引っ越しの物件を探す時期でこんなに違う! 値引き交渉を有利にするには
だんだん春めいてくるこの季節は、何か新しいことを始めたくなりますね。そこで思い切って環境を変えて引っ越しを…と考えている方に、賃貸物件の大家さん歴20年の筆者が家賃交渉のコツをお伝えします。
値引き交渉がしやすい時期は5~7月、もしくは10~1月?!
戸建ての家やマンションを購入する場合と違い、賃貸住宅を借りる場合には繁忙期があります。特に進学や就職を迎える3~4月の不動産会社は大忙しです。また、会社の人事異動が多い2~3月、8~9月も物件探しが多くなる時期です。
ですから、空室があって貸す場合はその時期に賃貸契約が決まってしまえばよいのですが、逆に決まらない場合には、次のタイミングまで家賃が入ってこないことになります。
実はこれが大家さんにとっては、大変な痛手となります。たいていの賃貸物件は、銀行から大きな金額の借り入れをして購入しているため、月々の返済があります。また、家賃が入らないからといって固定資産税が安くなることもありません。
繁忙期にお部屋が埋まらない場合、空室にしておくよりは少々家賃を安くしても入居者に入ってもらう方が、貸す側としては経営がラクになります。
そういった事情から、借りるときの家賃交渉をするなら5~7月、10~1月が成約できる確率が高くなります。
値引き交渉を有利にするには
お部屋探しで内覧に行くと、物件の立地や環境、室内の設備を丹念に検討すると思います。そのなかで気に入った物件があり、もう少し家賃が安ければ「ここに決めたい」ということもあるでしょう。実は物件によって、家賃交渉の相手が違います。
賃貸物件を貸す対応としては、大家さんが貸主となる「一般管理」と管理会社や不動産会社が貸主となる「一括借り上げ」があります。家賃の最終決定は、誰が貸しているのかで変わってくることを知っておきましょう。
賃貸契約の重要事項説明書の「物件の表示」の欄を見ると誰が貸主かが分かります。
しかし、いずれの場合も窓口は、賃貸物件を案内してくれる「募集店」と呼ばれる不動産会社です。交渉を行う場合、「家賃を下げて当たり前」という横柄な態度ではいけません。ここで心象がよくなければ、家賃の交渉へ繋いでくれることはないでしょう。
なぜなら、単に家賃が安くなることだけを目的にしている賃借人の場合は、ゴミの出し方などのマナーが悪い、家賃を滞納するなどトラブルに発展することが多いものだからです。
家賃交渉ができるかどうかは、人柄や態度にかかっています。筆者は家賃を下げてほしい旨の連絡が入った場合には、どんな人なのか、さらに家賃を下げてほしい理由を聞いたうえで、OKを出すことにしています。
家賃の値引きができれば固定費が減る
誰もが賃貸物件を探す繁忙期は、不動産会社も今決まらなくても次があると強気なので、家賃の値引きは難しくなります。そして家賃を下げるということは、仲介をする不動産会社の募集手数料が減ることでもあります。
しかし、「この不動産会社は対応が良かった」とお客様に感じてもらい、良い評判がクチコミで広がることもあるので、繁忙期であっても値引き交渉に応じてくれる場合もあります。
500円でも1000円でも家賃が下がれば、年間かなりの固定費が削減できます。ですから、ダメもとで不動産会社に家賃が下がるかどうか聞いてみるのも手です。
まとめ
最近では人手不足を反映してか、自分の希望の時期に引っ越しができにくくなっています。そのため繁忙期がずれてしまい、人気の物件が長く空室になることもあります。賃貸物件が動かない時期に問合せをすることで、家賃を下げる交渉がしやすくなります。
また、引っ越しの繁忙期の3月後半から4月の前半は、通常の2倍以上の引っ越し料金がかかることも珍しくありません。引っ越しの時期をずらすことで家賃だけではなく、転居にかかる全体の費用を安く抑えることもできるでしょう。