2022年4月から東証の市場区分が変更に! いったいどう変わる?

2022年4月から東証の市場区分が変更に! いったいどう変わる?
マネーケア

東京証券取引所、略して「東証」の市場区分が変更されます。現在の5つの区分から3つになり、それぞれの上場基準も変わります。それにともない、株式投資には欠かせないTOPIX=東証株価指数も変わるので、投資判断に大きな影響が出ることは避けられません。

市場区分の変更は、2022年4月から。どう変わるのか把握して、これからの株式投資に備えましょう。

東証の市場が5つから3つへ

2021年9月現在、東証の市場区分は5つです。
大まかに言うと、大型企業が上場している東証1部、中堅企業の東証2部、成長企業のジャスダック(スタンダード・グロース)・マザーズです。

なぜ、このように分かれているのでしょうか。
それは、上場するにはそれぞれの基準があるからです。

基準をもうけていることで、上場している市場が一定の条件をクリアしていることが明確にわかり、投資先としての判断に役立てることができます。

上場基準

東証1部、2部は、国内外を代表する、大企業や中堅企業が上場する日本の中心的な株式市場です。特に、東証1部は海外投資家も多く売買する国際的な市場として、世界でもトップクラスの市場です。

ジャスダックは、信頼性、革新性、地域・国際性という3つのコンセプトを掲げる市場です。ジャスダックのスタンダードは、一定の事業規模と実績を有する成長企業が対象、グロースはより将来の成長可能性が大きい企業が対象です。

マザーズは、東証1部へのステップアップを視野に目指す、成長企業向けの市場です。そのため、上場企業には高い成長可能性が求められます。企業の規模や業種の制限は設けず、ビジネスモデルや事業環境などをもとに評価、判断されています。

しかし近年、市場のコンセプトと実態が必ずしも一致していないのではないか、との懸念がありました。

東証1部上場の企業であっても、時価総額が250億円を下回っていたり、PBR(株価純資産倍率、Price Book-value Ratioの略)が1を下回っていたりしています。

つまり、東証1部上場だからといって、安定した優良企業であるとは限らないということです。

そこで、国内外の多様な投資家から、高く支持される魅力的な市場にするべく、3つの市場に変更することになりました。

投資マネーを世界中から集め、上場している企業の持続的な成長、中長期的な企業価値を向上する目的もあります。

新しい市場は、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3つです。

上場基準(2022年4月以降)

今までの市場との関係は、東証1部がプライム市場に、東証2部とジャスダック(スタンダード)がスタンダード市場に、ジャスダック(グロース)とマザーズがグロース市場に対応します。

これら上場企業は、2021年9~12月に、新しい市場区分の選択申請をします。

その後審査を経て、2022年1月にはそれぞれの企業の市場区分が公表される見込みですが、東証1部上場約2200社のうち約600社が、プライム市場の基準を満たすことができず、スタンダード市場になるのではないかと言われています。

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タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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