【Z世代のマネー学】投資する上で大切な3つのリターン視点

投資する上で大切な3つのリターン視点
マネーケア

③税金控除後リターンで考える:税金をかからない方法をフル活用

税金控除後リターンとは、得られたリターンから、税金を差し引いたリターンのことです。
みなさんも給料から税金や社会保険料が引かれ、手取りが少なくなっているでしょう。もし、税金や社会保険料がなかったら、手取りが一気に増えて嬉しいですよね。

さすがに、税金や社会保険料はゼロにはならないでしょうが、投資にかかる税金はゼロにする方法があります。
投資の利益には、通常20.315%の税金がかかります。しかし、つみたてNISAやiDeCoといった制度を利用すれば、利益にかかる税金を「ゼロ」にできるのです。

つみたてNISAは、毎年40万円までの投資で得られた利益にかかる税金を最長20年にわたって非課税にできる制度です。金融庁が「長期の資産形成に向いている」と認める基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)だけに投資ができます。
新規に投資できる期間は2042年(法改正後)。ネット証券などでは100円からでもコツコツとスタートできる、積立投資の制度です。

また、iDeCoは自分で毎月一定の掛金を支払って運用し、老後(60歳以降)に受け取る制度です。
iDeCoでは、つみたてNISAと同様に投資で得られた利益が非課税にできます(しかも、たとえば20歳からスタートしたら、70歳まで50年間非課税です)。そのうえ、掛金は全額所得控除ができるため、毎年の所得税や住民税を安くしながらお金を貯められます。
さらに、受け取るときにも節税に役立つ仕組みがあります。

どちらも、これまでにご紹介した制度ですので、詳しくは次の記事をご覧ください。

【ミレニアル世代のマネー学】一般NISAとつみたてNISA、徹底攻略
【ミレニアル世代のマネー学】iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の徹底攻略

税金も投資のコストと同じようなもの。あるとないとで、リターンは大きく変わります。

税金の有無でリターンはどう変わる?

税金控除後リターン
著者作成

図は毎月1万円ずつ30年間投資し、3%の利回りが得られた場合のリターンの差を示したものです。
投資元本の360万円に対して、課税される場合の資産は526万円、非課税の場合は583万円と、63万円もの差が生まれていることがわかります。しかもこの差は、投資する期間が長くなればなるほど広がっていきます。
ですから、早いうちに投資をスタートして、長く続けていくことが大切なのです。

これからお金を増やしていくために必要な3つのリターンの視点を紹介してきました。
商品選びの際にはリスク調整後リターンの指標「シャープレシオ」を確認し、なるべくコストの安い方法を選び、税金のかからない方法を優先します。こうすることで、お金を減らさずに増やす投資の実現が近づくでしょう。

【ミレニアル世代のマネー学】人間は損したくないのに損する行動を取ってしまう?1から学ぶ「行動ファイナンス」

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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