奨学金ってどんなもの?種類や注意点などの基礎知識をまとめて解説

奨学金ってどんなもの?種類や注意点などの基礎知識をまとめて解説
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代表的な奨学金制度はこの4つ!

奨学金制度には、国や地方公共団体が運営する公的なものと、学校やNPO法人などが運営する民間のものがあります。それぞれに特色があるため、いろいろな制度から自分が利用できるものを探してみるといいでしょう。

奨学金といえば!日本学生支援機構(JASSO)の奨学金

奨学金制度の代表ともいえるのが、国からの予算と卒業生の返還金によって運営されている日本学生支援機構(JASSO)の奨学金です。今までは貸与型が主でしたが、2020年から給付型もスタートしました。貸与型には無利子の第一種と有利子の第二種の2種類があり、無利子と有利子でそれぞれ基準が異なります。

また、「入学時特別増額貸与奨学金」もあるため、入学金の支払いが難しいという場合にはこちらの申し込みを検討するのもいいでしょう。

あればチェックして!地方公共団体の奨学金

都道府県や市区町村の教育委員会などが、奨学金制度を運営しているケースもあります。利用するための条件は、保護者が住んでいる、もしくは出身者であることなど。地方自治体により貸与型や給付型、基準や申し込み時期などの詳細は異なります。

どの自治体にも奨学金制度があるわけではないため、住んでいる自治体のHPなどを確認し、制度の有無を確認してみましょう。申込方法は各自治体に申し込みをするケースと、進学した学校を通して申し込むケースがあるので、学生課に問い合わせしてみるのもいいかもしれません。

最近は、UターンやIターン就職をする学生に対し、奨学金を肩代わりするという制度を用意している自治体もあります。

いろいろな団体が学生を支援!民間育英団体の奨学金

民間企業や個人などがお金を出し運営しているのが、民間育英団体の奨学金制度です。採用基準や金額は団体により異なるのはもちろん、団体側から学校に対して奨学金を申し出る形式のため、学校によって利用できる奨学金の内容や数も異なります。

民間育英団体の奨学金は、給付型と貸与型のどちらもありますが、ほとんどが給付型。給付型の奨学金の目的は、成績や人柄の優れた学生を経済的にサポートし、将来社会で活躍する人材を育てることです。成績といっても学業だけでなく、スポーツや芸術、ボランティア活動など、学業以外の実績がある学生を対象にしているものもあります。

ただし、採用数は少なく、書類選考と面接で判断されるのが基本。学校が推薦した学生を育英団体が審査し、可否が決定されます。

学校によって特色あり!大学や専門学校の奨学金

多くの学校でも、独自の奨学金制度が用意されています。奨学金制度が充実しているのは私立大学ですが、国公立大学でも増加傾向にあるようです。給付型の奨学金の場合、新入生なら入学試験の成績、2年生以上なら前年度までの成績などと合わせ、家計状況を基準に選考されるのが一般的。

優秀な学生の獲得のため、純粋に成績だけを対象とした特待生制度を設けている学校もあります。専門学校の場合、特定の資格を持っていることで授業料の免除を受けられることもあるようです。入学案内や入学後の春の募集を、しっかりチェックしておきましょう。

奨学金を借りる際に注意しておきたいことは

最後は、奨学金を利用する際の注意点をいくつか確認していきましょう。

貸与型の奨学金は借金であることを理解しておこう

忘れがちなのですが、貸与型の奨学金は、あくまで借金です。しかも、総額にすると高額になる可能性大。有利子タイプであればなおさらです。

そのため、奨学金を申し込みする時点で、卒業後の返済について計画を立てておくのがベスト。社会人経験のない本人だけで考えるのではなく、家族や先生などに相談するのがおすすめです。

入学金には間に合わないケースが多いので要注意!

奨学金の振り込みは、入学後の5月以降です。そのため、入学前に支払わなければならない入学金には間に合いません。奨学金で賄うつもりでいたら支払いができず、せっかく合格したにもかかわらず入学を辞退せざるを得ない、なんてケースもあるようです。

入学金の準備が難しいのであれば、教育ローンや日本学生支援機構の入学時特別増額貸与奨学金を利用することなどを検討してみるといいでしょう。

成績の良し悪しも大きく影響する

学びたい学生が心置きなく勉強に励める状況を作れるよう支援するのが、奨学金の目的です。そのため、どの奨学金においても、家計の経済状況に加えて、成績が大きく影響します。奨学金の受給資格を得たものの、成績不振や留年などで、受給資格がなくなってしまう可能性もあり得ます。

これから奨学金を申し込む人も、すでに受給資格を得た人も、しっかり勉強に励む必要があるでしょう。

奨学金制度についてきちんと理解しておこう

進学したいけどお金がない、そんな学生を助けるための奨学金制度。学びたい気持ちをサポートしてくれるありがたい制度ではありますが、貸与型の場合、学生自身の借金となること、卒業後に返済していかなければならないことを、きちんと理解しておく必要があります。将来のことまで見据え、自分にぴったりの奨学金制度を選んでください。

みなりこ

金融系の事務職を経て現在はライターとして日々精進しています。 トレンドを探るのが大好きで、ファッションや美容、金融など、幅広いジャンルを執筆。 子どもとの時...

プロフィール

監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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