20代の貯金額はどれくらい?旅行、結婚、老後資金の貯め方

20代の貯金額はどれくらい?旅行、結婚、老後資金の貯め方
貯金・家計

旅行費用、結婚資金、老後資金はどう貯める?

毎月続けられる貯金額が設定できたら、次はライフプランに必要な金額を考えていきます。ライフプランとは人生設計のこと。人生には三大資金といわれる教育費・住宅費・老後資金の大きな支出があります。もっとも20代の場合、結婚がまだなら教育費や住宅費と言われてもピンとこないでしょう。

そこで今回は、旅行費用、結婚資金に加えて、かなり先ですが大きな金額が必要な老後資金の3つの具体的な貯め方を紹介します。

① 旅行費用

20代で初めて大きなお金を使うのは旅行という人が多いでしょう。もちろん、どのような宿に泊まるのか、場所は国内なのか海外なのか、旅先でどのような過ごし方をするのかによっても費用は千差万別です。

一例として2年後にヨーロッパに行くため30万円貯める目標を立てたとしましょう。このとき、毎月必要な貯金額は、

30万円÷24ヶ月=1万2500円

つまり毎月1万2500円ずつ貯金すれば、目標達成することができます。

目標が定まったら、その目標を達成しやすい貯め方を利用するのもいいでしょう。

旅行ならではのお得な貯め方に、旅行積立があります。旅行積立では、旅行資金を毎月積み立てることで、満期になると支払った金額よりも多い金額の旅行券を受け取ることができます。

たとえば、JALの旅行積立(たびつみ)の「毎月払いコース」で、積立目標額30万円を24回積立で貯めるとすると、

1万2167円(毎月)×24カ月 = 29万2008円

となり7992円もお得になります。リッチなディナーに1回行ける金額です。

さらにJALカードで支払うと毎月おおよそ133マイル貯まるので24ヶ月で3192マイル貯められます(ショッピングマイル・プレミアムに入会の場合)。このように、目標に応じて貯める方法を選ぶとよりお得になります。

② 結婚資金 

ゼクシィ「結婚トレンド調査 2021」によると首都圏の結婚費用の平均は350.5万円となっています。もっとも結婚式も、どれくらいの人数か、どこで行うか、入籍のみで済ませるか、などでかかる費用は十人十色ですから一律で350万円貯める目標を立てる必要はありません。パートナーと折半で用意する、あるいは親からの支援を受けられるといった事情があれば、さらに用意する必要のある金額は抑えられます。自分がしたい、してあげたい結婚資金(男性であればプロポーズの指輪、女性ならドレスレンタル代や結婚式を挙げたい式場の費用など)を調べて、貯めたい結婚資金の目標を設定してみましょう。

控えめに結婚指輪を買って入籍。記念撮影をして高級温泉旅館に泊まるのもいいな、と50万円結婚資金として自分で5年後までに貯めようと目標を決めたとします。その場合、

50万円÷5年間=年間10万円(1か月当たり約8333円)

と、毎月の貯金額がわかります。

5年後の結婚を目標にしているとはいえ、いつ運命の人に出会うかわかりませんので、貯金の預け先選びのポイントは「流動性」と「安全性」です。必要なタイミングで元本割れしてしまっては困りますよね。ですから、結婚資金は先取りで自動的に貯金ができる仕組みを利用して貯めるのがおすすめです。

例えば「財形貯蓄」は勤務先が給料からあらかじめ天引きして貯蓄できます。勤務先によっては、優遇金利を設定していることもあるので、確認してみましょう。勤務先に財形貯蓄がない場合は、金融機関で手続きして毎月設定した金額を引き落として自動的に貯蓄できる「自動積立定期預金」を利用するとよいでしょう。

③ 老後資金

20代にとって老後はこれまでの自分の人生の3倍ほど先の遠い未来。今はまだ、必要性をあまり感じない方もいるでしょう。しかし少子高齢化が進み、20代の人が年金をもらう時にはもらえる年金額が減ってしまったり、年金を受け取る年齢も現在の65歳からもっと後になってしまったりする可能性があります。

日本の公的年金には、国民年金と厚生年金があります。国民年金は、20歳から60歳までのすべての人が加入する年金。厚生年金は、会社員や公務員が勤務先を通じて加入する年金です。

国民年金の平均受給額は月5万6252円、厚生年金の平均受給額(国民年金含む)は月14万4366円です(厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より)。

この金額をみて年金だけで生活できそうと思えたでしょうか? 健康で仕事があれば働いて収入を得ることもできますが、老後ずっと働けるとも限りません。

仮に人生100年として、65歳から35年間にわたって生活費が毎月5万円不足したとすると、不足する費用は5万円×12ヶ月×35年間=2100万円となります。数年前に話題になった「老後2000万円」もあながち他人事ではないということです。

これだけの大金を25歳から65歳までの40年間で貯めるとすると、2100万円÷⒓か月÷40年間=4万384円の貯金が必要です。

今から老後のために毎月4万円貯めるのは大変です。少額でもいいので早めに長期で積み立てをスタートしていきましょう。

例えばiDeCoは毎月自分で出した掛金を運用して、その結果を60歳以降に受け取る制度。掛金が全額控除になり所得税・住民税を軽減できます。また、運用益は非課税になるうえ、受取時にも税金を節約できます。

iDeCoは月5000円から利用できるので、20代の人も気軽に始められます。毎月の掛金の上限は会社員月2万3000円(企業年金がない場合)、公務員月1万2000円、フリーランス・自営業は月6万8000円となっています。

iDeCoは口座開設手数料や口座管理料がかかり、60歳まで払い出しができませんが、堅実に老後資金が貯められる制度です。

また、毎月投資信託を積み立てるつみたてNISAもあります。運用益・分配金など、投資で得られた利益が非課税になるのがメリットです。iDeCoと違い控除の対象にはならず所得税・住民税が安くはなりませんが、口座開設手数料や口座管理料がかからずいつでも引き出すことができます。月1000円程度の少額から(ネット証券などでは100円から)始められます。

長期間かけて用意したいお金は、利率0.001%の普通預金にいれて貯めていくだけではなかなか増えていきません。iDeCoやつみたてNISAを活用した運用も利用しましょう。

まとめ

貯金の計画ができたら、その実行方法である貯め方も決めていきます。

給料をやりくりして、余ったら貯めようとのんびりしていてはなかなか貯まりません。計画の金額をあらかじめ貯金して、残った金額でやりくりする仕組みづくりを作ると自然と貯まっていきます。

毎月貯金しているのに残高があまりないタイプの人は、目的が「何かあった時のために」と曖昧にしていることが多く、旅行だ、セールだとちょこちょこある「何か」ですぐ使ってしまいがちです。しっかり計画を立てて、がっちり貯金しましょう。

稲村 優貴子

ファイナンシャルプランナー(CFP?)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ 大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポ...

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