妊活って実際いくらかかる?新政府の不妊治療方針で変わることとは

マネーケア

妊活、とくに不妊治療はお金がかかると耳にしたことはないでしょうか?しかし、実際どのくらいかかるのかはピンとこないという人も多いかもしれません。

そこで今回は、筆者の実体験をもとにしながら不妊治療のお金事情について紹介していきます。結婚前の女性が妊活のためにできるブライダルチェックや、今気になる「不妊治療の経済的負担の軽減」についてもあわせて見ていきましょう。

不妊治療とは?

日本産科婦人科学会によると、不妊は「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交しているにも関わらず一定期間(1年が一般的)妊娠しないこと」と定義されており、不妊治療は不妊の症状に対して行っていく治療を指します。また、男女ともに妊娠しにくい症状がすでに発症している場合は、一定期間に至らなくても治療を提案されることもあります。

具体的な治療では、結果をみながら段階的にすすむ「ステップアップ治療」が取り入れられており、まずは基本検査からスタートします。検査で異常が見つからなければ「タイミング療法」を行い、その後の結果を見ながら「人工授精」→「体外受精」→「顕微授精」が取り入れられることが一般的です。

不妊治療にかかるお金の平均はどのくらい?

Webメディアの「妊活ボイス」が、2017年に妊活経験者300名を対象に行った調査では、全体の平均費用は35万円、7割の人の治療費が10万円以下だったとの調査結果が公表されました。

一方で、人工授精や体外受精、顕微授精のいずれかを受けた人に対象を絞ると、平均費用は134万円まで上昇。さらに、体外受精と顕微授精のどちらかを受けた人に対象を絞ると、平均費用は193万円と、200万円近くに上ることがわかりました。

発表されたアンケート結果の声からは、「治療費が高すぎるため体外受精などに踏み切れなかった」「治療のため仕事を辞めて気持ちは楽になったが、金銭的に厳しい」という声もあり、助成金の拡充や保険適用を望む声は多く聞かれます。

実際いくら使った?我が家の不妊治療費総まとめ

ここでは、筆者の実体験をもとに不妊治療のお金事情をまとめていきます。私は合計3つの病院で不妊治療を受け、最後のC病院で妊娠し治療を終えるまでの費用は総額で、152万9866円かかりました。

一部には保険適用の治療や検査もありましたが、そのほとんどは保険適用外の治療です。主な内訳について解説していきます。

【A病院】妊活初期は保険適用になるものも多い

初期の治療は、地方都市にあるA病院へ。同院では、基本的な検査と人工授精に1回チャレンジし、総額は5万3550円でした。このうち保険適用だった金額が1万6700円で、残りの3万6800円は保険適用外です。

1日の支払額が最も高かったのが人工授精を行った日で1万7900円かかりました。一方、基F本検査の「血液検査」や「子宮卵管造影検査」は保険適用で受けられたため、どちらもその日の支払額は5000円前後で済んでいます。

当時住んでいた市では「不妊治療費助成制度」があり、区役所で申請すると保険適用の治療費と人工授精にかかった費用の2分の1にあたる1万4830円が後日戻ってきました。妊活初期の検査は保険適用なものもあり、負担が重くのしかかるというイメージはあまりありませんでした。

【B病院】人工授精は日々の支払い1万円弱が連日続く

転勤により拠点が東京へと変わったタイミングでB病院に転院。同院では人工授精6回、顕微授精1回にチャレンジをし、総額は104万円でした。このうち保険適用金額は4万9520円、残りの99万480円は保険適用外です。

もともと筆者は「多嚢胞性卵巣症候群」と呼ばれる排卵しにくい体質だったため、同院では治療方針により「排卵誘発剤」とよばれる排卵をうながす注射が使われました。

投与する量によって1回5000円~8000円前後かかる注射である上に、排卵日近くになると1週間毎日病院へ通うこともあったため、総額にするとかなりの額に。加えて、1回1万9440円かかる人工授精を6回チャレンジすると総額は11万を超え、この頃から負担の大きさをひしひしと感じるようになります。

1日の支払額が最も高かったのは顕微授精を行った日で、39万6010円全額が保険適用外での支払いでした。また後日に受精した卵子を子宮に戻す日にも、保険適用のない11万592円を支払い、全工程の総額は50万6602円となりました。

このように、顕微授精は保険適用ではありませんが、国から助成金を受けられる「特定治療支援事業」の対象ではあります。申請すれば初回の治療では30万円の助成が受けられますが、夫婦合算の収入が730万円未満などの諸条件があるため、ぎりぎりのところで所得制限にひっかかった筆者宅では苦しい家計状況が継続することとなります。

【C病院】独自の金額設定で患者負担を減らす病院も

B病院を経て「人工授精以上の治療は不妊治療の中でもより高度になること」を実感したことから、より専門的な治療を得意とするC病院に転院。同院では顕微授精1回にチャレンジしたところで妊娠したため、支払いは総額43万6316円でした。

独自の支払いプランを設定している病院だったため、明確に保険適用の有無が分けられませんでしたが、これまで同様9割ほどは自費での支払いと推察できます。顕微授精当日には、13万8150円を支払い、後日妊娠に至った結果を受けて38万8800円を支払いました。

これまでの3つの病院を比較してみると、不妊治療の9割は保険適用外であることがわかります。また、独自の支払プランを設定しているところもあるなど、方針は各病院の判断によって違うことを感じました。

結婚前からでもできる妊活準備!ブライダルチェックとは?

