働き方改革を実施している企業の内容紹介 女性が働きやすい職場とは?
2019年4月から働き方改革関連法(厚生労働省)が順次施行され、時間外労働の上限規制の導入や、年次有給休暇の確実な取得が必要になりました。また、2020年4月からは正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差が禁止されます。
働く側にとっては働きやすくなりますが、実際はまだまだ実施できている企業は多くはないようです。
そこで今回はすでに働き方改革を実施している企業の内容をご紹介します。
働き方改革対応事例
有給休暇の取得、育児休暇、テレワーク、時差出勤など、積極的に取り組んでいる企業がどのように対応しているのかご紹介します。
セイコーホールディングス株式会社(東京都中央区)
従業員が自分の都合に合わせた①午前8時30分から午後5時、②午前9時30分から午後6時、③午前10時30分から午後7時の3種類の始業・終業時間を選択できるセレクティブタイム制度を試験的に行っています。朝、子供を保育園などに送っていく時は10時半から始業、夜に習い事などがある日には8時半から始業などとプライベートに合わせた働き方ができます。
また、年次休暇を土日と合わせて4連休とする計画休暇も推奨、さらに4日連続の休暇を取得する時は特別休暇を付与して5日連続のリフレッシュ休暇もあります。
さらに、現在は育児や介護中の人が利用できる在宅勤務制度を、今後は本格導入の予定です。
参照:働き方・休み方改善ポータルサイト/取組・参考事例検索「セイコーホールディングス株式会社」
メタウォーター株式会社(東京都千代田区)
週休3日制の試行をしています。従来は午前9時から午後5時半までの7時間45分(休憩を除く)、週5日の勤務から、午前9時から午後7時半までの9時間45分(休憩を除く)で、週4日勤務ができるように。
さらに働く場所については事業所内外にサテライトオフィスを設置し通勤時間の効率化に役立っています。
また、再雇用制度(ジョブ・リターン制度)の導入により、出産や育児、転職などで一度退職した従業員を積極的に受け入れもしています。
今後は育児、介護中、長時間通勤者に限らず、対象者に制限を設けないテレワーク制度の導入を予定しています。
参照:働き方・休み方改善ポータルサイト/取組・参考事例検索「メタウォーター株式会社」
協和界面科学株式会社(埼玉県新座市)
年次有給休暇の取得推進の他に、7月から9月までの間に連続5日の有給休暇を取得することができます。特に誕生日や結婚記念日など、好きな日を有給で休むことができるといった有給休暇を取得しやすい環境作りに力を入れています。
また、学校行事休暇制度があり、中学生までの子どもを持つ社員には無給の休暇ではあるものの、学校行事のために年間5日までの休暇が認められています。
さらに、小学校6年生までの子どもをもつ社員の場合は、育児時差出勤制度があり、保育園のお迎えの時間や、学童保育からの帰宅時間に合わせて退社することができます。
他にも、午前8時、8時半、9時の就業開始時間を選択することもでき、多様な働き方ができる企業として埼玉県から評価も受けています。
女性が働きやすく、長く続けられる職場の必須条件
女性は出産や育児、親の介護、家族の転勤など仕事と働き方について男性よりも考える機会が多くあります。本当は働きたいと思っていても、様々な家庭環境で仕事を辞めざるを得なかったり、正社員ではなくパートとしての働き方を選択しなくてはならなかったりすることもあるかもしれません。
これからの時代は女性も自分の希望する働き方で、いつでも会社に復帰できるような制度があることが会社選びの選択肢になるのではないでしょうか。
たとえば、産休、育休後に子育てしながらでも働きやすい環境があることはとても大事なポイントです。子育てしながら会社員を続けている先輩がたくさんいることによって、理解やサポートが得られれば安心して復帰することができます。
また、多様な働き方ができることも重要です。在宅勤務やテレワークなど、会社に行かなくてもできる仕事から復帰できれば、通勤時間分をプライベートの時間として使うことができます。
さらに、休暇が取りやすいことも大切。会社全体で休暇が取りやすい雰囲気があれば、子供の予定などで休暇を取得するときも、周りに気を遣うことなく取得できます。
つまり、多様な働き方に柔軟に対応できる職場であれば、女性が安心して働き続けることができるでしょう。
働きやすくするためにできること
働き改革に積極的に取り組んでいる企業もあれば、まだ取り組みが実施できていない企業もあります。もし、今の会社で働き続けることが難しいと感じているのであれば、まずは会社にどのような制度があったらいいのか、どういった制度があれば長く働き続けられるのかを、はたらきかけてみてはいかがでしょうか。
その行動は自分だけでなく、後から続く女性の働き方にも大きな影響を与えることにもなります。
しかし、全て受け入れられるとは限りません。正社員としてのキャリアの継続が難しいときは、転職も一つに選択肢になります。多様な働き方などを積極的に取り入れている企業であれば、柔軟な対応をしてくれることでしょう。
共働き夫婦が増えて、女性も社会で働き続けることが当たり前の社会になると、女性は様々なライフイベントで働き方の変化があることを想定して、働きやすい職場を選択することが必要になるでしょう。会社の知名度や、希望、歴史と言った判断ではなく、いかに働き続けることができる仕組みがあるのかが選択の基準になっていくかもしれませんね。