コロナ禍で収入減!住宅ローンの支払いが厳しくなった話と救済策

ちょっと背伸びはしたけれど、組める範囲の住宅ローンで夢のマイホームを購入!しかし、コツコツ返済を頑張っていた矢先のコロナ禍による収入減少……。我が家の家計に住宅ローンが重くのしかかりました。 今回は、筆者の住宅ローン返済が厳しくなった話と、そこで知った救済策や対応策について紹介します。いつか役に立つかもしれないお金の話、ぜひご覧ください。
マイホーム・住宅ローン

金融機関に相談を!支払えなくなったときの救済策

滞納は絶対NGだと理解した私たちは、とりあえず住宅ローンを契約している金融機関に相談してみることにしました。
すると、返済方法変更という手立てがあることと、大きく分けて3つの返済方法変更メニューがあると教えてくれました。

<返済方法変更メニュー>

1.返済特例:返済期間の延長
2.中ゆとり:一定期間における返済額の減額
3.ボーナス返済の見直し:ボーナス返済の返済額変更や取り止め

どの返済方法変更メニューも手数料不要で、同時に組み合わせることも可能です。
我が家の場合、ボーナス返済は設定していなかったので、変更の余地はなく、返済特例と中ゆとりのどちらかを検討することにしました。

返済特例は、返済期間を延長することで、月々の返済額を抑えることが可能です。
一方、中ゆとりは、一定期間月々の返済額を減らすことができますが、減額期間終了後は月々の返済額が増加するという特徴があります。

収入が減少する前の家計でさえ、住宅ローンの返済にあまり余裕がなかった我が家。中ゆとりを選択してしまうと、減額期間終了後の増額した月々の返済額に耐えられないだろうと判断し、返済特例の返済期間延長に絞って見てみることにしました。
我が家が選択したフラット35は、住宅金融支援機構が民間金融機関と共同で提供している住宅ローンで、返済特例を受けるためには、以下の3つの項目すべてに該当する必要があります。

1.離職や給料の減収、自営業の売上減少、病気などの理由で返済が困難になっている
2.一定の収入基準のいずれかを満たす
(1)年収が住宅金融支援機構への年間総返済額の4倍以下
(2)月収が世帯人数×6万4,000円以下
(3)住宅ローンの年間総返済額の年収に対する割合が一定以上
3.返済方法の変更により今後の返済を継続できる

我が家の場合は、3つすべての項目に該当できたので、返済特例を受けることにしました。
返済期間の延長は、完済時の年齢が80歳までに限り、最長15年まで可能。「これなら月々支払えるな」という金額を相談して決定しました。

返済期間を延長してもらい、月々の支払いは軽くなりましたが、忘れてはいけないのが総返済額は重くなっているということです。返済期間が延長したことにより、利息の負担が増加し、それにつれて総返済額も増加します。

もし、新型コロナウイルスが落ち着き収入が元に戻ったら、延長した返済期間の短縮を申し出る予定です。返済期間を短縮させることで、総返済額を抑えることができます。我が家の場合は返済延長を適応することができましたが、購入した家の価格や住宅ローン残金、年収などは人によって異なるので、一番適切な方法はそれぞれ違います。

また、契約している金融機関によって、救済策にも多少差があるので、まずは契約している金融機関に相談してみてくださいね。

我が家が住宅ローン返済に苦戦した本当の理由とは?

返済期間の延長により、住宅ローンの負担が少し軽くなった我が家ですが、そもそも住宅ローンの支払いがなぜ厳しくなってしまったのかを考えてみました。

「予期せぬ収入減少に見舞われたから?」それももちろんあります。
しかし、「少し背伸びをした住宅を購入してしまった」というのも大きいでしょう。

ある金融機関が提示している借入可能額を見てみると、年収500万円の人であれば住宅ローンとして3,240万円まで借りることができ、35年ローンの1.54%固定金利で月々の返済は10万円ほどになります。
この数字を見ると、「頭金を入れたら、3,500万円超えの家も買えちゃうな」などと思う人もいるのではないでしょうか。

この借入可能額とは、金融機関が融資可能な上限額を言い、一方返済を無理なく続けられる返済額を返済可能額と言います。
そして、借入可能額を返済可能額と勘違いしてしまったのが私たちです。

年収に占める年間返済額の割合を返済負担率と言い、多くの金融機関は30~35%を上限とし、理想は20~25%に設定しています。しかし私たちは、上限目一杯ではないものの約30%の返済負担率で家を買ってしまいました。

一言で言うと、「無理をして買った」と言うことです。
もちろん、今の家は立地も設備も気に入っていて、特に不満はありません。得たものは大きいですが、返済延長を申請した今、もう少し身の丈に合った家を探しても良かったのではないか?という考えが頭をよぎります。

自分の理想とする家に自分の年収が一歩及ばないというケースは、よくあることではないでしょうか。家を妥協するのか、生活を少し切り詰めてでも良い家に住みたいのかは、人それぞれの考え方次第です。
私たちのように、人生には予測できない収入減少に襲われる可能性があるということを頭の片隅に入れておき、無理のない返済計画で理想の家を探してほしいなと思います。

住宅ローンの返済に困ったときは金融期間に相談を

収入減少により住宅ローンの支払いが厳しくなった我が家は、金融機関に相談し返済期間の延長という方法で月々の返済額を軽くすることに成功しました。住宅ローンの滞納は、約6ヶ月で家を明け渡さなければならなくなるので、返済に困ったときは早めに金融機関へ相談しましょう。そして何より、住宅ローンは無理のない範囲で組むことも忘れないでくださいね。

2人の姉弟を育てながらライターをしている海です。 前職は化粧品の営業や営業事務。 わかりやすく、ためになる記事作成を心がけております。

プロフィール

監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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