晩婚化が進んだことから「結婚はまだ先でもよい」と考える女性も増えており、30代以降に結婚を決めるという人も少なくありません。しかし、女性が自然に妊娠しやすい確率は35歳以降徐々に下がっていくことを、不妊治療中に出会った多くの医師が口にしていました。

そのため、将来的に少しでも子供をのぞむ気持ちがあるときは、結婚前から準備しておくことをおすすめします。「ブライダルチェック」という検査がある病院であれば、妊活に必要な検査をまとめて行ってくれます。次からは、その中でもとくに知っておくと役に立つ検査や数値について見ていきましょう。

AMHを知っておくとライフプランが立てやすくなる?

AMHとは、卵巣内にどれくらい卵子が残っているのかを判断する目安のホルモンです。「卵巣年齢」ともいわれ、実年齢と違う結果になることもあり、筆者も数値の上では18歳でした。

しかし結果ででる年齢は、妊娠できる確率を上げてくれるものではなく、あくまで今後の方針を決める目安のひとつととらえるようです。自分のAMHを知っておけば、今の状態に応じた対応を医師と考えられるメリットもあり、ライフプランを立てる上では重要だと考えます。

血液検査や性感染症検査、乳がん検診など

定期的な婦人科検診をしておくことで、いざ不妊治療をスタートするときに省ける検査もありました。中でも血液検査は、1年以内の結果であれば参考にしてくれる病院もあったため重複する検査費が浮いたこともあります。

主な検査費用の目安は、血液検査が約1万円、性感染症検査が約2000円~5000円、乳房検査が約1万8000円で、自治体や企業の健康診断にプラスする形で受けると出費を抑えられる場合もあるようです。

盲点?甲状腺機能が着床に影響していた

不妊治療では病院ごとに参考にするデータが違っていることもあり、中でもC病院では甲状腺機能のホルモン値を注視されました。同ホルモン(TSH)の数値を2.5以下にしておくと受精卵の着床がスムーズになるとのことで、測定時に2.6だった筆者は甲状腺ホルモン剤の投薬を行いました。

甲状腺機能などのホルモン検査は約8000円~1万円で受けられる病院もあるため、機会があれば自分の数値を把握しておくと役立つ情報になるかもしれません。

妊娠前には風しん・はしかの抗体検査も必須だった?

風しんとはしかは、妊娠20週頃までに発症すると胎児への影響が懸念されるため、不妊治療時にも抗体の有無を聞かれます。実際に検査してみると、筆者は抗体の量が基準値にいたらず、予防接種を受けることになりました。

注射後は2カ月間妊娠を控えるよう注意を受けるため、不妊治療も一旦ストップせざるをえませんでした。そのため、早めに抗体の有無だけでも把握しておくと、不妊治療や妊活の計画も立てやすいのではないかと思います。

医療費費除についても知っておこう

医療費が高額になる不妊治療は、かかった費用を医療費控除として確定申告時に申請することで、翌年の所得税が減税される場合があります。ここでは、妊活とセットで覚えておきたい、医療費控除についてまとめていきます。

レシートがお金に見えてくる?医療費控除とは

1月~12月の1年間で10万円以上の医療費がかかった場合は、医療費控除を申請すると還付金が受け取れたり、翌年の所得税が減額になったりすることがあります。ただし、医療費控除は自分で確定申告を行う必要があるため、初めは少々ハードルが高めに思えます。

しかし、医療費がはね上がった年に筆者が初めて申請したところ、約9万円の還付金があり、翌年の所得税も約22万円抑えられました。治療費だけでなく、病院への行き来にかかった交通費なども医療費控除の対象になります。また、インターネット上で申請を行える「e-TAX」システムを使えば、思いのほか手軽に申請が終えられます。

現状の高度不妊治療を受けるとなればほぼ100%高額になりますし、不妊治療に限らず医療費が10万円を超えたら適用される制度のため、これから生きていく上で覚えておいて損はない制度だと思います。

使えばよかった!セルフメディケーション税制

「セルフメディケーション税制」とは、薬局やドラッグストアで購入した薬などの年間総額が1万2000円以上になった場合に、医療費控除の申請ができる制度です。主な対象商品はかぜ薬や目薬などの常備薬で、パッケージに税制対象を記すマークがあれば申請できます。

なお、確定申告後は、支払いの証明となるレシートや領収書を5年間保管する義務があるため、レシート類は捨てないことをおすすめします。

続いて、男性不妊治療を行う時の費用や、不妊治療に関する今後の制度について、みていきましょう。

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mihoco

美容技術者からライターへ転職。ワークライフバランスの良い働き方を模索中です。 資産形成にも興味あり。情報を的確にとらえて分かりやすく伝えていけたらと思ってい...

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監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 3級ファイナンシャルプランニング技能士

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