いくらもらえる?企業の退職金 賢い老後資金の考え方

老後

老後の暮らしを考えたとき、気になるのが退職金の額ですね。
厚生労働省の調査結果から、一般的な退職金の額を知った上で、準備しておかないといけない老後資金を計算します。そして、必要な額と退職金との差額をどんな方法で準備したらいいかを考えていきましょう。

■退職金はいくらもらえる?

厚生労働省発表の「2018年就労条件総合調査」によると、一時金・年金含めて退職給付制度がある企業は全体の80%となっています。
では、退職金が支給されている場合、金額はいくらぐらいなのでしょうか?
同じく2018年就労条件総合調査の報告書に次の表があります。


出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」、退職給付(一時金・年金)の時給実態

これは、退職給付制度がある企業について、2017年の1年間に勤続20年以上かつ45歳以上の退職者に対する1人平均退職給付額です。
このなかの「定年」退職者の金額を見ると、「大学・大学院卒(管理・事務・技術職)」が1983万円、「高校卒(管理・事務・技術職)」が1618万円、高校卒(現業職)が1159万円となっています。
つまり定年まで勤めた平均的な額として、大卒で約2000万円、高卒で約1100~約1600万円ということが考えられますね。

■準備しておくべき老後資金

では、老後の暮らしにはいくらぐらいお金がかかるのでしょうか?
2018年総務省家計調査での、現在の無職高齢者の夫婦二人世帯と単身世帯のひと月の支出額は次の通りとなっています。


出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2018年 平均結果の概要」

夫婦二人世帯で約4万2000円、単身世帯で約3万9000円、毎月赤字であることがわかります。
毎月4万円の不足で65歳から100歳まで35年間生きたとすると、
4万円×12カ月×35年間=1680万円の不足額合計となります。
この金額は、大卒で定年まで勤めれば退職金でまかなえますが、高卒なら100万円~600万円ほど不足することになります。その分を自分で準備しておかないといけないということですね。

また、先ほどの退職金の平均額は、あくまでも退職金制度がある会社に定年まで20年以上勤めた人の金額です。
なので、退職金制度はあるが定年までの勤続年数が短い人、制度があっても自分の勤務先の退職金が平均より少ない人、そもそも退職金制度がない、会社勤めをしていない、という人であれば老後資金の準備しておく金額はさらに大きくなります。

■老後資金の準備に適した方法

老後資金の準備に適した方法は、なんといってもiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
なぜなら、60歳以降しか引き出せないので、確実に老後資金を作れるからです。そして、掛金が所得控除となって所得税や住民税の節税効果が期待でき、オトクに資金準備ができるからでもあります。
また、60歳以降で受け取るときも退職金や公的年金と同じ扱いとなって、税金面で有利になることも挙げられます。

勤め先で確定拠出型年金(企業型DC)をしていると、iDeCoができないこともあります。その場合は、運用益が非課税となるつみたてNISA(積立NISA)を利用して、毎月少しずつでもお金を貯めておきましょう。一般の課税口座で積み立て投資をしているぐらいなら、つみたてNISAの枠を使わない手はありません。

その他には民間保険会社の個人年金もあります。上限はあるものの保険料は所得控除の対象となります。
年金の受け取り時には、支払った合計保険料と年金原資との差額が所得として税金がかかります。受け取る年金額に対しての課税ではありませんが、個人年金は投資ではないので収益は限定されます。

■まとめ

自分が60歳まで勤めたとしての退職金の額と、老後の公的な年金額や定年後も入る予定の収入を、概算でいいのでわかっておくと、老後資金を計画的に準備できるので安心です。
それと同時に、老後に自分が思う理想の暮らしをしたときにかかる支出を試算しておけば、定年までに自分で準備しておかなければならない金額がわかります。

平均はどこまでも平均です。平均を知ることは自分の場合はどうかを考えるきっかけでしかないのではないでしょうか。この機会にぜひ自分の場合を考えてほしいと思います。

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小野 みゆき

中高年女性のお金のホームドクター 社会保険労務士・CFP・1級DCプランナー・年金マスター 企業で労務、健康・厚生年金保険手続き業務を経験した後、司法書士事...

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