人生100年時代、貯蓄だけでは生き残れない?!FPが考える投資の必要性
人生100年といわれる今、老後を安心して暮らすためには、公的年金だけでは厳しいといわれています。そのため、65歳になるまでに一定の老後資金を確保しておかなければなりません。
老後資金を確保する方法として、元本が割れるのが嫌だからと定期預金などの「貯蓄」をしている人が多いと思いますが、貯蓄だけでは65歳までに目標額を確保することは難しいです。
今回は貯蓄だけでなく、もうひとつの資産運用である「投資」の必要性について解説します。
<人生100年時代、必要な老後資金は?>
厚生労働省発表の「2017年簡易生命表の概況」による平均余命は、65歳時点で男性19.57年、女性24.43年です。平均余命とは、その年齢の人があと何年生きられるか、という年数のこと。
つまり、男性は85歳まで、女性は90歳まで生きるのが平均的なのです。これはあくまで平均なので、それ以上生きる人も多く存在するということです。
また、2018年金融広報中央委員会の調査によると、60歳以上のひと月の最低生活費は二人以上世帯で27万円、単身世帯で22万円となっており、夫婦二人が平均余命まで生きるとして、65歳時点で老後資金は7600万円以上必要です。
一方、収入源である公的年金は、厚生労働省発表のモデルケース(夫:平均的な収入で40年間厚生年金加入、妻:同じ期間専業主婦)の世帯年金額合計は約22万円となっており、65歳から平均余命までの年金額の合計は、おおよそ5900万円となります。
つまり、最低限の生活をするとしても約1700万円不足する計算となり、余裕ある老後の暮らしを望む場合、または夫婦ともに厚生年金の額が少ない場合は、準備しなければならない老後資金はさらに大きくなります。
<投資の必要性が増す時代>
例えば65歳で2000万円を確保するという目標を立てた場合、ほぼ利息がつかない定期預金など元本保証の商品で準備しようとすると、35歳から始めて月約5万5500円、45歳からなら月約8万3000円を積み立てなければいけません。
これを平均3%の利回りが見込める金融商品で運用したとすると、35歳からで月々3万5000円、45歳からで6万1700円と、毎月の積立額が約2万円以上軽減されます。
しかしこの平均3%の利回りを見込もうとすると、「投資」にお金を回して「お金に働いてもらう」必要があります。貯めるのではなく、増やすことを重点的に考えるのが「投資」です。
<老後資金準備に適した投資とは>
投資には、元本を割るリスクが伴います。そのリスクをできるだけ小さくしながら、最大限の収益を得るためには「商品」と「時間」と「地域」の分散投資が重要です。
商品の分散が自動でできる「投資信託」を、海外と国内という地域を分けて、毎月コンスタントに購入する積立にして時間分散することが、老後資金の準備には適しています。
その上で、さらに効率的に老後資金を準備するためには、掛金全額が所得控除となる税制優遇を受けることができる「確定拠出年金」を利用するべきです。
個人型確定拠出年金であるiDeCoや、企業型確定拠出年金のマッチング拠出をぜひ積極的に活用しましょう。
<まとめ>
老後は確実にやってきます。老後資金の確保は、少しでも早くから始め、途中で取り崩せない方法にしましょう。
さらに税制優遇を活用して効率的に、そして増やせる商品を含めて、継続して積み立てていくことが重要です。