【2021年版】新型コロナウイルス感染症に伴う各種支援まとめ
2020年2月ころから猛威を振るっている新型コロナウイルスはまだまだ衰えず、生活や仕事、学校など、さまざまな面で制限が続いています。緊急事態宣言や休業・時短要請などによって収入が減少したり、中には解雇されたりして、資金繰りや生活費の工面に困っている方もいるでしょう。
そこで今回は、2021年に実施されている給付金や貸付制度などについてまとめました。もらいそびれることのないよう、また何かもらえるものがないか、一度チェックしてみてください。
【個人向け】給付金・支援金まとめ
まずは、個人向けに実施されている給付金や支援金について紹介します。
子育て世帯生活支援特別給付金
◆児童1人当たり一律5万円
◆実施主体:市町村
◆対象:低所得のひとり親世帯、2021年度の住民税均等割が非課税の子育て世帯
ひとり親世帯や、ひとり親世帯以外の低所得の子育て世帯に向けた給付金です。基本的には申請不要ですが、申請が必要なケースもあります。
該当する方は、厚生労働省のコールセンターかお住まいの市町村の窓口に確認しましょう。
<参考>
厚生労働省:低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親世帯分)
低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金
新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金
◆単身世帯:6万円、2人世帯:8万円、3人以上世帯:10万円
◆実施主体:福祉事務所設置自治体
◆対象:総合支援資金再貸付まで借り終わった世帯、再貸付で不承認となった世帯
これまでにも特例貸付が行われましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化することで、貸付限度額に達し承認されないケースが出ています。
この支援金は、そういった世帯への支援策として設けられました。問い合わせ先は、厚生労働省が設置している専用のコールセンターです。
<参考>
厚生労働省:「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」(仮称)の支給について
住居確保給付金
◆給付額:お住まいの市区町村や世帯人数によって違う
<例:東京都特別区の支給上限>
1人:5万3,700円
2人:6万4,000円
3人:6万9,800円
◆実施主体:県や市の相談窓口
◆対象:離職・廃業から2年以内の方、減収により住居を失う恐れのある方
求職活動しているものの、離職・廃業、減収などによって家賃の支払いに困っている方に向けた給付金です。家賃相当額を自治体が直接家主に支給します。
原則3ヵ月間となりますが、最大9ヵ月、2020年度中に申請した方に限り最長12ヵ月まで延長可能です。
<参考>
厚生労働省:住居確保給付金
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
◆休業前の1日あたりの平均賃金をもとに算出した支給額に、休業実績を加味
◆実施主体:厚生労働省
◆対象:休業手当を受け取れていない労働者
新型コロナウイルス感染症の影響で休業させられたものの、休業手当を受け取れなかった方に向けた支援金・給付金です。短時間勤務やシフト日数減少も対象になります。
申請方法はオンラインと郵送で、事業主経由でも労働者からの直接申請でも可能です。
<参考>
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
【個人向け】貸付・支払い猶予まとめ
続いて、減収により生活が厳しくなった方に向けた、個人向けの貸付や支払い猶予に関する情報をまとめました。
個人向け緊急小口資金等の特例(緊急小口資金)
◆貸付上限:20万円以内
◆実施主体:市区町村の社会福祉協議会
◆対象:緊急的に生活資金が必要な方
一時的に生活の維持が難しい場合に、緊急対策として、無利子保証人不要で少額の費用を借りられる制度です。据置期間は1年以内で、返済期限は2年以内となっています。
申請期限が、2021年8月末まで延長されました。
<参考>
厚生労働省:生活福祉資金の特例貸付、緊急小口資金について
個人向け緊急小口資金等の特例(総合支援資金)
◆貸付上限額
<二人以上世帯>月20万円以内
<単身世帯>月15万円以内
貸付期間:原則3月以内
◆実施主体:市区町村の社会福祉協議会
◆対象者:生活再建までの生活資金が必要な方
減収により生活が厳しく、一定期間の生活資金が必要な方に向けた貸付制度です。新型コロナウイルスの影響であれば、失業状態でなくても対象になります。
無利子・保証人不要で、据置期間1年以内、返済期限は10年以内です。
<参考>
厚生労働省:生活福祉資金の特例貸付、総合支援資金について
公共料金・税・社会保険料・生命保険料の猶予
支援策の一環として、水道や電気などの公共料金、税金、社会保険料などの支払い猶予措置を取るように、政府が事業者へ要請しています。
この他にも固定電話や携帯電話、生命保険料、公営住宅、NHKなどの支払いも対象です。
これらの支払いが厳しい場合には、各事業者に申請することで、猶予措置を受けられる可能性があります。
