2019年、国民年金の保険料は月額いくら? 値上がりしても払うべき?

年金・社会保険

保険料は値上がりするか

2018年度の国民年金保険料は、月々1万6,340円ですが、2019年度は1万6,410円と現在より月70円アップします。月70円なので、家計への影響はほとんどないのではないでしょうか。
年金額は、賃金や物価によって変動します。年金額の増減に伴って保険料も増減します。また国民年金の制度が変わるために保険料が変更になることもあります。
※参照 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12502000-Nenkinkyoku-Nenkinka/0000192296.pdf

では、今後国民年金保険料はさらに値上がりするのでしょうか。
2019年度からは、厚生年金保険と同様、産前産後期間の保険料免除制度が始まることや、2019年10月からの消費税10%への増税による影響を考えると、今後も国民年金保険料の値上がりが考えられます。

保険料を払わなかったら

国民年金の年金額は、保険料を納めた月数に比例します。保険料を払わなかったら、その分将来受け取る国民年金が、20~60歳の480ヵ月ちゃんと払ったときの満額より少なくなります。
ちなみに、2018年度の満額の年金額は、77万9,300円、2019年度は78万100円です。
2019年度の年金額で考えると、1カ月保険料を払わないことで、年金が約1,625円減ってしまいます。5年保険料を払っていない場合は、年間約9万7,500円、本来の年金から減ってしまうこととなります。

年金が主な収入源となる老後に、もらえる年金が少ないというのは、とても心細いことです。
保険料を払わない月数が増えれば、国民年金の加入期間=受給資格期間が10年(=120カ月)に満たなくて、全く年金をもらえることができないケースも出てきます。
受給資格期間とは、次の期間を合計した期間をいい、合計が10年以上にならないと年金が受け取れません。

保険料の納付が厳しいなら免除または納付猶予を申請しよう

現在収入が少ないなどの理由で保険料を払うのが厳しいときは、市町村や年金事務所の窓口で保険料免除または猶予に該当しないか相談してみることをお勧めします。申請して受理されれば、その期間は受給資格期間にカウントされるので、将来年金が受取れなくなるリスクが少なくなります。
以下に免除と猶予、学生の納付特例を詳しく説明します。

保険料免除制度

所得が少ないために、国民年金保険料を納付できない場合は免除申請をしましょう。
「所得が少ない」とは、保険料納付義務のある本人だけでなく、配偶者や世帯主の所得も基準以下であることを指します。

免除には、全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の4種類があります。
以下日本年金機構のホームページより所得の基準となる目安を抜粋します。

全額免除

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

4分の3免除

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

半額免除

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

4分の1免除

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

免除を受けた期間は、受給資格期間となって年金額にも反映されますが、一部免除の場合は納付すべき部分を納付してこそ受給資格期間となって年金額に反映されます。
つまり、半額免除になったら保険料の半額はきちんと払っていないと、受給資格期間にはならないということです。
※参照 日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

保険料納付猶予制度・学生納付特例制度

20~50歳未満の本人およびその配偶者の所得が次の基準以下あれば、納付猶予の申請ができます。

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

学生の場合は、本人のみの所得が次の基準以下であれば、学生納付特例制度の申請ができます。
本年度の所得基準(申請者本人のみ)

118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等

受理されれば、納付猶予期間や学生納付特例期間(=受給資格期間)となりますが、将来の年金額には反映されません。また、あくまでも保険料の納付を猶予されただけであって納付義務は残っています。10年以内に保険料を納めて(追納)、将来の年金を確保しておきましょう。

老齢年金だけじゃない、障害年金や遺族年金

年金ということばから、なんとなく「お年寄りがもらうお金」というイメージがありますが、決してそうではありません。
公的年金には老齢年金のほかに「障害年金」と「遺族年金」があります。これらは受給資格があれば65歳未満でも請求することができます

障害年金

障害年金は病気やけがが原因で障害を負って、生活や仕事に支障をきたした状態の人が請求することができますが、65歳までにその病気やけがで医師や歯科医師の診断を受けていないと対象となりません
初めて医師などの診断を受けた日(初診日)が、厚生年金期間であれば障害基礎年金と障害厚生年金の対象となります。
初診日が国民年金の期間または20歳前か60~65歳の期間であれば、障害基礎年金のみが対象となります。

基本的に初診日から1年6カ月後の「障害認定日」での障害の状態で、実際に障害年金受給に該当するかどうかが判断されます。
障害厚生年金、障害基礎年金ともに、所定の障害状態であること、保険料納付要件を満たしていること、など受給要件はありますが、しっかり保険料を納付している現役世代であれば、けがや病気で障害を負ってしまった時の強い味方であることに違いはありません。

遺族年金

遺族年金は、一家の大黒柱や年金を受け取っている人が亡くなったときに、遺族が受け取ることができるものです。
遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、遺族基礎年金は原則18歳になった年度の3月31日までの「子」がいれば対象となります。遺族厚生年金は、死亡した人が死亡時厚生年金の被保険者であった、または厚生年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡したときなどに対象となります。

遺族厚生年金、遺族基礎年金ともに、受け取ることができる人の要件、保険料納付要件を満たしていること、などの受給要件はありますが、しっかり保険料を納めていた人が亡くなったときに、遺族の大きな安心となることは間違いありません。

障害年金、遺族年金ともに、保険料免除期間、納付猶予期間、学生納付特例期間は、納付済期間と同じ扱いになるので、この点でも免除や猶予の申請を忘れないようにしたいものです。

まとめ

国の制度である国民年金の加入は義務です。つまり、国民年金保険料は払わなければならないものであって、払うか払わないかを自分で決めることができるものではありません。
老後は、公的年金がとても重要な収入源であることは間違いありません。払うべき国民年金保険料をきっちり支払って、安心のセカンドライフを迎えたいものです。
加えて障害年金や遺族年金があることも知って、保険料の払いもれや免除などの申請もれをなくしておきましょう。

小野 みゆき

中高年女性のお金のホームドクター 社会保険労務士・CFP・1級DCプランナー・年金マスター 企業で労務、健康・厚生年金保険手続き業務を経験した後、司法書士事...

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