東京オリンピック後の経済予想 2020年以降、東京はどうなる?

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オリンピックは良い経済刺激効果を期待できる一方、「始まるまでは景気は良く、終了後は不況へ」との見方をする人も多くいます。
2020年の開催国、日本のオリンピックが経済に与える効果を考えるため、過去の例を確認してみます。

1964年の東京オリンピック後の経済

まずは54年前に開催された東京オリンピックの開催前、開催年、開催後の経済成長率から、日本経済へのオリンピックの影響をみてみましょう。
下の表は前回の東京オリンピック前後と開催年の経済成長率を並べたものです。
経済成長率とは、その国の経済の規模が1年間でどれくらい拡大したかを表したものです。

経済成長率は世界銀行が公表しているものですが、1960年以前のデータが確認できないため、3年前からの表示となっています。

実質GDP成長率


出典:世界銀行

前回の東京オリンピック時の経済成長率は、開催3年前は10%を超えています。まさにオリンピック開催に向けてスタジアムや各種競技場の新設、インフラ整備の建設ラッシュといった具合に、多くの工事が進められていた時期です。オリンピックに関連した投資の増加による伸びとみていいでしょう。開催した年も大きく成長していたのがわかります。ですが、その反動に1年後の経済は落ち込んでいます。

オリンピックの経済効果がなくなったことや企業業績の悪化等が原因といわれていますが、2020年のオリンピックも前回と同じような展開を心配する声は多くあります。

今までの開催国ではどうなっている?

これまでのオリンピック開催国の開催前、開催年、開催後の経済成長率もまとめてみました。

経済成長率推移の一番多いパターンは、ソウル、バルセロナ、シドニー、アテネ、北京に見られるように、オリンピック開催の前年の成長率が開催年の成長率を上回る展開です。これらの国に共通するのは「初めてオリンピックが開催された」という点です。厳密にはアテネは2回目ですが久々でしたので、実質的には初めてのようなものです。

一方、アトランタ、ロンドンを見てみると、オリンピック関連で成長率を伸ばしているようには見えません。
このことからアメリカやイギリスといった先進国では、オリンピックのためだけの特別な投資が、それほど必要なかったのだろうとの見方ができるかと思います。

開催後の経済成長率は、9大会中6大会が下げています。
リオデジャネイロだけは、開催前から、そもそも悪い経済状況に加え、政府の汚職事件等影響で、唯一、オリンピック開催前年も経済不振という違った展開となっています。

(数値単位:%)
IMFホームページ2018年4月時点のデータから筆者作成

2020年オリンピック後の東京はどうなる?

IMFによる今後の日本の経済成長率の見通しは次の通りです。

(数値単位:%)
IMFホームページ2019年4月時点のデータから筆者作成

これまでの開催国の展開からも、2020年の東京オリンピックはアトランタやロンドンに近い形になる可能性が高いと考えるのが自然ではないでしょうか。

東京オリンピック後も、東京の開発は進んでいきます。
山手線には「高輪ゲートウェイ」駅、日比谷線には「虎ノ門ヒルズ」駅が誕生します。虎ノ門ヒルズと六本木ヒルズの間には、大阪の「あべのハルカス」を超える日本一の超高層ビルができる予定です。渋谷や中野などの再開発も旺盛です。
東京だけではありません。大都市圏を中心にオリンピック後も再開発が進んでいます。そのうえ、訪日外国人旅行者数は2018年度で3,000万人を突破しているのです。

もちろん、日本の人口が減っていることは経済にマイナスの影響を与えます。2050年には、人口が1億人を割り込むと予想されています。一方で外国人労働者は年々増えています。オリンピック後は東京でビジネスをしたいという外国企業、働きたいという外国人が増えることが予想されます。

日本全体の大きな景気拡大は見込めないかもしれませんが、オリンピック後は東京を中心には底堅く経済成長率は推移していくのではないでしょうか。

まとめ

東京オリンピックまで1年を切り、チケットの販売や各競技のニュースなどが日々報じられるようになりました。準備は着々と進んでいます。
せっかくの56年ぶりのオリンピックです。開催後も継続して経済効果が残るような大会になればと思います。

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Mone...

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