株の取引画面ってどうなってるの?初心者でもわかる?
夏目「失敗談を聞いて自分のルールを決めたし、準備はバッチリです!」
福沢「その調子だよ。今回は実際の株の取引画面などを見ていこう。」
夏目「先輩、その前にいいですか?」
福沢「どうしたの?」
夏目「株の注文は、いつ入れてもいいんですか?」
福沢「それじゃあ株式投資を始める前に知っておきたい株式市場の基本から教えていくね!」
前場と後場について
福沢「株を取引できる時間は、前場と後場があるよ。前場は9時から11時半まで、後場は12時半から15時まで。土日と祝日は市場がお休みだから気をつけてね!」
夏目「え!?完全に私が仕事している間じゃないですか!これじゃ株式投資ができないです。」
福沢「安心して!翌日分などの予約注文ができるから。注文はいつでも出せるけど、取引が成立するのは市場が開いている時間ということだよ。」
証券会社に伝わる格言『買いは後場、売りは前場』
福沢「前場と後場を勉強したところで、夏目ちゃんに知っておいてもらいたいことがあるんだ。」
夏目「何でしょうか?」
福沢「それはね、『買いは後場、売りは前場』という格言だよ。」
夏目「買うのは午後、売るのは午前中、ということですよね。どうしてでしょうか?」
福沢「一般的に、前場は市場が開いたばかりで、株価が上がりやすい傾向があるんだよ。それに対して後場は、手仕舞いや買い疲れで値が下がりやすいんだ。」
夏目「なるほど!株を買う時は市場が落ち着いた午後に!ですね。」
福沢「ちなみに昔は『株を買いたくなったら3日待て』と言われていたんだ。今はネットが普及していて取引がスピーディーだから、3日待ったら買い逃してしまうけど、せめて『午後まで待ってみる』というスタンスは、覚えておいて損はないよ。」
実際の取引画面を見てみよう!
福沢「ここからは、実際に株を買う時の取引画面を見ながら説明していくよ!」
夏目「待ってました!どうやって買うんですか?ドキドキします!」
①「銘柄名とコード」・②「現在値」・③「始値や終値、出来高」
福沢「買う前に、きちんとこういうところを確認してね。初歩的なことなんだけど、間違えることも多いから。」
夏目「間違える?そんなことあるんですか?!」
福沢「では、夏目ちゃんに問題です!『アサヒHD(5857)』と『アサヒグループ(2502)』のうち、『アサヒスーパードライ』で有名なのはどっちだ?」
夏目「え?全然わかりません!実はどっちも同じ会社だったりして。」
福沢「正解は『アサヒグループ(2502)』だよ。『アサヒHD(5857)』は、貴金属リサイクルや産業廃棄物処理の会社なんだ。コロナ禍でも連続で最高益を出している、すごい会社だよ。」
夏目「全然知りませんでした。銘柄名やコードも気をつけなきゃ。」
福沢「ここで紹介している『ソフトバンクグループ(9984)』と『ソフトバンク(9434)』も間違えやすい銘柄名だね。ソフトバンクは携帯会社で、ソフトバンクグループの子会社なんだよ。親会社であるソフトバンクグループは、世界中のAIベンチャー企業などに投資を行う投資会社なんだ。」
夏目「会社について、きちんと調べてから買うように気をつけます!」
福沢「あとは、現在値と、始値や高値、出来高の欄もよく見てね。今の価格がいくらで、高値と安値がどのくらいだったのか。後場は株価が落ち着きやすいから『後場に向けて安値近くで入れようかな』とか、そうした判断の材料になるよ。」
夏目「なるほど!どのくらい値動きしているのか、買う前に確認ですね。」
④「取引」
福沢「ここに『現物買』と書いてあるよね。これは、通常の株式取引という意味。自分の資産を超えた金額を取引できる『信用取引』じゃなく、『現物取引』ということ。単元未満株を買いたい時は、右の『単元未満株注文』から購入できるよ。」
夏目「なるほど。『注文の出し方を間違えてないかな?』とチェックしたほうが良さそうですね。」
