年収1,000万円の人はどんな投資している? 資産を堅実に増やす「分散投資」の考え方

年収1,000万円の人はどんな投資している? 資産を堅実に増やす「分散投資」の考え方
マネーケア

●資産の分散

資金をひとつの金融資産にまとめて投資をするのは、リスクが大きくなります。なぜなら、その金融資産が値下がりしたら、資産価値がダイレクトに影響を受けてしまうからです。

そこで、まずひとつめの分散投資は、資産の分散です。

これは、値動きの異なる金融資産に分散して投資をする方法。株式投資なら、1銘柄に絞るのではなく、複数に投資します。

たとえば、不動産会社とゲーム会社など、まったく異なる分野の銘柄にわけて投資をしておくと、値動きは連動しませんのでリスクが分散されます。

あるいは、経営が安定している大企業と、スタートアップ企業にわけるのも面白そうです。

株式だけにこだわらず、債券や不動産、金なども組み合わせるとさらにリスクの分散になります。

●地域の分散

また、国内だけではなく、外国の金融資産も含めて分散すると、地域の分散投資ができます。

日本の金融市場は比較的安定していますが、海外の資産に分散することで、リスクとリターンのバランスが良くなります。

海外は、先進国と新興国に分けて考えます。先進国は安定的な経済成長が期待できますが、その国独自のシステムや金融政策に影響を受けます。情報は得られやすいので、しっかりチェックしておきたいところです。

先進国は政情が不安定なことが多く、リスクが大きくなります。その分大きなリターンが期待できるので、バランスに気を付けて投資先に組み入れるのも悪くない選択です。

国内と先進国の株式、債券の4資産と、国内外の不動産を組み合わせた6資産が一般的な分散投資ですが、不動産ではなく新興国の株式、債券を含めて6資産する考え方もあります。

●時間の分散

投資する金融資産は、値動きがあります。投資による利益を大きくするには、安く買うことがポイントです。安く買って高く売れば、その差額が利益となりますので、できるだけ安い時に買いたいと誰もが考えます。

しかし、あらかじめいつが最安値になるかなどわかりません。そこで、一度に資産の全額を投資せず、何回かにわけて同じ金額で同じ金融資産を買う時間の分散をします。

そうすることによって、金融資産のすべてを高値で買ってしまうリスクを小さくできます。

そして、続けて買っていくことで購入価格の平均が安くなります。これをドルコスト平均法と言います。

積立投資は、ドルコスト平均法のメリットを活かした投資法です。

●通貨の分散

金融資産は、円建てのものばかりではありません。世界の金融市場では、円、ドル、ユーロをはじめとした為替レートが日々変動しています。円だけではなく、通貨を分散して投資をすることで、通貨価値の変動のリスクをおさえることができます。

ドル建て、ユーロ建ての金融商品は金利が高いものが多く魅力的ですが、為替手数料には要注意です。円から外貨にするときと、外貨から円に戻すときの両方に手数料がかかりますので、金利が高くても手元に残るお金はそれほど高額でもない、ということになりかねません。

長期・積立・分散投資でお金は堅実に増やせる

リスクをおさえて堅実にお金を増やすには、このような分散投資が有効ですが、すべての投資先を自分で選んで購入していくのは大変です。

情報を集めて判断するのも時間と手間がかかります。また、株式は通常100株単位ですから、最少単位で買うにしても1銘柄あたり数十万円の資金が必要になることも珍しくありません。

そこでオススメなのが、手軽に分散投資ができる金融商品が投資信託、その投資信託が税金面でお得になる制度がつみたてNISA(積立ニーサ)やiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)です。

つみたてNISAやiDeCoで購入できる投資信託には、国内外の株式や債券、不動産を投資先とする商品もあります。それら投資先の選択は、投資の専門家であるファンドマネージャーが専門的な知識と経験にもとづいておこないます。どちらも長期の積立に適した商品が揃っています。

また、つみたてNISAはネット証券会社などで100円から始められますし、iDeCoは月5,000円からですから、手ごろです。大きな資金がなくても分散投資ができるのは大きなメリットです。

さらに、どちらも税金面で有利です。

つみたてNISAは、運用して得られた利益が非課税です。通常は、利益に20.315%の税金がかかり、差し引かれた金額でしかうけとれません。しかし、つみたてNISAならまるまる自分のものになるのでおトクです。

iDeCoもまた、運用益が非課税です。加えて、掛金が全額所得控除になり、所得税や住民税が安くなります。さらに、受取り時にも税制優遇があります。

ただし、iDeCoは原則として60歳まで引き出すことができません。60歳までの間に現金が足りなくならないように計画的に利用することが大切です。

つみたてNISAかiDeCoか、どちらを始めようか迷ったら、つみたてNISAがオススメです。
少額なので続けやすいですし、資金が必要になったらいつでも引き出せます。
つみたてNISAで積立投資に慣れたら、自分にとって無理のない範囲でiDeCoを検討するといいでしょう。

年収1,000万円の人も、分散投資で資金を増やしています。
派手さはなくても堅実に資産を増やす分散投資、少額からでも始めてみてはいかがでしょうか。

タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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