<参考>
労働政策研究・研修機構:公共料金、税、社会保険料の猶予等に関するご案内
【法人向け】支援金・助成金まとめ
次に、法人向けの支援金や助成金を紹介します。
雇用調整助成金による休業手当の支援
◆1人1日上限1万5,000円
◆実施主体:事業所所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワーク
◆対象:条件を満たすすべての業種の事業主
新型コロナウイルス感染症の影響で、事業活動を縮小しなければならない事業所の従業員の雇用を守るために設けられた制度です。
休業手当などの一部を助成し、労働者を出向により雇用維持するケースも該当します。
<参考>
厚生労働省:雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
休業または時短要請への協力金・月次支援金
協力金
◆支給額:都道府県によって異なる(参考をご覧ください)
◆実施主体:都道府県
<参考>
農林水産省:47都道府県の休業要請等及び休業要請等に関する主な支援策の内容
月次支援金
中小企業:1ヵ月上限20万円
個人事業者等:1ヵ月上限10万円
◆実施主体:経済産業省月次支援金事務局
協力金とは、県の要請に伴い、休業・時短営業に協力した店舗を運営する事業者に支払われるお金です。
月次支援金は、緊急事態措置またはまん延防止等重点措置によって影響を受け、月間売上が、2019年または2020年の同じ月と比べて50%以上減少した事業所を対象にした支援金を指します。
<参考>
経済産業省:月次支援金
小学校休業等対応助成金
◆支給対象1人あたり5万円
◆実施主体:厚生労働省
◆対象:事業主
新型コロナウイルス感染症の影響で小学校などが臨時休業となるケースもあるでしょう。
その際に、子どもの世話のために有給休暇を取得できるような制度確立や両立支援制度を整備した事業所で、実際に有給休暇の利用者が生じた事業主に支給されるお金です。
助成金や支援金の支給・申し込みには、さまざまな要件が設定されていますので、詳しくは参考サイトをご確認ください。
<参考>
厚生労働省:2021年度 両立支援等助成金のご案内
内閣官房:新型コロナウイルス感染症に伴う各種支援のご案内
【個人向け】その他のお役立ち情報
最後に、金銭面でのお役立ち情報を4つ確認しておきましょう。
生命保険の契約者貸付制度
生命保険によっては、解約返戻金の中からお金を借りられるものがあります。契約者貸付制度といい、基本的には貸付を受けても保障内容は変わりません。
ただ、貸付金に利息がついたり、未返済のまま満期を迎えると、満期金や死亡保険金を受け取る際に、その分を差し引かれたりするので注意しましょう。手続きに関しては、加入している保険会社に問い合わせてください。
<参考>
生命保険文化センター:契約者貸付
療養補償給付、休業補償給付
職場で新型コロナウイルスに感染した場合、労災保険給付を受けられる可能性があります。労災保険の種類は、療養補償給付、休業補償給付、遺族補償給付です。
特に休業補償給付については、療養で仕事を休み賃金を受け取っていなければ、休業4日目から給付基礎日額の8割を受け取れます。詳しいことは、近くの労働局や労働基準監督署へ問い合わせてみましょう。
<参考>
厚生労働省:職場で新型コロナウイルスに感染した方へ
傷病手当金
新型コロナウイルス感染症により入院するなど、病気やケガで会社を休み、会社から報酬を受け取っていない場合に、健康保険から支給されるお金です。支給期間は最長で1年6ヵ月で、療養のため仕事を休んだ日から起算して3日を経過した日から働けない期間支給されます。
申請書類は、保険証に記載されている協会けんぽ都道府県支部に提出してください。
<参考>
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給について
全国健康保険協会:新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給について
失業給付
新しい仕事を探す間の生活を守るためのお金で、失業中に雇用保険から受け取れます。通常、自己都合で退職した方は、給付金を受け取れるまで期間(給付制限期間)を置く必要があります。
しかし、新型コロナウイルスの影響によって自己都合離職した人の中で、正当な理由のある自己都合離職と認められれば、この給付制限が適用されず、すぐに給付を受けられる可能性があります。
その他にも、新型コロナウイルスの影響で、ハローワークの来所を控える、感染の可能性がある、子どもの世話が必要となった場合には、受給期間を延長できる場合もあるため、申請しているハローワークにお問合せください。
<参考>
内閣官房:P6.雇用保険の基本手当等
該当する支援策がないかチェックしよう
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は開始されたものの、正直なところ、終息の目途は立っていません。「現状は大丈夫」と思っていても、情勢の変化で仕事を失ったり働けない期間が発生したりする可能性もあるでしょう。
そういったときのために、定期的に最新の支援策をチェックしておいてください。困ったときのあなたを助けてくれるかもしれません。