日本の年金制度は、世界で何位? 知っておきたいランキング

老後

日ごろの相談業務で、最も多い案件として挙げられるのが、「老後の経済不安」です。そんな中2018年10月に、世界最大級の人事・組織コンサルティング会社であるマーサー社から発表された、興味深いレポートがありました。

今回は、多くの読者が不安視しているであろう、年金制度について掘り下げてみたいと思います。

日本の年金制度は34カ国中29位

マーサー社から発表されたのは、2018年度グローバル年金指数ランキング 「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」レポートとランキングです。レポートによれば、日本の年金制度は34カ国中29位でした。


マーサーグローバル年金指数ランキング(2018年度)より

2017年、30カ国中29位だった日本は、2018年は4カ国増えた34か国中29位と、順位が下位なまま推移しています。これは、統計を取り始めた10年前から同じ傾向です。

世界の国別GDP(国内総生産)第3位で、総人口における高齢者(65歳以上)比率第1位であるわが国が、年金制度の「質」の面では、まったく他国に遅れをとっているのが、現状です(2017年のデータによる)。

年金指数は、最もポイントが高いのはオランダで、続いてデンマーク、フィンランドと北西ヨーロッパ勢が目立ちます。オーストラリアやカナダ、ドイツといった先進国も、総じて評価は高圏内であることが分かります。

当指数は、「十分性(Adequacy)」、「持続性(Sustainability)」、「健全性(Integrity)」の平均評価値が、0~100の指数として表されます。対象となるのは、公的年金制度のほか、私的年金制度や個人貯蓄の数値も含まれますので、より現実的な、「その国で老後を迎えた時の、資金的余裕度合い」を見ることができます。

さて、気になる日本の各評価は、以下通りです
l 十分性(Adequacy)・・・54.1(評価C)
l 持続性(Sustainability)・・・32.4(評価E)
l 健全性(Integrity)・・・60.7(評価C+)


マーサーグローバル年金指数ランキング(2018年度)より

トータルの順位を下げている要因として、「持続性(Sustainability)」が低いことがグラフから読み取れます。

持続性の定義としては、「例えば、年金が支払われるのに十分な環境が整っているか、平均寿命と支給開始年齢の関係は良いか、国家の破綻のリスクがなく持続可能なものか等が問われる」とされています。

持続性で高い評価を得ている国は、年金制度に優良なカバレッジ(年金の適用対象範囲)があり、対GDP年金基金運営資金高比率がよく、制度が義務化されていたり、政府債務が低かったりしています。
日本は政府債務がGDPの約250%もありますので、持続性の評価を押し下げる要因になっていることは、間違いないでしょう。

自分でできる老後資金作り

さて、これまで残念なレポート結果を見てきましたが、前向きに、読者世代ができる老後資金づくりは何があるのか、確認しましょう。

l 確定拠出年金制度(DC)への加入
真っ先に行うべき行動として、DCでの資産運用をおススメします。
個人型の確定拠出年金はiDeCo(イデコ)の愛称で親しまれ、2017年1月から、基本的にすべての国民が加入できるようになりました。既にご承知の方も多いでしょうが、iDeCo は掛け金を全額、所得から控除することができます。毎年の所得から控除できれば、その分所得税・住民税を減らすことができますので、その浮いた金額でさらに積立運用を行えば、一石二鳥です。

l 家計に占める貯蓄率を上げる
基本の話になりますが、「家計が苦しくて貯蓄ができない」という状況では、いつまで経っても老後の資産形成はできません。相談者の半数がこの問題に直面していますが、筆者が問題解決の為に提言するのは、「節約」ではなく、「収入を上げること」です。副業などで新たに収入源を作る工夫や、本業の収入を上げる為の行動を取ることを、おススメします。

まとめ

総じて世界の中では「年金虚弱国」である日本ですが、公的年金が信用できないものという訳ではありません。

大切なのは、「できることを、できるだけ努力し、行動すること」です。誰もが満足できる完璧な年金制度は世の中に存在しませんが、「ほどほどの安心感」を持てるよう、各自が努力をしなければなりません。また、最後に最も大切な「資産」は、経済的余裕以外に、健康であると付け加えておきます。

2018年現在においても、「老後」と呼ぶ年齢をもはや定義できないのは、きっと「健康的に働ける年齢」が、人それぞれで、実年齢で線引きをすべきではないからだと思います。
元気に働くことができるのであれば、その分継続的な収入によって、老後資産をつくり続けることができます。

佐々木 愛子

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中...

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