東京オリンピック後の経済予想 2020年以降、東京はどうなる?

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オリンピックは良い経済刺激効果を期待できる一方、「始まるまでは景気は良く、終了後は不況へ」との見方をする人も多くいます。
今回の開催国、日本のオリンピックが経済に与える効果を考えるため、過去の例を確認してみます。

前回の東京オリンピック後の経済

まずは54年前に開催された東京オリンピックの開催前、開催年、開催後の経済成長率から、日本経済へのオリンピックの影響をみてみましょう。

下の表は前回の東京オリンピック前後と開催年の経済成長率を並べています。
経済成長率とは、その国の経済の規模が1年間でどれくらい拡大したかを表したものです。
経済成長率はIMF(国際通貨基金)という世界の公的な機関が公表しているものですが、1980年より古いデータが確認できなかったため、今回は2013年三菱UFJ銀行「経済レビュー」のデータをお借りしました。


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2013年三菱UFJ銀行「経済レビュー」より

前回の東京オリンピック時の経済成長率は、開催4年、3年前には前年と比べて10%を超えています。まさにオリンピック開催に向けてスタジアムや各種競技場の新設、インフラ整備等の建設ラッシュといった多くの工事が進められていた時期です。オリンピックに関連した投資の増加による伸びとみていいでしょう。

しかし、そのような高度経済成長の真っただ中、前回の東京オリンピック後、昭和40年不況、証券不況とも呼ばれる不況に直面し経済成長率は5.1%に急降下しています。
オリンピックの経済効果がなくなったことや企業業績の悪化等が原因といわれていますが、2020年のオリンピックも前回と同じような展開を心配する声は多くあります。

では、過去の他の開催国のオリンピックと経済の関係もみてみましょう

今までの開催国ではどうなっている?

これまでのオリンピック開催国の開催前、開催年、開催後の経済成長率もまとめてみました。
経済成長率推移の一番多いパターンは、ソウル、バルセロナ、シドニー、アテネ、北京に見られるように、オリンピック開催の前年の成長率が開催年の成長率を上回る展開です。これらの国に共通するのは初めてオリンピックが開催された点です。アテネは実質2回目ですが久々でしたので初めてのようなものです。

一方、アトランタ、ロンドンを見てみると、オリンピック関連で成長率を伸ばしているようには見えません。
このことからアメリカやイギリスといった先進国では、オリンピックのためだけの特別な投資が、それほど必要なかったのだろうとの見方ができるかと思います。

開催後の経済成長率は、9大会中6大会が下げています。

リオデジャネイロだけは、開催前から、そもそも悪い経済状況に加え、政府の汚職事件等影響で、唯一、オリンピック開催前年も経済不振という違った展開となっています。


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 IMFホームページ2018年4月時点のデータから筆者作成

では、2020年の東京オリンピックはどのような展開になるのか気になりますね。

2020年オリンピック後の東京はどうなる?

IMFによる今後の日本の経済成長率の見通しは次の通りです。


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IMFホームページ2018年4月時点のデータをから筆者作成

これまでの開催国の展開からも、2020年の東京オリンピックはアトランタやロンドンに近い形になる可能性が高いと考えるのが自然ではないでしょうか。
そして、前回のオリンピック時のように不況がやってくるという過度な心配も必要のないのかもしれません。

まとめ

経済に大きく影響するほどの設備投資等はないだろうという結論ですが、規模は別として準備は着々と進んでいます。
せっかくの大イベントのオリンピックです。開催後も継続して効果が残るような大会にしていただきたいと願っています。

寺野 裕子

てらのファイナンシャルプランニングオフィス代表 CFP ・1級FP技能士、投資助言業 2008年FP相談業務開始。2014年事務所運営スタイルを金融機関等か...

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