ボーナスはどのくらいもらってる?人に聞けない賞与の最新事情を調査
冬のボーナスの時期が到来しましたが、そこで気になるのが“自分のボーナスは平均より上なのか下なのか”といったポイント。なんとなく秘密にしている人も多いボーナスですが、実際のところ、みんなどれくらいの額をもらっているのでしょうか。
ボーナス支給額の平均や、支給額が多い業界の金額、そして気になる2020年冬のボーナスがいくらなのか調査してみました。
令和以降の賞与の平均や支給状況は?上場企業は安定
まずは、ボーナス支給額の平均を調査してみました。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」と、一般財団法人労務行政研究所による東証第1部上場企業205社を対象とした調査から、ボーナス平均支給額を紹介します。あなたのボーナスは、平均支給額と比較してどうでしょうか。
【毎月勤労統計調査】令和元年夏の賞与は
厚生労働省の「毎月勤労統計調査令和元年9月分結果速報等」から令和元年夏のボーナスを調べてみたところ、ひとり当たりの支給額の平均は381,520円でした。
厚生労働省では16の産業に分けてボーナス額の支給状況を発表していますが、その中でボーナス支給額の平均が高かった産業を紹介しましょう。
1位…電気・ガス業(77万9,700円)
2位…情報通信業(67万9,098円)
3位…学術研究等(66万402円)
4位…金融・保険業(60万7,594円)
ちなみに、最もボーナス支給額の平均が低かったのは、飲食サービス業等の6万2,688円でした。事業所の規模別にボーナス支給額の平均をみると、従業員数が多い大企業ほどボーナス支給額の平均が高いことが分かっています。
【毎月勤労統計調査】令和元年年末賞与は
では次に、令和元年度の年末のボーナス状況もみていきましょう。同調査によると、年末のボーナス、ひとり当たりの支給額の平均は38万9,394円でした。夏よりも冬のボーナスのほうが、ひとり当たりの支給額が若干ですが高いのが特徴です。
最も高い支給額平均だったのは、令和元年夏と同様、電気・ガス業で、次いで情報通信業、金融・保険業、学術研究等、と続きました。最もボーナス支給額の平均が低かったのは夏同様、飲食サービス業等で6万6,202円です。
金融・保険業では冬のボーナスのほうが、平均値にして2万円ほど高く、最下位の飲食サービス業についても冬のボーナス支給額のほうが高く、4,000円弱アップしていました。
【東証第1部上場企業】のボーナス平均は?
毎月勤労統計調査では、従業員数が多い事業所ほどボーナス支給額の平均が高いことが分かっています。そこで東証第1部上場企業のボーナスも調査してみました。
一般財団法人労務行政研究所が行った、東証第1部上場企業205社を対象とした調査によると、令和元年年末のボーナスの支給額平均は76万8,676円でした。これは毎月勤労統計調査対象事業所の平均支給額の2倍近い額となっています。令和2年夏のボーナス支給額平均は74万8,390円だったそうです。
東証一部上場企業のボーナスは高い水準にあり、大企業ほどボーナスが安定している傾向が分かりますね。
あなたの知っている企業のボーナス事情は?人気業界を調査
平均ではなく、企業の実際のボーナス支給額を知りたい、という方もいるでしょう。そこで、人気企業のボーナス事例をピックアップしてお届けします。(※ボーナス支給額は、転職サイトの情報や口コミサイトをもとにまとめています)
賞与が多い電気ガス業界をチェック!
まずチェックしたいのは、前章で紹介した毎月勤労統計調査でボーナス支給額平均がトップだった電気ガス業界です。国内で売上高が最も高い業界大手ENEOSホールディングスから紹介しましょう。
ENEOSホールディングス在籍15年以上、基本給約43万円の社員の口コミによると、ボーナス支給額は年間で330万円だそうです。基本月給7.6カ月分以上のボーナス支給額と概算できますね。
次に、出光興産株式会社に中途入社し在籍3年未満、基本給30万円の社員の口コミをチェックすると、ボーナス支給額は年間で90万円だったそうです。年間で基本月給3カ月分のボーナス支給額と分かります。
電気ガス業界は基本給が高いためにボーナスも安定している印象です。勤続年数が長い社員はボーナス支給額も上がる傾向が見られます。
情報通信業界をチェック!
次に、毎月勤労統計調査でボーナス支給額平均が電気ガス業界の次に高かった、情報通信業界のボーナス例を紹介しましょう。携帯電話などの通信サービスで名を馳せている、大手3社の支給額が気になるところです。
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)に新卒で入社し、3年以上在籍している基本給30万円の社員のボーナス支給額は、口コミによると年間で100万円だそうです。基本月給の3カ月分強の支給額であることが分かりますね。
次に、携帯電話auでおなじみのKDDI株式会社に新卒入社し、3年以上在籍している基本給27万円の社員のボーナス支給額をチェックしたところ、年間で140万円でした。年間ボーナスが基本月給の5カ月分以上と、高い基準のボーナスとなっています。
ソフトバンク株式会社からは、勤続5年以上で役職がある社員のボーナスを紹介しましょう。基本給35万円で課長職の場合、ボーナス年間支給額は500万円だそうです。これは、基本月給の14カ月分以上にあたり、とても高い水準であることが分かりますね。
情報通信業界も入社年次が若くても基本給が安定しており、ボーナス支給額が高い傾向が分かります。また、ソフトバンク株式会社のように役職によってはボーナスが多額に支給される会社もあることも分かりました。
しかし実は、ほぼ同じ勤続年数のNTT東日本の社員とKDDI株式会社の社員のボーナスを比較すると、支給額に差はあるものの、月給を含めた年収に換算するとほぼ同じなんです。ボーナス支給額だけで「給料が良い」と判断することは難しいため、月収とのバランスをきちんと見ることも大切ですね。
女性の憧れアパレル業界のボーナスをチェック!
女性が多いイメージのアパレル業界のボーナス支給状況はどうなのでしょうか。株式会社オンワード樫山と株式会社ファーストリテイリングを調査してみました。
Paul Smith(ポールスミス)、組曲などのブランドを扱う株式会社オンワード樫山のボーナスは、勤続年数3年以上の販売員の場合、基本給18万円、年間ボーナス支給額は30万円という口コミがありました。勤続年数が短いなどの理由があるかもしれませんが、基本月給の2カ月分未満となっています。
UNIQLO(ユニクロ)ブランドでおなじみの株式会社ファーストリテイリングからは、IT関連部署に勤めている社員のボーナスを紹介します。中途入社の社員の例ですが、基本給40万円で、ボーナスの年間支給額は120万円だそうです。基本月給の3カ月分ですね。
アパレル業界のボーナス支給額は、基本月給の3カ月分ほどまでで、基本月給が高くない場合はボーナス支給額も少ない傾向が見られます。しかし、販売職の場合は、売り上げ達成などによってボーナスとは別にインセンティブが発生するケースもあるようです。ボーナス額だけでは見えない、頑張った結果が分かりやすい、働き甲斐のある職種といえそうです。
続いては一番気になる2020年冬のボーナスについての動向をチェックしてみましょう。