iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリット・注意点まとめ

投資商品

老後なんてまだ先!と思いつつも、将来に不安を感じ20代からリタイヤ後の準備を始めている人は少なくありません。今回は、じぶん年金作りに最適と言われているiDeCo(個人型確定拠出年金)のメリットと注意点をご紹介します。

iDeCoのメリット(1)3つの節税効果がある

簡単に言えば、掛け金を積み立てる時、運用している時、年金をもらう時に税金優遇があります。
1つめは、1年間に積み立てた掛け金全額が所得控除され、所得税・住民税が軽減できることがあげられます。

2つめは、運用期間中の利息や分配金、解約時の売却益など、運用で得られた利益に税金がかからないこともメリットです。本来なら20.315%の税金が引かれるところ、iDeCoでは税金を差し引かれずに運用できるので、効率的に資産を増やすことにつながります。

3つめは、年金をもらう時の優遇ですが、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」が、年金として何年かにわたって受け取る場合には「公的年金等控除」が利用できますので税負担を軽くすることができます。

iDeCoのメリット(2) 投資信託の手数料が安い

iDeCoでは購入時手数料や解約時の信託財産留保額がかからないものが多く、毎月の掛け金から差し引かれる信託報酬は通常よりも低く設定されています。運用結果は予測できませんが、手数料など費用は計算できるもの。投資信託を運用するなら、iDeCoで行った方がお得です。

iDeCoのメリット(3) 転職しても引き続き運用できる

確定拠出年金には「ポータビリティ」という制度があり、積立金を個人の年金資産として持ち運ぶことができます。企業型確定拠出年金(以下、企業型)がある会社に転職して、iDeCoから企業型へ移管することも、企業型からiDeCoへ移管することもできることは、働き方が多様化している現代では大きなメリットといえるでしょう。

iDeCoの注意点(1) 60歳まで引き出せない

老後のための積み立て制度であるので、60歳までは受け取れない仕組みになっています。そのため子どもの教育資金や住宅購入など近い未来のための積み立てには不向きな制度です。自由に引き出せないのはデメリットですが、引き出せないからこそ確実に老後のお金が貯まるとも言えます。

iDeCoの注意点(2) 手数料の負担がある

iDeCoは、加入時にかかる「口座開設手数料」と、毎月の掛け金から差し引かれる「口座管理手数料」があります。加入時にかかる手数料は、どこの金融機関も同じですが、口座管理手数料に関しては、金融機関によって違いがあるので、手数料が安いかどうかを基準に金融機関を選んでも良いでしょう。

iDeCoの注意点(3) ひとり1口座しか作れない

iDeCoでは口座開設がひとり一口座に限られています。金融機関を変更する場合、運用していた商品を一度すべて解約し現金にした後、新たな金融機関に移管することになります。そのあと購入の手続きをするため、2ヶ月程度の時間がかかります。金融機関の変更は時間と労力がかかりますので、「口座管理手数料」「商品ラインアップ」「サービス」などを比較したうえで慎重に選ぶようにしましょう 。

まとめ

掛け金は年に1度変更できるので、暮らしの変化に合わせ負担のない金額で積み立てることをお勧めします。メリットだけでなく注意点も意識して、しっかりと将来を見据え上手に制度を活用してください。

辻本 由香

CFP、おふたりさまの暮らしとお金プランナー 企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。暮らしにまつわるお金について知識を得るこ...

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