ニュースがわかる! 各省庁の役割を解説(前編)

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ニュースなどでよく耳にする、内閣、〇〇省、■■庁…。このような機関がどういった役割をしているのかしっかりと理解している人は多くはないかもしれません。
今回は、重要な役割を担っているこれらの各省庁について、前編・後編にわたり、わかりやすく解説します。

行政機関は1府11省2庁

日本は、「三権分立」の体制をとっています。法律を定める「立法権」、法律に沿って政策を実行する「行政権」、法律違反を罰したりする「司法権」に分けて、それぞれを別の機関が分担するしくみです。
三つの独立した機関が相互に抑制し合い、どこかに権力が偏らないようにバランスをとっています。

「立法権」は国会が、「行政権」は内閣が、「司法権」は裁判所がもっています。
このうち内閣は、国民の生活や国の利益のために国の仕事を進めますが、内閣のもとには、内閣府と11の省と2つの庁を置き、分担して仕事をしています。具体的には、国会で決められた法律や予算に基づいて国の仕事を進めていく機関です。
国会で選ばれた内閣総理大臣と、内閣総理大臣から任命された十数名の国務大臣で成り立っています。

各省庁の役割解説【内閣府・復興庁・総務省・法務省・外務省・財務省】

前編では1府11省2庁のうち、1府4省1庁についてみていきましょう

内閣府

各省庁の枠を超えた仕事を受け持ち、内閣をサポートしています。
他の省庁の分野ではないことや、複数の省庁が関わることなどを担当します。

また、国民の生活に関わるさまざまな統計を取ったり、世論調査を行ったりして発表しています。
たとえば、国民経済の1年間の動きを総合的に分析した「経済財政白書」の作成や、日本の経済活動の規模や動向を総合的に示し、伸び率が経済成長率に値している「国内総生産(GDP)」の発表などです。
その他、景気に関する総合的な指標である「景気動向指数」、私たち消費者の暮らし向きに関する考え方の変化や物価の見通しを把握するための「消費者動向調査」も実施しています。

消費者動向調査に加え、幅広い人々の気持ちを把握するための「消費者マインドアンケート」も試験的に実施しています。暮らし向きや物価上昇について今どう思っているか、といった直感的なアンケート結果で、数字やグラフが苦手な人でも今の世の中の人の感覚が一目で分かるようになっています。
その他、北方領土返還や男女共同参画社会の実現に向けた取り組みなどを行っています。

復興庁

復興庁とは東日本大震災からの復興を一刻も早く成し遂げられるよう、復興事業を実施するための組織として、2012年2月に設置された組織です。
復興庁は、設置期限を震災から10年目の2021年3月までと定められています。2021年3月に廃止されたあとは、原発に見舞われた福島県の復興などが長期にわたることや、将来の巨大災害に対応する役割も含め、復興庁の代わりに新たな組織を立ち上げる予定となっています。

総務省

名称からも想像できるとおり、幅広いさまざまな行政事務を行っています。
代表的なものとしては、行政の評価公務員制度選挙の管理に加え、ふるさと納税など地方自治や地方財政の運営に関わることなどです。さらには情報通信事業、郵政事業など国民の生活の基盤に関わるところや消防を通じた国民の生命の保護などを受け持っています。

また、総務省の中にある統計局では、消費者が購入する生活用品の物価の動きを示す指標である「消費者物価指数」や、労働人口のうち完全失業者が占める割合から雇用情勢を示す指標の「完全失業率」など、国民の生活に密接な統計の発表も行っています。

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田中友加

「自分らしい生き方」を応援!お金のパーソナルトレーナー 自動車販売業に従事した後、税理士法人にて経営コンサルティング業へ。その後、IT関連会社を設立、取締役...

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