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プロスペクト理論で「投資で損をする理由」は説明可能? 不合理な選択を避けるにはどうしたらいいのか

プロスペクト理論で「投資で損をする理由」は説明可能? 不合理な選択を避けるにはどうしたらいいのか
マネーケア

不合理な投資を克服する方法

投資でなかなか儲からない、トータルでは負けてしまっているのは、損が嫌いなので損をしていると売るに売れない、少しの利益がでると損をしないうちに売ってしまう、プロスペクト理論の心の罠にはまってしまっている可能性があります。
日々の値動きに感情が動かされて、結果、不合理な選択を繰り返してしまっているのです。

損を避けたいがゆえに損を選んでしまう不合理な選択を克服するためには、まずは人の不合理な判断をする心の癖を自覚し、その時々の感情で判断できなくしてしまうくらいのルール作りが有効です。

克服方法1:損をしても支障のない余裕資金で投資を行う

プロスペクト理論による損を嫌いなゆえにやってしまう不合理な判断をしないためにおススメしたいのが、生活資金を確保したうえで余裕資金で投資を行うということです。
上がったら下がることを心配してすぐに売ったり、下がれば下がったで損が怖く売れないままの状態を繰り返したりしていては、投資で成功することはできません。

投資は10年以上といった長い期間をかけて経済成長の果実の収穫を期待してするものと理解してみてください。投資資金が下がっても、当面、投資資金が生活に必要ないお金であれば、ドンと構えて上がるのを待つことができます。余裕資金で投資を行うことで、一時的な損失で感情が動かされ損失回避しようとする投げ売りといった不合理な判断を克服できるかと思います。

克服方法2:積立投資

その時々の感情で判断できなくしてしまうくらいの投資のルール作りに有効なのが積立投資です。積立投資は毎月といったタイミングで、上がっている時も、下がっている時も、粛々と一定額の投資信託等の投資商品の購入を継続し、投資資金を育てていきます。

積立投資は不合理な選択を克服できる点では、日々の値動きに一喜一憂せずに決めたタイミングで粛々と買い進めていくことができるのでとても有効です。
また、積立投資は高い時には少ない数量を、安い時にはお得にたくさんの投資商品を購入することができるので、平均購入単価を下げる効果が期待できます。

克服方法3:指値注文や逆指値注文の活用

指値注文や逆指値注文もその時々の感情で判断できなくしてしまうくらいのルール作りに有効です。
指値注文は「〇〇円以下で買う」「〇〇円以上で売る」といった指定価格以下で買いたい場合や指定価格以上で売りたい場合の注文方法です。
逆指値注文は指値注文とは逆の発想で「〇〇円以上になったら買う」「〇〇円以下になったら売る」といった指定価格以上で買いたい場合や、指定価格以下で売りたい場合の注文方法です。

損を嫌って下がり続けている投資商品を塩漬け状態にしてしまうことを避けたい場合には、逆指値の売注文を活用することですることで、感情に左右されない損切りルールを作ることができます。普段は投資資金の値動きをこまめにチェックできないといった会社勤めの方には押さえておいていただきたい注文方法です。

投資は感情との戦い どうコントロールするかが鍵

プロスペクト理論から人は損をしたくない気持ちがあるから合理的な判断ができないものと理解できても、不合理な選択をしないよう気持ちをコントロールするのは難しい時もあるかと思います。
その時々の感情で判断できなくしてしまうくらいの投資ルールを厳格に実行するために、ファイナンシャルプランナーなどの専門家のサポートを活用してみてもいいでしょう。

文・監修:ファイナンシャルプランナー(CFP) 小林裕子

小林 裕子

ひろファイナンシャルプランニング代表 CFP ・1級FP技能士 2008年FP相談業務開始。 2014年事務所運営スタイルを金融機関等からの紹介手数料を一切...

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