女性のおひとりさま、老後はいくらかかる?

老後

女性が一生おひとりさまだとしたら、老後までにいくら準備しておけば安心できるのでしょうか。老後にどんな暮らしをしたいかで準備するお金も変わりますが、一緒に考えていきましょう。

おひとりさま女性の老後の生活費

老後の生活費がいくらかかるのか想像することはなかなか難しいことだと思います。総務省発表の「家計調査報告書(2018年)」から現在の高齢単身無職世帯の生活の状況を見てみると、収入は12万3,325円、消費支出は14万9,603円と毎月約2万6,000円の赤字であることがわかります。

ここで注意しておかなければならないのは、家計調査報告書の金額は、衣食住の最低限の支出であることと、支出の中の住宅費は持ち家前提なので、賃貸の場合の家賃は含まれていないことです。

仮に老後も賃貸で住み続けるとすると、さらに家賃分の支出が増えることを考えておかなければなりません。また、教養、娯楽、交際費は合計して約35,000円と少額なので、旅行に行ったり、趣味の幅を広げたりとゆとりのある生活をしようと思うのであれば、さらに必要なお金は増えていきます。

高齢単身無職世帯の家計収支ー2018年ー


出典:総務省統計局「2018年度家計調査報告」より筆者作成

老後の年金はいくらもらえる?

「家計調査報告書」にある収入のうち、社会保障給付という金額が年金に当たる部分ですが、あくまでも11万5,059円という金額は現在もらえる額であり、20代、30代の人が受給年齢に達する頃には、同じ水準でもらえるとは限りません

2019年8月に発表された財政検証※1の結果を見ると、今後経済成長や労働人口が増えるなどした場合、2046年には所得代替率が51.9%になると試算されています。
所得代替率とは、現役男性の平均手取り収入に対する年金支給金額の比率のことを言います。2019年では現役男性の平均手取り収入が35.7万円なので、夫婦2人の年金支給金額の割合が61.7%でした。経済成長が予想よりも進まなかった場合はさらに所得代替率は下がると想定されているのです。

つまり、金額が増えたとしてもそのときの一般的な生活をするには十分な金額とは言えないということです。
さらに現在年金の受給開始年齢は65歳ですが、引き上げも検討されていますので、将来的には70歳になる可能性も考えておかなければなりません。

では、おひとりさま女性が準備しておきたい老後資金の金額は一体いくらぐらいなのでしょうか。
※1:厚生労働省「2019(令和元)年財政検証結果のポイント」

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黒須 かおり

ファイナンシャルプランナー CFP® 女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識...

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