システムも移行中だったため、日を改めて申し込むこととなりました。
しかし、帰宅後に改めてマイナンバーカードの健康保険証「マイナ保険証」について調べていくと「マイナ保険証作ったけど、医療費が高くなるから使う理由がない」「カードリーダーのない病院では使えない」などのコメントをSNS上で発見。「お得ではない」という記事も続出したのです。
どうやら、マイナ保険証を利用すると、病院で患者が支払う窓口負担が増えるとのこと。また、運用を開始している医療機関自体がまだ少ないようなのです。
マイナ保険証は作るべき?二の足を踏んだ理由
始めは作る気満々だったマイナ保険証でしたが、調べていくうちに、私は「今すぐ必要だ」とは思えなくなっていきました。その理由は次のとおりです。
初診で21円!医療費が高くなる
「医療費が高くなる」とSNSなどでいわれていましたが、調べてみると確かに初診が21円、再診だと12円を患者が負担する仕組みとなっていました。従来は初診が9円だったため、マイナ保険証にすると12円値上がりとなるようです。
また、薬局で薬を受けとるときにも、マイナ保険証を導入しているところでは9円の患者支払い負担がかかるとのこと。これは、マイナ保険証を使えるようにするための機器などを医療機関が負担するため、それを軽減するための施策なのだそうです。
この医療費アップをどう捉えるかは一人ひとり違うと思いますが、反発する意見を受けて2022年5月24日に政府がこの仕組みを見直す検討に入ったと報じられています。そう考えると、「この方向性が決まってから作っても良いのかな」と思うようになりました。
身近にマイナ保険証の機器を導入している医療機関が少ない
落ち着いてよく考えてみると、身近な医療機関でマイナ保険証の機器を導入しているところが少ないのも、二の足を踏んだ理由です。我が家の場合は、子どものかかりつけの病院でマイナ保険証用のカードリーダーが導入されているのを確認しただけで、自分が通う医療機関では見かけたことがありませんでした。
実際に、第151回社会保障審議会医療保険部会「オンライン資格確認等システムについて」によると、2022年5月15日時点で運用開始している医療機関は全体の19%なのだそう。当面は健康保険証との併用が必要になりそうなため、今すぐにマイナ保険証にしなくても良いのかなと感じています。