【Z世代のマネー学】信用リスク、カントリーリスクとの付き合い方
銀行にお金を預けても、お金はほとんど増えません。ミレニアル世代・Z世代と呼ばれるみなさんがこれからお金を増やしたいならば、投資をすることが欠かせません。
投資にはさまざまなリスクがあります。このリスクのなかで、突発的に起こり、商品の価格を大きく下落させることのあるリスクに「信用リスク」と「カントリーリスク」があります。
今回は、投資をするうえで知っておきたい信用リスクとカントリーリスクについて、紹介します。
▶︎前回:短期vs長期、一括vs積立、集中vs分散、どっちの投資が良いの?
お金が戻ってこない? 信用リスク
信用リスクをひとことで言うと、お金を借りた国や企業が、約束どおりに元本や利子を払わないリスクです。元本や利子を支払う約束のことを債務といいます。
債務がきちんと行われないことから、債務不履行リスク(デフォルトリスク)と呼ばれることもあります。
債券や株式といった金融商品には、信用リスクが存在しています。たとえば、以下のようなものがあります。
国債の信用リスク
国がお金を借りるために発行する債券を国債といいます。
国債を買うと、決められた利子が定期的に受け取れ、返済日(償還期限)になると、元本が戻ってきます。
しかし、国の財務状態が悪くなり、破綻するようなことがあると、元本や利子が受け取れなくなる可能性があります。
「国が破綻するなんて」と思われるかもしれませんが、その可能性はゼロではありません。
近年デフォルトした国を調べると、けっこうあることがわかります。
【過去にデフォルトした主な国】
・1998年 ロシア
・2000年 ペルー
・2001年 アルゼンチン
・2003年 ウルグアイ
・2008年 エクアドル
・2012年 ギリシャ
社債の信用リスク
企業がお金を借りるために発行する債券を社債といいます。
国債と同じく、購入すると決められた利子が受け取れ、返済日には元本が戻ってきます。
しかし、どんなに優良企業であっても「絶対に破綻(倒産)しない」ということはありえません。もしも社債を発行した企業が破綻するようなことがあれば、元本や利子が受け取れなくなる可能性があります。
株式の信用リスク
信用リスクは主に債券で意識されるリスクですが、株式にもあります。
社債同様、株式を発行している企業が経済情勢の変化のあおりを受けたり、不祥事を起こしたりして破綻することも、ないとはいえないのです。
信用リスクが高まると、債券や株式などの価格が下落し、利子が受け取れなくなる可能性が高くなります。また、発行体が破綻してしまうと、元本すら回収できなくなります。そうなると、大きく損してしまうでしょう。
国の情勢が変化する? カントリーリスク
カントリーリスクは、投資先の国や地域で政治や経済に対する不安が起こることで、金融商品の価格が大きく変動するリスクです。
こちらも、主に債券で意識されるリスクです。
カントリーリスクが発生する要因は非常にさまざまです。たとえば、
・急激な物価上昇(インフレ)
・株価や通貨の価格の急落
・国債の債務不履行(デフォルト)
・政権交代などの政治情勢の変化
・紛争、内乱、テロなどの争い
・地震、津波、噴火などの災害
などが引き金となって、金融商品の価格が下落することがあります。
何しろ国家的なリスクなので、ひとたびカントリーリスクが発生すると、その影響も大きくなりがちです。
カントリーリスクは、日本を含むすべての国に存在します。とはいえ、一般的にカントリーリスクが起こりやすいのは、中南米・アフリカ・アジア・中東にある新興国だといわれています。
新興国の中には、政治や経済がまだ不安定な国が存在するのです。