子持ちの30代夫婦でもサイドFIREを目指したい!実現にはいくら必要?

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アメリカから日本に徐々に広がった「FIRE」。「Financial Independence, Retire Early」の略称で、経済的自立や早期退職を意味する言葉です。「仕事にとらわれない自由な生き方」としてZ世代をはじめ、多くの世代に注目されています。今回は、30代子持ちの筆者が将来サイドFIREを実現できるのかを考えてみました。

■フルFIREとサイドFIREの違い

筆者がFIREについて興味をもったのは、Z世代のマネー学を読んでからです。経済的自立に惹かれ、自分自身でもいろいろと調べてみました。

FIREには、「フルFIRE」「サイドFIRE」の2種類があります。FIREの火付け役はアメリカのPete Adeney(ピート・アデニー)さんと言われています。Pete Adeneyさんは夫婦で貯金をし、30歳で会社を退職。現在は資産運用をしながら、自由な暮らしを送っているそう。

【Z世代のマネー学】FIREの種類とFIREの考え方

◎フルFIREとは?

資産運用を前提に、仕事をしないのが「フルFIRE」の特徴です。生活費のすべてを資産や資産運用でまかなうようになります。そのため、マイホームやマイカーなど数百万、数千万もする大きな買い物をしない人の方が実現しやすいと言われています。ただの早期退職では資金を切り崩して生活するだけですが、フルFIREは資産運用を行い、利益をうんでいくことが特徴です。

◎サイドFIREとは?

資産運用の利益に加え、や週1~2回働きながら収入を得て生活するスタイルを「サイドFIRE」と言います。働くことが好き、好きな仕事を好きな時間だけしたいている人に向いています。仕事を継続するサイドFIREは定期的な収入が見込めるため、フルFIREよりも実現しやすいです。

■サイドFIREを目指す理由

筆者は子どもが23歳を迎える2043年頃に、サイドFIREを実現したいと考えています。サイドFIREを目指す理由は、「時間のゆとり」を得るためです。現在、筆者は長年の夢だった文章を書く仕事をしています。公務員時代よりも時間にゆとりのある生活ができているものの、仕事はつねに時間(納期)との闘いです。

好きな仕事とはいえ、大量の仕事が押し寄せるとストレスがたまります。しかし時間とお金にゆとりがあれば、好きなときに、好きな量だけ仕事をする生活が送れます。趣味に向き合う時間が増え、生活の豊かさもあがるでしょう。

2043年、筆者は53歳。子どもが社会人となり、子育てがひと段落したところです。これまでは難しかった海外旅行や国内旅行など、たっぷり時間を取って出かけられます。働きたいときはしっかり働き、休むときは思いきり休む……。そんな生活を手に入れたくて、サイドFIREを考えるようになりました。

しかし、実際にどれだけの額が必要かは考えたことはありません。そこで、サイドFIREを実現するための必要な予算や方法を調べ、計算してみました。

■サイドFIREを実現するためにはいくら必要?

サイドFIREに必要な金額を考えるには、まず家族構成や金融資産、投資状況などの現状把握が大切です。まずはわが家の状況をご紹介します。

・家族構成…夫、妻、子ども1人

・夫婦の年収…約450万円

・金融資産…約650万円

・投資状況…つみたてNISA、ジュニアNISA

・年間支出…約330万円

・持ち家…なし

・車…1台あり ※ローンなし

フルFIREは、年利4%の運用益で運用した場合、年間支出の25倍の資産を蓄える必要があると考えられています。サイドFIREは労働による収入があるため、明確な必要金額は決められていません。今回は分かりやすく、フルFIREの半分をサイドFIREの必要金額と仮定しましょう。

フルFIREに必要な資産=年間支出×25倍

サイドFIREに必要な資産=フルFIREに必要な資産÷2

まずは、フルFIREに必要な資産を求めます。次に2で割っていき、サイドFIREに必要な資産を出してみましょう。

330万円×25=8,250万円(フルFIREに必要な資産)

8,250万円÷2=4,125万円(サイドFIREに必要な資産)

2043年までの資産額は、年収から年間支出をマイナスし、20年をかけていきます。そのうえで、今保有している資産額をプラスしましょう。

(年収450万円-年間支出330万円)×20年+資産650万円=3,050万円(2043年までの資産額)

2043年までに増やすべき資産額は、サイドFIREに必要な資産から、2043年までの資産額をマイナスします。

4,125万円-3,050万円=1,075万円(2043年までに増やすべき資産額)

サイドFIRE開始後、労働で補填すべき額はいくらでしょうか?

