不動産投資とREIT(リート)の違いって? どっちがトクなの?

不動産投資

不動産投資と聞くとワンルームマンション投資やアパート経営といったことを思い描く人は多いことでしょう。
しかし、REIT(リート、不動産投資信託)という方法もあります。
今回は不動産に関する投資方法2つの違いを解説します。

不動産投資とREIT、それぞれの違い

不動産投資とREITの一番の違いは、実物の不動産を所有して投資をするのかしないのかの違いです。

不動産を所有して毎月家賃収入を得るのが不動産投資です。
一方REITというのは、投資家から集めた資金を使って、マンションや商業施設、オフィスビルなどに投資をする投資信託のことです。家賃収入や売買利益などを投資家に分配するため、家賃収入のように毎月決まった金額を手にすることはできません。

実際に不動産を所有して投資をしようとすると、現金もしくは不動産ローンを借りての投資になりますが、REITであれば少額からでも不動産に関わる投資をすることができます。
もう少し詳しく説明すると、REITは不動産投資法人を作り、所有している資産を証券化して東京証券取引所に上場しています。
ですから、証券口座を持っている人であれば誰でも購入することができるし、いつでも売却することもできます。

不動産投資のメリットと注意点

実物資産に投資をする不動産投資も、証券取引所で売買するREITもそれぞれメリットとデメリットがあります。
実物の不動産投資は、銀行からの借り入れをすることによって自己資金よりも大きな物件を購入することができます。つまり、レバレッジ効果が高いのです。

不動産投資の仕組み

さらに、ローンを組むと団体信用生命保険に加入することで保険の効果も得ることができます。契約者に万が一のことがあったり、最近ではガンになったりすると残りのローンが返済され、ローンのない不動産を手に入れることができます。
団体信用生命保険の保険料は金利に含まれるため、保険料を別に負担する必要もありません。ローンを完済したあとは、家賃はまるまる収入となり、その後の生活や、老後の生活の一部とすることができます。

あるいは、投資用として購入していた不動産に老後住むこともできます。
65歳から90歳までの25年間、仮に毎月7万円の家賃を払い続けるとすると、
7万円×12カ月×25年間=2,100万円
となりますので、2,100万円も節約することができます。
実物資産を所有しているかいないかでは、老後資金を考える上でとても大きな違いを生みます。

ただし、不動産投資で気を付ければならないことは、家賃収入が必ずあるとは限らないことです。空室になればその期間は家賃収入を得ることはできません。

その対策として、サブリース家賃保証制度があります。
サブリースとは、不動産会社が借り上げ入居者に転貸する制度で、空室かどうかにかかわらず一定の家賃が保証される制度です。

不動産投資の特徴

・自己資金は少額でも、ローンを利用することで大きな実物資産を築くことができる
・団体信用生命保険の加入により、生命保険の効果も得られる
・ローンの返済が終われば安定的に収入が得られる

REITのメリットと注意点

REITのメリットは、少額からでも購入でき、複数の不動産に分散して投資することができることです。
例えば、ネット証券などでは1,000円からでも購入することができます。

REITの仕組み

さらに日本だけでなく、海外不動産対象のREITであれば世界の不動産にも投資をすることが可能になります。
加えてREITは、収益の90%を分配するなどの一定の条件を満たせば実質的に法人税がかからないため、収益がほぼ分配されるので高い収益を期待できます。
また、取引所を通じていつでも自分の好きなタイミングで売買することができ、現物の不動産と比べて流動性が高いこともメリットの一つです。

デメリットは、株式投資などと同じように取引所での基準価額が下落する可能性や、倒産、上場廃止などの可能性があることです。
さらに実物の不動産を所有するわけではないので、将来自分が住むことはできません。

REITの特徴

・投資家から集めた金額を不動産で運用して、利益を投資家に分配する投資信託
・配当可能利益の90%を分配すると実質的に法人税がかからないため、高い分配金が期待できる
・証券取引所を通じていつでも売買ができる

あなたは不動産派?REIT派?

実際に投資をするとなったら自分はどちらの不動産投資が向いているのか知りたいところですよね。

実物不動産投資に向いている人は、銀行の借り入れを家賃収入で返済するという、他力を上手に使って大きな資産を築きたいと思っている人です。
さらに実物不動産は立地や部屋の大きさ、築年数など自分で選ぶことができ、将来自分が住むかもしれないことを考えると、納得のいく物件を選ぶことができます。
さらに、会社員の人は、不動産の経費を確定申告し損益通算することで所得税や住民税の軽減の効果もある場合があります。
また、保険の効果も兼ね備えているため、家族などに資産をして残しておきたいと思う人は実物資産の不動産投資が向いているでしょう。

REITが向いている人は、少額から不動産に投資をしてみたいと思っている人や、運用を専門家にお任せしたいと思っている人です。
実際に投資する物件は自分で選ぶ必要もなく、借り入れをする必要もありません。売却するときも株式と同じように市場を通じて売却することができます。少額の運用でいいと思っている人や、自分名義の資産がいらないという人はREITが向いているでしょう。

まとめ

不動産投資は難しそうでハードルが高いと思っている人でも、投資信託であるREITであれば少額から始めることができ、運用もお任せできるので始めやすいかもしれません。しかし、実物の不動産投資のように持ち続けていても自分の資産になることはありません。
そのため、自分の資産を形成して継続的に収入を得られる不動産投資の方が長期的にみるとおトクかもしれませんね。

黒須 かおり

ファイナンシャルプランナー CFP® 女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識...

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