現金とカードの使い分け 賢く使って大きく節約
日常の買い物で利用する決済方法は、現金派ですか?カード派ですか?
2019年10月に予定されている消費税の8%から10%への引き上げでも話題になっているポイント還元の影響もあり、「キャッシュレス決済」ということばをよく耳にするようになりました。どちらがおトクなのか、現金とカードを賢く使い分けるためのコツや抑えておくべきポイントについて解説します。
手持ちの現金はいくらが適切?
日銀がおこなっている「生活意識に関するアンケート調査(第45回、2011年4月)」によると、手持ちの現金は
・5,000円~1万円未満 29.3%
・1万円~2万円未満 28.0%
と、5,000円~2万円未満が6割近くという結果となっています。
手持ちの金額をいくらにするのかを決める目安として、飲み会や食材のまとめ買いのような日常的ではないイレギュラーな支出の予定がない日は、ランチなど1日の必要額に5,000円ほどプラスした金額が適当だと筆者は考えています。
月や週で予算を決めている人の場合は、1日分の予算にプラス5,000円としても良いでしょう。
家計相談に来られるお客さまからも、ATMで引出したあと、そのまま1万円札を財布の中に入れておいたため、つい目についた物を衝動買いしてしまいあとで後悔する、といったエピソードをときどきお聞きします。
財布には、あまり多くの現金を入れておかないほうがよいようです。
とはいえ、使ってしまわないよう、持ち歩く金額を必要額ぎりぎりにすると、不意の支出の際にATMで引出しをすることになり、時間外手数料が発生してしまいます。
財布に入れておく現金は、多少余裕のある手持ちの額が必要です。
現金払いでおトクはある?
近年、クレジットカードのほか、デビットカードやQRコード決済などキャッシュレス化の流れにより、利用額に応じたポイント還元を実施している会社も増えてきました。
現金決済とカード決済のおトク度を比較したとき、買物のたびにポイントが付与され、そのポイントが買物に利用できることを考えると、その分節約につながるカード決済がおトクといえるでしょう。
しかし現金決済では、財布の中の残高を常に認識できることから、支出の管理がしやすいというメリットがあります。
また、カード決済の場合、つい使いすぎてしまう、といったこともあります。さらに「今だけポイント増!」といったキャンペーンなどで、それほど必要のない物にまで支出をしてしまうといったケースもあります。
自分自身がどちらの管理方法が向いているのかを分析しながら、現金とカードを使い分けると良いでしょう。
カードを上手に使いこなすには
現金決済は、買い物のたびにお金が減っていくことが実感できることから、支出の管理に意識が向くといったメリットがあることはお伝えしましたが、金額が大きくなればその分カード決済によるポイント還元も見逃せません。
カードを賢く使いこなしポイントで節約するためには、家計管理をシンプルにしていくと良いでしょう。
たとえば費目ごとに決済方法を分けるという方法もあります。同じ費目で決済方法が混在していると家計管理が複雑になりがちですが、食費は現金、通信費はクレジットカード、というようにまとめると、支出を把握しやすくなります。
またクレジットカードは利用と請求の時期が異なるため、口座から即時引落しとなるデビットカードや、上限額を決めてチャージができるプリペイドカードを利用することで、さらに家計管理をシンプル化することができます。
カード決済は、管理画面にログインすることで、利用日時や利用した店舗など詳細が一覧で確認ができ、支出のふりかえりがしやすくなるといったメリットもあります。
まとめ
現金決済とカード決済についてみてきましたが、ポイント還元があることなどからカード決済の方がおトクであるといえます。一方で、目の前で現金のやり取りがない分だけ、使った認識が薄くなり使いすぎてしまうといったことも起こり得ます。
管理のポイントや自分自身のルールを決めて、それぞれの決済方法の特性を生かしつつ、上手におトクに家計管理をしながら使い分けていきたいですね。