⑤「市場」
福沢「株式市場はいくつかあるけど、⑤の項目は通常最良の市場(売買高が最も多い市場)が自動的に選択されて取引できるよ。」
夏目「自動的に市場を選択してくれるなら安心できます!」
⑥「株数」
福沢「この銘柄の売買単位は100株。これに対して、50株など100株未満で買うことを『単元未満株』と言うんだよ。1,000株単位のものもあるので、買う時は必ず『株価×株数』で取引金額を確認するようにしてね。」
夏目「間違えて発注したら、大変なことになりますね!気をつけないと!」
⑦「価格」
福沢「株をいくらで買うか(売るか)を入力するところだよ。ここは詳しく説明するね。『指値』は、『7,230円で買う』や『7,250円で売る』など、価格を決めて出す注文。その価格にならないと、注文は成立しないよ。」
夏目「今の株価が7,250円なので、7,230円の指値で買い注文を出したとしても、7,230円まで下がらなければ買えないということですね。少しでも安く買いたいし、高く売りたいけど、欲張ると取引が成立しないんですね。」
福沢「『成行』は、『価格はいくらでもいいから買いたい(売りたい)』という注文だよ。」
夏目「ということは、売る時は安め、買う時は高めの株価で取引が成立しやすいということですか?」
福沢「そのとおり!夏目ちゃん、わかってきたね。」
福沢「『逆指値』は、『株価が指定した価格以下(以上)になったら売る(買う)』という注文のこと。通常の指値注文と違うのは、指定した条件になるまで注文が出されないことだよ。
例えば300円で株を購入した後、思ったより株価が上がらず『上がってほしいけど、もし下がったら売りたい』と思ったとするよね。
『今の株価は300円、ここから10%下げて270円になったら売りたい』と思っても、通常の指値注文で『270円で売り』と注文を出すと、270円以上で売りの取引が成立するから、300円で売却されてしまうの。
逆指値注文なら270円になった時に発注されるから、それ以上の価格で取引が成立することがないんだ。」
夏目「上級者向けという感じですが、投資に慣れてきたら活用したいテクニックですね。」
⑧「期間」
福沢「取引が成立しなかった場合、いつまでその注文を出しておくかを指定しておくことができるよ。『当日中』は、当日に取引が成立しなければ、その注文は無効になるということ。『今週中』なら、今週いっぱいはその注文が有効だよ。『期間指定』なら、4週先くらいまで自分で期間を指定できるんだ。証券会社によって指定できる日数が違うので、確認してね。」
夏目「私は平日の昼間働いているので、一定期間注文を出しておけるのは嬉しいですね。でも、長い間注文を出したままにしておくと、その間に市場が変わってしまいませんか?」
福沢「夏目ちゃん、良い質問だよ!株の注文は指定した期間ずっと出しておけるけど、その間に市場の状況が変わってしまうことも多いんだ。だから、こまめに『この注文は今の相場に合っているかな?』と確認してね。」
⑨「預かり区分」
福沢「ここは、買った株の預け方を選ぶところだよ。3箇所選択できるから、それぞれ説明するね。」
夏目「お願いします!」
福沢「『一般預かり』は、買った株を一般口座に入れたい時に選択するよ。一般口座預かりは、自分で株式投資をした記録を税務署に申告する人が選ぶものなので、通常はこちらを選ぶことはないかな。
『特定預かり』は、買った株を特定口座に預けたい時に選んでね。特定口座は、夏目ちゃんに代わって証券会社が株の取引に関する納税や申告を代行してくれるので、特別な理由がないなら特定口座かNISA口座で取引してね。
『NISA預かり』なら、年間120万円まで非課税で取引できるよ。通常は株式投資で利益が出ると約20%の税金がかかるけど、NISA口座なら非課税で、確定申告も不要なんだ。」
夏目「特定口座かNISA口座か、ちゃんとチェックするようにします!」