3月11日、東日本大震災から学ぶ 地震保険は必要?

保険

2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。日本列島では地震や火山活動が活発化しています。地震大国といわれる日本。万が一に備え、地震保険に加入する必要はあるのでしょうか。

地震保険は単体で加入不可。火災保険とセットで加入

地震による被害は、建物倒壊だけでなく火災や津波、液状化現象が考えられます。火災と聞くと火災保険に加入しているので大丈夫だと思いがちですが、火災保険だけでは、地震や噴火等による火災等の損害は補償されません。地震保険に加入していることで地震が原因の火災や倒壊、流失によって建物や家財に損害が生じた場合に、その損害程度に応じて補償が行われます。保険の対象は、居住用の建物や家財で、店舗や事務所のみに使用されている建物や営業用の器具や家具類は対象となりません。

なお、地震保険は単独では加入できず、火災保険にセットする形で契約する仕組みです。現在火災保険には加入しているけれど地震保険に加入していないという場合は、契約中の火災保険に後から地震保険を追加することもできます。

地震保険の上限は、火災保険の保険金の半額まで

契約できる地震保険金額は火災保険金額の30~50%の範囲内で、かつ建物は5,000万円、家財は1,000万円までを限度として決めることができます。例えば建物に3,000万円の火災保険をかけているとすると、地震保険は900万円から1,500万円の範囲で設定できるということです。

この地震保険は、保険会社だけでなく、国も法律に基づいて保険金の支払義務を負う官民一体の制度です。1回の地震について支払われる保険金の総額には限度が定められていて(2018年2月23日時点では11兆3千億円)、保険金の総額がその限度額を超える場合には保険金が削減されることがあります。

注意点は、万が一に備えて設定している地震保険の金額が支払われるとは限らないこと。地震保険で支払われる保険金は、建物や家財の被害の程度によって「全損」と認定されれば保険金額の100%、「大半損」であれば60%、「小半損」では30%「一部損」では5%が支払われます。認定された損害の程度によって、支払われる保険金の割合が決められるのです。

なぜ設定した金額が支払われないのでしょうか。地震の被害は広範囲になることが多く、大地震になると多額の保険金の請求が予想されます。そのため、地震保険は倒壊や焼失した建物を建て直すための費用を全額補償するのではなく、地震による被災者の生活を出来るだけ早く復旧させることを目的として位置づけられています。

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辻本 由香

CFP、おふたりさまの暮らしとお金プランナー 企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。暮らしにまつわるお金について知識を得るこ...

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