自賠責保険の引き下げで、保険料はどう変わるか?
すべての自動車(原動機付自転車を含む)の所有者と運転者が、自賠法(自動車損害賠償保障法)という法律に基づき、必ず加入しなくてはいけない自動車保険が「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」です。
自動車購入時や車検の際に必ず加入し保険料を支払っているはずです。
その自賠責保険の保険料が2020年4月から引き下げられるという嬉しい発表がありました。
そこで、自賠責保険の保険料の引き下げのニュースをきっかけに今後の自動車保険全体がどうなっていくのか考えてみたいと思います。
自賠責保険の補償範囲は?
まずは自賠責保険そのものについて確認してみましょう。
自賠責保険の場合、補償対象は対人事故の賠償損害のみです。つまり、死傷した相手側の運転者とその同乗者あるいは歩行者などへの補償に限られています。自動車事故の被害者を救済するための最低限の保険という位置づけになります。
保険金の限度額は、死傷者1人あたり、死亡事故最高3,000万円、傷害事故最高120万円(後遺障害は程度によって75万円~4,000万円)です。
これらの補償対象以外や、保険金限度額を超えた場合は任意加入の自動車保険を使う事になります。
自賠責保険料はどのくらい安くなるのか?
自賠責保険は現在の保険料から平均して16.4%引き下げられることになります。自家用車の保険料2年契約(沖縄・離島は除く)では4280円下がり2万1550円、軽自動車の保険料(同)は3,930円下がり2万1,140円になる※のです。
消費税の影響で値上げ傾向の中、値下げの話は嬉しいですね。しかし、なぜ値下げなのでしょうか?
それは、自動車の安全装置の発達などにより交通事故が減少したという結果、保険収支の改善を反映するという事なのです。
つまり、補償対象や保険金の限度額までの範囲では交通事故が減少し、支払額が減っているから保険料値下げという事になります。
今後も相手方に対する死傷事故が減れば、保険料は安くなっていくという事になります。
※損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率」