20代の貯金額はどれくらい?旅行、結婚、老後資金の貯め方
ボーナスが出ると、使いみちをどうしようかと考えるものですが、「貯金しよう」と考える方も多くいます。まわりの20代の平均貯金額はどれくらいなのか気になりませんか?
平均データを参考にしながら自分の貯金計画について考えてみましょう。
全世帯の貯金額の平均はどれくらい?
まずは全世帯での貯金額から確認してみましょう。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(二人以上世帯調査)(2021年)によると、全世帯での金融資産保有額の平均値はなんと1,563万円です。
世帯主の年齢別貯金額の平均値・中央値(金融資産を保有していない世帯を含む)
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(二人以上世帯調査)(2021年)より筆者作成
もっとも、全世帯の平均値をみて自分の貯金額が少なすぎると憂う必要はありません。平均値は、一般的とはいえない高額な資産を保有している人の貯金額も合わせて計算されます。そのため、平均値の金額が引き上げられ、実態とかけはなれた数字になってしまうからです。
より実態に近い数値に「中央値」があります。中央値とは、データを小さい順もしくは大きい順に並べたときの真ん中に位置する値のことです。したがって、平均値のように極端なデータの影響を除くことができるのです。
2021年の全世帯での貯金額の中央値は450万円。中央値であれば、まだそこまで高くないと思われるのではないでしょうか。
なお、この5年間の全世帯の貯金額の中央値の推移は、
2017年 380万円
2018年 500万円
2019年 419万円
2020年 650万円
2021年 450万円
となっています。
注目は2020年の中央値。650万円と、他の年より多くなっています。これは、新型コロナウイルスが流行したことで貯金の意識が高まったり、消費が抑えられたりしたためと考えられます。
20代の貯金額はどれくらい?
2021年の全世帯の貯金額の中央値は450万円ですが、年代別に見ると、かなり金額に開きがあります。冒頭の表のとおり、20代の貯金額の平均値は212万円、中央値は63万円となっています。20代は就職してさほど年数が経っていないので、貯金額が30代以降に比べて少ないのは納得かもしれません。しかし、20代の貯金額を細かく見ると、かなりのばらつきがあります。
●20代の貯金額(金融資産を保有していない世帯を含む)
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(二人以上世帯調査)(2021年)より筆者作成
グラフの一番左、「金融資産非保有」は貯金ゼロの世帯です。20代は、貯金ゼロが37.1%もいます。さらに、「100万円未満」も14.1%いますので、「20代の51.2%が100万円未満」となります。
「20代の半数が貯金できていないならしょうがない」「みんなと同じだから安心」と思うなかれ。20代でも1000万円以上貯める猛者もわずかながらいるのです。また、1000万円まではいかないまでも、数百万円は貯金できている人もいます。
まだ貯金がさほどない、どう貯めていいかわからないという人は、これから「貯められる習慣」を身につけることからスタートしていきましょう。貯金を始めるうえで大切なことは、計画を立てることです。
では、どのように貯金計画を立てていけばいいか具体的に説明していきます。
■貯金計画はどう立てる?
まずは、自分が将来やりたいことを基準に貯金計画を立ててみましょう。
計画を立てるうえで大切なことは「いつまでに」「何のために」「いくら貯めたい」かの具体的な目標です。例えば、「2年後海外旅行に行くために50万円貯める」という具合に、自由に考えてみましょう。そこから逆算すると、毎月必要な貯金額がわかります。
このとき、無理な目標は立てないようにします。「目標」にならないからです。
「手取り年収300万円で5年後に1000万円」という目標だと、1年あたり200万円貯める必要があることがわかります。手取りの300万円から200万円を差し引くと残り100万円で生活しなくてはいけないことに…。
このような実践できそうもない目標では挫折してしまいます。なるべく具体的に達成できそうな金額を設定することがポイントです。
「5年間で200万円貯める」ならどうでしょうか? この場合、毎年の貯金のペースは200万円÷5年=50万円。毎月に割り戻すと50万円÷12ヶ月=約4.16万円となります。これなら、実践できそうですね。
20代の給料で毎月約4万円の貯金はキツいかもしれませんが、ボーナスを併用して貯めることも方法のひとつです。
例えば、ボーナス15万円を年2回貯めると1年で30万円貯まります。年間50万円が目標だと、残りは20万円。それを12ヶ月で貯めるには1か月あたり20万円÷12ヶ月= 1.66万円貯めればよい計算になります。1万6600円ほどなら頑張ればできそうな金額ですね。
今まで貯める習慣がなかった場合は特に「続けられる」金額を設定していきましょう。