20代女性の貯金額はいくら? 貯蓄を成功させる方法とは

貯金・家計

いざという時のために、またより良い未来のために、日頃から貯めておきたいのが貯金。お金が人生の全てではありませんが、生活に絶対必要ですし、ないとやっぱり不安になってしまいますよね?
今回は、20代女性の平均収入と貯金額から考える、貯金の必要性をご紹介します。

20代女性の平均給与ってどれくらい?

貯金を考える前に、まず知っておきたいのが20代女性の給与事情です。
20代女性の平均年収は約287万円ほどとなっており、20代前半なら249万円、20代後半なら326万円ほどの数字となっています。
年収200万~250万円あたりに収まる女性が多いようですが、この収入の中から貯金に回すとなると、なかなか難しいという方もいるのではないでしょうか?
また、この統計で30代以降の平均年収を見てみると60歳前まで30年間ずっと298万円から322万円と300万円前後を推移しており、男性と違い年収が年齢とともにアップしにくい結果になっています。
ですから、給与が上がりにくい女性は20代のうちから貯蓄習慣を身に着けておく必要があるといえます。

人によって環境は異なりますが、たとえば東京都内で働く20代独身女性(一人暮らし)と仮定した場合、住居費が収入のかなりの割合を占めるうえ物価も高いため、生活するための支出でかなり苦しい状況となるのは当然です。貯金する・しないということを考える前に、貯金に回すお金がほとんどないという方も多いのが現状です。
※国税庁「平成30年分 民間給与実態統計調査

20代の平均貯金額は?

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成30年)」によると、20代の実に45.4%が金融資産非保有、つまり貯蓄がありません。また貯蓄がある方でも、100万円未満の方が27.0%、100万円〜200万円未満で10.2%。ですから、平均は128万円ですが、中央値(ちょうど真ん中の人の貯蓄額)はわずかに5万円となっています。
いっぽう、500万円以上を貯蓄している方も全体の5.2%ほどいます。若くしてかなり貯蓄している方もいるということになります。

金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)


家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成30年)」より作成

現実的に考えて20代女性が貯蓄を積み上げるのはかなり困難です。
実家暮らしの方ならば、住居費・水道光熱費を「実家に納めるお金」として3~5万円親に渡す程度の場合が多いので、まだ経済的に余裕があります。お金を貯蓄に回す絶好のタイミングといえます。
しかし、これが一人暮らしとなると生活自体の支出が多くなり、貯金できる金額は大きく減少します。貯金を増やすための最高の節約術とは、実家暮らしをして無駄遣いをしないということかもしれません。

収入がそれほどなくても貯金は意識すれば必ずできるもの。貯蓄意識を持ち、これを機に生活スタイルを一度考え直すのも1つの手といえます。

その貯金は何のため?貯蓄の目的を具体的に決めよう

お給料から生活費を支払うと貯金するお金がないとなりがちですが、それでも将来のことを見据えて少しずつでも貯蓄しておくことは大切です。貯蓄は自分自身がどのような将来設計をしているのか、という意識的な部分とも関わりがあります。
たとえば結婚資金なのか、または住宅費や学費など結婚後の生活資金なのか、あるいは身体的に何かがあったときの資金なのか。貯蓄には目的があるはずです。

ただ漠然と「貯金をする」と考えてもなかなかお金は貯まりません。まずはその貯金がどんな事態を想定した貯金なのかを明確にイメージしましょう。そして、積極的にお金を工面することで貯金額は増えるはずです。
もちろん、結果的に別の用途に使うことはあるかもしれませんが、「目標を定めて貯金を積み上げた」という結果が何よりも大事になります。

具体的には以下のように、なるべく金額を入れるようにしていきます。すると、その金額を達成するために必要な貯金額も具体的に見えてきます。

【具体的なイメージ例】

・1年後ハワイに行きたい
費用15万円→15万円÷12ヶ月=毎月1万2,500円貯金で実現

・5年後マンションを買いたい
頭金100万円→100万円÷60ヶ月=毎月約1万6,666円貯金で実現

・10年後勤続10年記念に100万円のブランド時計を買いたい
100万円÷120ヶ月=毎月8,333円貯金で実現

ここでは自分の夢を叶える例を挙げましたが、病気や失業など万が一の時のためにも貯蓄は必要です。それらを含め、トータルで毎月手取りの10~20%を目標に貯金していきましょう。

貯蓄を成功させるには

日々の生活費をやりくりして残った分を貯蓄にまわそうと思っていては、いつまでたっても貯まりません。毎月いくらずつ貯めようと決めたら、収入が入ってすぐ貯蓄分を確保し、残ったお金でやりくりする「先取り貯蓄」を実践しましょう。
目標は手取りの10~20%です。毎月その割合を先取りすることが難しければ、ボーナス時に多めに貯蓄して年間の手取りの10~20%貯蓄できるよう計画をたてましょう。

先取り貯蓄の方法としては、お給料が入ったら自分で別の口座に移すという方法もありますが、「財形貯蓄」という制度が勤務先にあれば、給料から貯蓄額を差し引いて振り込んでもらえるので手間が省けます。
財形貯蓄がなければ、金融機関で「自動積立定期預金」などの手続きをすると、設定した金額を毎月指定日に口座から引き落として定期預金できます。

さらに、目的別に「お金の置き場所」を分けていくことができたら貯蓄上級者といえるでしょう。
たとえば、死亡保障もついた貯まる保険(終身保険・養老保険・変額保険など)や旅行会社や航空会社で扱っている旅行積立、老後のために積み立てると60歳まで出金できないものの税金の優遇があるiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)、投資で得られた利益にかかる税金が非課税になるつみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)など、さまざまあります。

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まとめ

20代はまだ収入が少ないため、貯蓄ができなくても仕方がない…とあきらめがちです。しかし塵も積もれば山となります。少しずつでも貯蓄習慣を身に着けて、したいことを諦めずに楽しむことができるオトナ女子を目指しましょう。まずは自分のしたいこと探しから具体的な貯蓄目標をたててみませんか?

稲村 優貴子

ファイナンシャルプランナー(CFP?)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ 大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポ...

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