独身時代の貯金は夫婦の共有財産になるの?

結婚・出産

結婚前に契約を結べば「共有財産」にしないこともできる

ちなみに、民法第755条で

夫婦が、婚姻の届出前に、その財産について別段の契約をしなかったときは、その財産関係は、次款に定めるところによる

とされています。ですから、結婚前に、お二人で結婚後の財産について、いわゆる「婚前契約」を交わしていたときには、結婚後もご夫婦の財産を別々にすることもできます。奥様の方が収入が多い場合などは、婚前契約も検討してみるのもよいかもしれません。

結婚前にお金まわりのことはクリアに

どこからどこまでが夫婦の共有財産となるのかを含め、ご結婚時・ご結婚後の財産、家計管理などのお金に関することについては、そのことそのものが離婚の原因ともなることがあります。

例えば、どちらが家計を管理するのか、給与明細を見せ合うのか、小遣い制にするのか、生活費の負担を折半とするのか、どちらがどれだけ負担するのか、そもそも仕事の負担割合、家事の負担割合をどのようにするのか。
これは、結婚後の結婚生活を円満にするためにもとても重要なことです。結婚前からしっかりと彼と話し合ってコミュニケーションをとり、金銭感覚や価値観などが概ね同じ方向性であることをよく確認しておくと良いと思います。

まとめ

基本的に結婚後に築いた財産は、夫婦共有財産となり、独身時代に築いた財産は、共有財産にはなりません。ただし、結婚前に「婚前契約」を交わしていた場合は、結婚後の財産も別々にすることができます。お金のことは離婚の原因になることも多いので、結婚前にパートナーとしっかり話しあいましょう。

原口 未緒

弁護士 学習院大学法学部卒業。2003年弁護士登録。都内法律事務所にて、民事、商事、家事、刑事、倒産処理など多様な案件を扱う。2010年に独立し、美緒法律事...

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