健康保険と国民健康保険の違いとは?わかりやすく解説

保険

日本に住んでいる誰もが加入する健康保険制度。
健康保険制度には、「健康保険」と「国民健康保険」の2つがあります。この2つの保険について違いをご存知でしょうか? 健康保険と国民健康保険には共通するところもあれば違っているところもあります。
今回は、健康保険制度の仕組みと、健康保険と国民健康保険の違いについてわかりやすく解説します。

健康保険と国民健康保険の違い

日本では、すべての国民が生まれたときから健康保険制度に加入します。国民全員が健康保険制度に加入し、ケガや病気、出産などの医療費をみんなでカバーしあっているのです。
公務員・会社員とその扶養家族は健康保険に加入します。その他、個人事業主などは国民健康保険に加入します。

集められた保険料は、自己負担以外の医療費や給付金の支給に充てられます。
私たちは、病気やケガをしたときの医療費のうち3割を負担しています。健康保険も国民健康保険も負担割合は同じです。

健康保険と国民健康保険、どちらでも対象になる制度

健康保険と国民健康保険のどちらに加入していても対象になるのが、出産一時金と高額療養費です。

出産一時金

出産一時金は、妊娠4カ月(85日)以上の出産で、一児につき42万円支給される制度です。出産後に受け取ることもできますが、実際にかかった出産費用と出産一時金の差額を医療機関に支払えばよい、出産育児一時金の直接支払制度を利用することも可能です。
詳しくは、勤務先の健康保険組合や協会けんぽ、お住まいの市町村窓口までお問い合わせください。

なお、産科医療補償制度に未加入の医療機関での出産の場合は40.4万円です。産科医療補償制度とは、赤ちゃんが分娩などで重度脳性麻痺になった場合に補償を受けられる制度です。
産科医療補償制度に加入している医療機関には、このようなマークがあります。

出典:公益財団法人日本医療機能評価機構

また、産科医療補償制度に加入している医療機関は、こちらのホームページから確認できます。
産科医療補償制度 加入分娩機関検索

高額療養費制度

高額療養費制度は、1カ月(1日から月末まで)の間に支払った医療費が自己負担限度額を超える場合、その超えた金額が戻ってくる制度です。
事前に医療費が高額になることがわかっている場合は「限度額適用認定証」を準備することをオススメします。限度額適用認定証を病院の窓口で提示すれば、自己負担限度額以上は支払わなくてよくなります。

特に、治療が長期にわたる場合や入院するときの医療費の負担は小さくありません。後から戻ってくるよりも、支払うのが限度額までであれば、家計への負担も軽減されるでしょう。
手続は、勤務先を通じて健康保険の場合は健康保険組合や協会けんぽで行います。国民健康保険の場合はお住まいの市区町村で手続きできます。

なお、自己負担限度額は収入額により段階的になっています。70歳未満の場合はこちらです。

2015年1月診療分から 1カ月の自己負担限度額表(70歳未満)

※多数該当欄は、高額療養費により払い戻しを受けた月数が直近12カ月で3カ月以上になった場合の、4カ月目以降の自己負担限度額です。

健康保険に独自の給付

出産手当金と傷病手当金は、健康保険の制度です。

出産手当金

出産手当金は、出産の前42日と出産後56日の間、出産のため仕事を休み、給与の支払いがない場合に支給されます。
出産手当金を支給されている間は、健康保険料や年金保険料は免除になります。免除期間中の保障はそのまま継続されるので、安心して出産手当金を受け取ることができます。

支給される1日あたりの金額は、支給開始前の12か月間の標準報酬月額を30日で割った金額の3分の2です。
標準報酬月額とは、社会保険料の算定の際に使用する基準額です。実際の給与額とは少し違います。ケースバイケースではありますが、基本給を標準報酬月額に置き換えて試算され大体の金額を把握してもよいかもしれません。
詳しくは、勤務先の総務の方に聞いてみましょう。

出産手当金は、健康保険に加入している本人にだけ給付され、国民健康保険にはありません。
会社を辞めて健康保険の加入者でなくなった場合は基本的に支給されませんので注意が必要です。
なお、出産手当金は出産日の42日以内の退職の場合は、退職後も出産手当金が支給される場合があります。

参照:全国健康保険協会 出産で会社を休んだとき https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3090/r148

傷病手当金

傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガが原因で、4日以上仕事に就けず給与が支払われない場合に支給されます。
支給される1日あたりの金額は、出産手当金の算出方法と同様、お給料の約3分の2です。

傷病手当金を受け取っている状態で退職したら、継続して1年以上健康保険に加入しているなどの要件を満たせば傷病手当金をもらい続けることができます。
ただし、いったん再就職した後に仕事に就くことができなくなった場合、傷病手当金は支給されません。

また、出産手当金を受給している場合で、傷病手当金の受給要件を満たす場合は、出産手当金の額よりも傷病手当金の額が多ければ、その差額を受給できます。

傷病手当金は、健康保険に加入している本人にだけ給付され、国民健康保険にはありません。
また、会社を辞めて健康保険の加入者でなくなった場合は基本的には支給されませんので注意が必要です。

参照:全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

保険料の計算と支払い

健康保険では、給与の金額に応じて勤務先が保険料を計算します。給与が増えれば保険料負担も増すことになります。しかし、うれしいことに、家族が増えても保険料が増えませんし、保険料の半分を勤務先が負担してくれています。
保険料は、毎月支給される給与から健康保険料の半分が差し引かれています。

国民健康保険の保険料の金額は、お住まいの市町村が前年の所得と家族の人数に応じて保険料額を計算します。所得金額とは、収入から必要経費を引いた金額です。国民健康保険料は、ご自身が全額負担します。家族が増えた場合、保険料は増えます。
保険料の支払いは、市区町村より6月頃に送られる納付書でします。6月から翌年3月まで、10回に分けて国民健康保険料を全額自分で支払います。

保険料の免除

健康保険では、3歳までの子を療育するための育児休業期間中は健康保険料が免除されます。
国民健康保険の場合は、育児休暇中であっても保険料は免除されません。
ただし、国民健康保険では、勤務先の倒産などで収入が減ってしまった方を対象に保険料を減額してくれます。減額の対象となる条件はお住まいの市町村にお問い合わせください。

まとめ

健康保険と国民健康保険は、共通するところもあれば、それぞれ独自のものもあります。
健康保険に加入されている方は、勤務先が保険料を半分負担してくれていることや出産手当金や傷病手当金があること、保険料の免除など健康保険の恩恵を知ることができたのではないでしょうか。

今後はフリーランスとして活躍したい、独立開業したいなどの夢をお持ちの方もいらっしゃると思います。健康保険と国民健康保険のそれぞれの特徴を知り、今後のライフプランに活用してください。

山田 香織

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、産業カウンセラー。 FP歴9年。会計事務所で11年間、経営・税務相談業務を経験した後、FP事務所を開業。 個人から...

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