会社員ができる節税5選 今から年末までにできること

税金

2019年の10月から、消費税も飲食品など一部を除いて増税となりました。少しでも税金を安くしたいと思うかたも少なくないと思います。
さらに2020年からは、給与所得控除(税金の計算上、給与収入から差し引ける金額)の金額が少なくなり、基礎控除も一律でなくなります。これにより、収入が多い人ほど税金負担が増える構造に変わります。
今回は、会社員ができる節税について、5つピックアップしました。わかりやすく解説します。

年末までにできる、目的別節税方法

(1)生命保険・介護医療保険・個人年金保険に加入する

生命保険は主に死亡したときの保障、介護医療保険は、病気やケガにより病院で治療を受けた場合の費用などの保障、個人年金保険は老後資金の準備ができます。

1月から12月までに支払った保険料は、年末調整や確定申告により、所得から差し引くことができます。2012年以降に契約した保険の場合、所得から引ける金額は下記の計算式に当てはめて計算します。

2012年以降に契約した保険の、所得控除額

国税庁HPより筆者作成 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm

保険種類ごとに計算し、それぞれ8万円以上であれば、控除額は上限の4万円となります。生命保険・医療保険・個人年金保険の合計で、控除額の上限は12万円です。

これから保険加入を検討する場合、月払いだと年末までの支払額しか控除の対象になりません。しかし、保険料の前払いである年払い(1年)にすれば、控除額をフルに活用できる可能性があります。

(2)医療費で節税

医療費控除は、病院にかかった治療代や薬代が対象です。医療費の合計が10万円を超えた部分が医療費控除額となり、税金が戻ってきます。今年1年の医療費が10万円を超えそうな場合、治しておきたいところがあるのなら、年内に病院へ行くようにしましょう。

所得金額が200万円未満の場合には、医療費の合計が所得等の5%を超えた分が医療費控除になり、控除を受けやすくなります。
200万円未満の所得とは、収入が給与だけなら1年で311万4,000円以下の場合です。
詳しくは、国税庁ホームページでご確認ください。

ただし、医療費控除は200万円が上限になります。

また治療費の支払いは、手持ち現金がなくてもクレジットカードで対応できる医療機関もあります。クレジットカードを使う場合、医療費控除の対象は、クレジットカードを使用した時点になり、引き落とし時点ではありません。
ちなみに、インフルエンザの予防接種は、医療費控除の対象外なので、注意しましょう。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)

病院で治療費を払っていなくても、自分や家族のために特定の医薬品などを購入したら、その合計額が1年で1万2,000円を超える場合に所得控除を受けることができます。所得控除額は、1万2,000円を超えた部分で、上限は8万8000円です。
これを、セルフメディケーション税制といいますが、所得控除を受ける場合、いくつか要件があるので、確認しましょう。

・健康診断を受けているなど、健康のための取り組みをしていること
・特定の医薬品を購入していること
セルフメディケーション税制は、医療費控除を受ける場合は適用できないので、注意しましょう。どちらかお得な方を選ぶことになります。

セルフメディケーション税制の対象となる医薬品は、パッケージにマークが表示されています。

出典:日本一般医薬品連合会

対象の医薬品を知りたい方は、厚生労働省ホームページの「対象品目一覧」で確認することができます。

販売店によっては、購入した医薬品の横に☆印などをレシートに表示させているところもあるようです。

(3)ふるさと納税節税+返礼品

ふるさと納税は、寄付ができて節税もできるだけでなく、返礼品ももらえる、おトクいっぱいの節税方法です。ふるさと納税は、実質2,000円の負担で返礼品が受け取れます。
また、寄付額の内2,000円を超える部分は、税金からダイレクトに引くことができます。
年収などによって、自己負担が2,000円になる上限額がありますので、ふるさと納税のインターネットサイトなどでシミュレーションしてから利用するとよいでしょう。

ふるさと納税は、寄付をした日の年分の節税になるので、今年中に節税したい場合は早めに手続きをしましょう。
また、支払方法は銀行振り込みなどもありますが、12月は時間がかかることもあるので、年末の利用にはクレジットカード払いも検討してみてください。
年末までの間、寄付をする市町村について、応援したい市町村、返礼品が魅力的なところなど、楽しく選ぶことができますね。

投資が節税になるケース

(4)自分に投資

給与をもらっているサラリーマンが、仕事をするうえで必要となる支出(通勤費、研修費、資格取得費など)の合計額が、給与所得控除額の2分の1を超える場合、その超える部分の金額を所得控除できる制度です。「特定支出控除」といいます。
わかりやすく図で表すと、こちらになります。


国税庁HPより筆者作成

特定支出控除により、弁護士や税理士などの資格を取得するため費用を自己負担した場合、税金を安くできることがあります。
ただし、特定支出控除を受けるには、勤務先の証明と確定申告が必要です。勤務先の協力を得ましょう。

(5)不動産投資

不動産投資は、会社員の副収入として注目されています。平日は休めない会社員でも、仕事に影響させることなく収入を得ることができるからです。
そして、不動産投資をしていると、会社員でも節税ができる場合があります。
税金は所得をもとに計算されますが、もしも不動産所得が赤字になったら、赤字分を給与所得から差し引くことで合計の所得を減らすことができるため、税金が安くなるからです。

所得とは収入から経費を引いた残りの金額です。
収入は家賃など。経費は、固定資産税、修繕費、管理料、借入金の利息、減価償却費などがあります。特に、減価償却費が節税のポイントです。
例えば、不動産を2,000万円で購入したとしても、2,000万円がそのまま購入した年の経費にはなりません。
購入した費用は、不動産の土地と建物に分けられ、減価償却は建物のみ算入できるものになります。建物の造りごとに法律で決められた年数に分割して、複数年にわたって経費にします。これを減価償却費といいます。

つまり、年によっては実際には支出していなくても経費として収入から差引けるので、会計上は赤字になるというケースがあるのです。本当に赤字だったら困りますが、これなら節税のメリットとして利用できます。
他にも、確定申告の方法を青色申告にすると、所得から10万円または65万円を差し引くこともできます。詳しくは、お近くの税理士さんへご相談ください。

確定申告を忘れずに

収入が給与のみであっても、医療費控除やセルフメディケーション税制、特定支出控除を利用する場合は確定申告が必要です。
ふるさと納税のワンストップ納税は、確定申告をしなくてもよい方法ですが、医療費控除の利用など他の理由で確定申告をする場合にはワンストップ納税が無効になります。確定申告するなら、ふるさと納税の寄付金控除も忘れずに行いましょう。

また、会社での年末調整に間に合わなかった所得控除があれば、確定申告で対応できますので、あわてなくても大丈夫です。
国税庁のホームページでは、確定申告が初めての方でもわかりやすく、簡単に確定申告書が作成できます。一度チャレンジしてみてください。

まとめ

年末まであと3カ月ほど。そんな短い期間では節税は間に合わない、とあきらめることはありません。いまからでも十分にできることがあります。節税ができる上におトク感もあるので、喜んでお金を使うことができますね。お金を使ったあとでも楽しみがある節税方法、これを機に試してみてはいかがでしょうか?

山田 香織

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、産業カウンセラー。 FP歴9年。会計事務所で11年間、経営・税務相談業務を経験した後、FP事務所を開業。 個人から...

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