脱・都心回帰で自分らしく生きる。デュアルライフのメリットとは
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、私たちは「新しい生活様式」を余儀なくされています。その中で今、注目を集めているのが「デュアルライフ」です。
この記事では、働き方や生き方の多様化のひとつとして20代・30代に支持されているデュアルライフの魅力について紹介します。
デュアルライフっていったいどんな暮らし?
デュアルライフとは、いわゆる「二地域居住・二拠点生活」のことです。国土交通省は、デュアルライフのことを「都市に暮らす人たちが、農山漁村等の同一地域に中期的・定期的・反復的に滞在。都市に住居を構えつつ農山漁村の地域社会と一定の関係を持つこと」と定義づけています。
少し前まではデュアルライフというと、定年退職後の人たちや富裕層が、都心にある自宅と郊外の別荘を行き来する…というイメージが持たれていました。しかし近年では、地方への定住人口増加や、地域づくりのための人材確保の手段として、国が若年層・ファミリー層へデュアルライフを促進しています。
さらに、ワークスタイルやライフスタイルの選択肢が増えたことにより、20代・30代のビジネスパーソンがデュアルライフに着目。その結果、現在は「平日は都市部で働き、休日は田舎でのんびりする」という風に、二拠点での生活を同時進行で行うことをデュアルライフと呼ぶようにもなりました。
また、デュアルライフを謳歌している人たちは「デュアラー」と呼ばれています。このデュアラーという言葉は、2019年にリクルートが「住まい領域のトレンドキーワード」として発表しました。
なぜ今「デュアルライフ」なの?
都心で生活を続けながら、地方や郊外にもまた別の生活拠点を構える、というのはコストがかかるものです。また、移動のための時間も必要。「資金面でしんどくなりそうだなぁ」「移動だけで疲れてしまいそう」なんて、ついつい考えてしまいがちです。
それなのに、なぜ今デュアルライフを実践している人が増えているのでしょうか?その理由のひとつが、「ライフスタイル及びワークスタイルの多様化」です。
今までのライフスタイルは仕事が中心となっていましたが、現在は「生活を楽しむ」ことに重点に置くことこそが、価値ある生き方であると考える人が増加。自分らしく生きることで、人生をより謳歌したいと考える人たちが、いわゆる「田舎暮らし」に着目し始めたのです。
また、この度のコロナ禍で、リモートワークやテレワーク勤務が浸透。都市部への一極集中型だったワークスタイルが大きく様変わりし、多様な働き方が選択可能となりました。働く環境や働き方がよりフレキシブルに変化していく…いわばデュアルワークは、その象徴として若年層のビジネスパーソンに支持されているのです。
さらに、今まで「負の遺産」と呼ばれていた、地方や郊外の空き家を物件として利用し、賃貸として借りたり、安く購入したりできるようになったことも、注目される一因となりました。
空き家を活用したデュアルライフを展開することにより、金銭的に決して余裕があるとは言えない世代でもデュアラーになれる、そしてなおかつ社会問題となっている地方の空き家問題も解決できる。まさにWin-Winの関係が成立したのです。