日本のカジノは違法or合法?海外との違いや国内の現状を知ろう
ニュースなどで最近耳にすることが増えた「オンラインカジノ」。コロナ禍を背景に、日本国内での利用者数も急増しているといわれています。とはいえ、「日本でのカジノは違法なのでは」と感じている方も多いのでは?そこでこの記事では、日本でのカジノの現状について、詳しく解説していきます。
ニュースで注目を集めた「オンラインカジノ」とは?
2022年5月に山口県阿武町にて、新型コロナの給付金4,630万円を誤って振り込んでしまう、誤送金問題が発生しました。注目されたのは、振込先となった男性が「オンラインカジノで使った」と証言したこと。このニュースをきっかけに、オンラインカジノの存在を知った方も多いのではないでしょうか。
オンラインカジノとは、ネット上で行うカジノのことです。オンラインカジノを合法とする国は、世界に200ヶ国以上あり、それぞれの国のライセンスを取得し運営されています。
インターネット上でプレイできるため、国を超えたアクセスも可能。日本では原則としてギャンブル行為は禁止されていますが、コロナ禍での外出制限を背景に、オンラインカジノを利用する方が急増し問題が発生しています。
日本のカジノは違法?合法?
日本での利用者数が増えているオンラインカジノですが、国内で合法化されているわけではありません。ここからは、海外と日本のカジノの違いについて見ていきましょう。
そもそもカジノとは?
カジノとは、ルーレットやスロット、カードゲームなどが備わった施設のこと。基本的には、お金を賭けてゲームに参加することとなります。海外だと、ラスベガスやマカオなど、合法的にカジノ運営を行う地域もあります。
カジノの発祥である欧州では、上流階級の社交場とされており、ドレスコードも正装です。ホテルや劇場と、カジノが一体化しているIR(Integrated Resort)施設などもあり、こうした施設を巡る海外旅行ツアーに参加する日本人も少なくありません。
日本での賭博行為は禁止されている
オンラインカジノの利用者数は増えていますが、日本での賭博行為は法律で禁止されています。賭博行為とは、偶然決まる勝負ごとにお金を賭けて楽しむこと。
この原則に従うと宝くじや競馬なども該当しそうですが、これらは「公営ギャンブル」と呼ばれ、国が運営を認めています。そのため、日本では公営ギャンブル以外で勝負ごとにお金を賭けた場合は、刑法によって処罰されるのです。
オンラインカジノはグレーゾーン?
現在日本からアクセス可能なオンラインカジノは、海外拠点で運営されています。しかし、国内からアクセスした場合には日本の刑法に該当するため、原則違法です。実際に、これまでオンラインカジノを利用したプレーヤーが摘発された事例もあります。
ただし、オンラインカジノを行う海外事業者を、日本側が取り締まることは非常に難しいため現状は野放し状態。オンラインカジノを明確に規制する法律もまだ作られていないため、グレーゾーンだと伝えるところもあります。
とはいえ、日本で賭博行為を行えば、賭博罪にとわれます。また、際限なく続けられるオンラインカジノにより、短期間でギャンブル依存症となる方も急増しているため注意が必要です。
オンラインカジノの仕組み
日本での賭博行為は禁止されていますが、オンラインカジノの利用者が増えていることは事実です。ここでは、現状日本で広まっているオンラインカジノが、どのような仕組みで運営されているのかを確認しておきましょう。
入出金にはクレジットカードや電子マネーなどを使用
オンラインカジノは、海外拠点で運営されているため、日本円ではプレイできません。そのため、入金にはクレジットカードや電子マネーが使われているといいます。また、出金方法は電子マネーに限られているため、電子決算サービス用の口座も必要です。
スロットやテーブルゲームなどをネット上でプレイする
オンラインカジノで行えるのは、スロットやブラックジャックなどの幅広いゲームです。多いサイトでは、2,000種類ほどのゲームを用意するところもあるといいます。基本的にはスマホ1つあれば、24時間いつでもプレイが可能。そのため、依存性の高さが指摘されています。
勝った金額は税金の対象!一時所得として確定申告が必要
オンラインカジノで儲けたお金は、課税対象となります。日本の税法では、公営ギャンブルや懸賞で得た賞金は「一時所得」として確定申告する決まりがあるため、 一時所得の特別控除額50万円を超えた儲けが出た場合には確定申告が必要とです。
カジノを日本国内につくろうとする動きも
賭博行為を禁止している日本ですが、カジノを国内につくろうとする動きもあります。その背景についても確認しておきましょう。
観光先進国へ!2016年12月に通称「カジノ法案」を公布
日本では、2016年12月に「統合型リゾート(IR)整備推進法案」が公布されました。通称「カジノ法案」とも呼ばれるこの法律により「日本でもカジノが解禁される」と話題になりました。
この法案の内容は、「カジノやホテルなど複数の施設が含まれた統合型リゾートを建設するために、法律や国の体制を整えていきましょう」というもの。2018年7月には「IR実施法(特定複合観光施設区域整備法)」が成立し、その後もIR施設開業に向けた動きが本格化しています。
カジノ法案の目的は、国際競争力の高い滞在型観光を実現することです。日本を観光先進国として発展させていこう、とする考えが込められています。IRをすでに導入している国では、次のような施設が有名です。
シンガポール:「マリーナベイ・サンズ」「リゾート・ワールド・セントーサ」
香港:「スタジオシティ マカオ」「ギャラクシー・マカオ」「ザ・ベネチアン・マカオ」
アメリカ:「ラスベガス・サンズ ザ・ベネチアン」
いくつかの自治体が手を上げるも新型コロナの影響大!
日本では国内の3ヶ所のみに限定して、統合型リゾートを建設することが決定しています。法案成立当初は北海道や横浜市など多くの自治体が誘致を検討していましたが、2022年4月に誘致申請書類を提出したのは大阪府と長崎県にとどまりました。
結果として誘致先が2ヶ所にとどまった背景には、新型コロナによる外国人観光客の減少などが影響しているといわれています。大阪府では、大阪市にある人工島の「夢洲(ゆめしま)」。長崎県では佐世保市にある大型リゾート施設の「ハウステンボス」にIR施設が建設される計画が現在進行しています。