未だに続く待機児童問題。認可保育園に入れる基準は?
待機児童は以前にくらべて改善したものの、いまだに続く「待機児童問題」。これから出産する人からすれば、産後、保育園に入れなかったら職場復帰ができない不安もあるでしょう。「保活」する前に知っておきたい現状の待機児童の状況を踏まえ、認可保育園に入れる基準についてお伝えしていきます。
待機児童の現状
厚生労働省の「保育所等関連状況取りまとめ(平成29 年4月1日)」調査によれば、待機児童数は26,081人で前年比2,528人増えていています。なかでも待機児童の人数が一番多い世田谷区は861人と前年より減少したとはいえ、いまだ都市部中心に待機児童問題は継続しています。そもそも待機児童の定義はどうなっているのでしょうか?
世田谷区の待機児童の定義をみると、保育の必要性が認定され、認可保育園等の入園申込をしているけれど利用していない児童で、以下に該当しないものをいいます。
(1)保育園、認定こども園、地域型保育事業、保育室、保育ママ、認証保育所、定期利用保育、企業主導型保育、幼稚園の預かり保育、無認可保育施設(保育料補助申請者に限る)を利用している。
(2)自宅から通うことができる範囲に利用可能な保育園、認定こども園、地域型保育事業、保育室、保育ママ、認証保育所、定期利用保育、幼稚園の預かり保育があるが、利用していない。
(3)保護者が求職活動を休止していることが確認できる場合。
世田谷区では、保護者が育児休業中の人も待機児童に含まれていますが、希望の家の近くにある認可保育所に入れずに利用料が高い東京都認証保育所や無認可保育施設などに仕方なく入れているという「隠れ待機児童」を含めると実態は見えづらいという問題は残ります。
認可保育園に入れる基準
認可保育園に入園するには入園選考があります。申込書や書類の内容に基づいたポイントの加算方式になっていて、ポイントが高い人から内定されます。
まず保育の利用基準としては、保護者の勤務状況が問われます。
例えば週5日以上勤務、かつ週40時間以上の就労状態であれば利用基準指数は50なのに対し、週3以上勤務、かつ週16時間以上の就労状態であれば20と勤務時間が短いほど利用基準指数は少なくなります。
他には仕事だけでなく出産・病気・障害などにより保育が困難となる場合も利用基準指数があります。さらに保育の調整基準というポイントがあり、同居親族がいないひとり親世帯なら「+20」と加算されますが、反対に兄弟が在園しているもしくは卒園していて利用料または延長保育料などが正当な理由なく3ヶ月以上滞納していると「-20」と引かれる基準もあります。
パート勤務で短時間だけという人であれば、入居の倍率が高い地域であれば入所できない可能性が高いでしょう。とはいえ、審査のない認可外保育園に入所するとなれば保育料は高く働くこと自体、本末転倒という考え方もあるなか、退職し家に入りいざ社会復帰したくても再就職が難しいというケースもあり小さいうちは保育料が高くても長期的に見ると仕事を続けるという選択もあります。どういった選択をするかは、世帯の経済状況、親の価値観や考え方によるものが大きいと思います。
【利用基準指数】
出典:世田谷区HPより一部抜粋
まとめ
産後、復職するためには子どもを保育してもらえる場所を確保しなくてはなりません。認可保育園に入所できても駅前では倍率が高く、自宅から駅へ向かう反対方向の登園に不便な場所や、兄弟で別の保育園に入所しているため保育園のはしご登園せざるを得ない人もいます。産後に慌てて認可保育園について調べるより、妊娠したら入所基準について、近所の認可保育園の状況など調べておき、希望の認可保育園の入所が難しそうだったら、空きができるまで近隣の認可保育園以外の保育園も視野に入れて調べておきましょう。そうすることで産後、すぐに手続きに動くことができます。