4,125万円×年利4%で運用(1.04)=4,290万円

4,290万円-4,125万円=165万円(運用で1年間に得られるお金)

年収450万円-165万円=285万円(労働で補填すべき年間額)

285万円÷12ヶ月=約23万円

筆者の場合、4,125万の資産ができればサイドFIREが達成できます。サイドFIRE開始後は、月23万円を労働で補填しなければなりませんが、夫婦2人で分けると1人12万円稼げば生活できる計算です。この額なら、フルタイムで働く必要もなく、理想の暮らし方、働き方が実現できる気がします。

■サイドFIREのコツは効率の良い資産形成と節約

サイドFIREを実現するには、資産形成の見直しが必要です。そこで、4つの手段を考えてみました。

◎iDeCoやつみたてNISAの見直し

わが家はまだiDeCoを始められていません。今後、収入が増えていけば、老後資金を補填するためにiDeCoを始めたいと考えています。つみたてNISAが投資信託といったインデックスファンド(コア)しか選べないのに対し、iDeCoは国内、外国株式などアクティブファンド(サテライト)への投資ができます。両制度を併用することで、コア・サテライト戦略を実践し、資産を増やしていけるでしょう。

コア・サテライト戦略を実践・検討!【Z世代のマネー学】から学ぼう

◎FXを検討する

夫はFXの勉強を始め、専用アプリでデモトレードを行っています。FXは世界各国の通貨に投資する商品です。レバレッジをかけられるため、少ない元手で最大25倍の金額を動かせられます。上昇、下落局面のどちらでも利益が得られるのもメリットの1つだと言えるでしょう。

◎支出の見直し

近年は電気・ガス代がどんどん高くなってきています。電力・ガスの契約会社を切り替えれば、光熱費を下げられるかもしれません。毎月1,000円おさえられれば、年間1万2,000円の節約が可能です。

◎お金に関する資格を取る

公務員時代、お金に関する手続きは事務員さん任せだった筆者。フリーランスになった今、税金の仕組みを知り、きちんとした手続きを踏まなければなりません。そこで、お金の知識を身につけるために、ファイナンシャルプランナー3級の勉強を始めています。資格に合格できれば金融系の記事も説得力を持って書け、また報酬アップの可能性もあります。

■サイドFIREの注意点

仕事は短時間だけで自由な生活を送れるサイドFIRE。一見魅力的な生き方に見えますが、以下の点には注意が必要です。

◎健康トラブルに備える

老後は思わぬ病気やケガにより、通院・入院費がかかる可能性があります。日頃からバランスの取れた食生活や適度な運動などに気を遣うことが大切です。またいざというときに備え、前項で計算した金額よりも余剰資金を用意しておくことが必要だと言えるでしょう。

◎資産損失の可能性をふまえる

サイドFIREは資産運用の実施が前提です。そのため投資によって損失がでる可能性にも備えておかなければなりません。値動きの激しい金融商品に投資するときは、損が出ても家計が大きくダメージを受けないように注意しなければならないでしょう。

■サイドFIREは「備え」が肝心!

サイドFIREは子持ちの筆者にとっても、まったく実現不可能な話ではありません。支出をおさえ、うまく資産運用することはもちろん、給料をあげることも近道だと感じています。資格や知識、経験を積んで給料が増えれば、その分を投資に回せるでしょう。今回紹介した計算をもとに、あなたもサイドFIREにはいくら必要か考えてみてくださいね。

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