意外と知らない?傷病手当金の使い方
誰でも毎日健康に会社に出勤したいものですが、やむを得ず病気やケガで会社を休まざるをえないこともあるでしょう。そんなときのために知っておきたいのが傷病手当金の制度です。
ここでは意外と知らない傷病手当金の利用方法についてご紹介します。
傷病手当金って何?
傷病手当金とは、健康保険の被保険者が病気や傷病のために会社を休まざるを得なくなった際に、健康保険から約2/3の給料が補償されるというものです。この場合の病気やケガは、業務外で被保険者に起きる全てのものが対象となります。業務中や通勤途中に起きたものは労災扱いとなります。
傷病手当金を受け取る条件
傷病手当金を申請するにはいくつかの条件を満たしていることが必要です。対象となるかどうかわからない場合は、人事や労務などに確認するようにしましょう。
1.業務外に起きた病気やケガを療養すること
2.療養期間中仕事に就くことが不可能であること
3.連続する3日間を含んで4日以上勤務できない期間があったこと
4.会社員または公務員であること
5.療養中給与が支給されないこと(有給扱いは対象外)
また、傷病手当金は支給開始日から最長で1年半受給することができるとされています。受給期間が長期にわたる場合は1カ月単位で申請を行います。勤務先の給与の締め日毎に手続きを行うと良いでしょう。
傷病手当金と出産手当金
女性なら誰しも可能性がある妊娠・出産ですが、傷病手当金と出産手当金の両方の時期が重なることもあります。平成28年4月までは、出産手当支給中に傷病手当金を受け取ることができず、出産手当金が優先して支給されるとされていましたが、現在は出産手当金よりも傷病手当金が多くなる場合はその差額を受け取ることができるようになっています。
退職が絡む場合はどうなる?
傷病手当金を受給している間に退職をすることになった場合、継続して受給の対象となるのは次の条件を満たしている場合に限られます。
・健康保険の資格喪失の前日までに1年以上継続して同じ健康保険の被保険者であること
・資格喪失時に傷病手当金を受けているか、受ける条件が揃っていること
制度の存在だけでも知っておこう
傷病手当金の制度があることすら知らなかった人も多いかもしれませんね。病気やケガで会社を休むことはないと思いこんでいると、いざというときに慌ててしまったり、利用できる制度をきちんと利用できないということもあり得ます。仕組みがあることだけでも理解しておくと、損しないで済むかもしれません。