投資信託で確定申告は必要になる?収益に関わる利回りについても解説
投資信託で収益を出すために理解しておきたい「利回り」のこと
確定申告について必要な手続き方法がわかったら、次は収益を出す方法について知っておきましょう。投資信託で収益を出すためには、利回りについて勉強しておく必要があります。
投資信託で資産を大幅に増やしたい人はもちろんのこと、収益はある程度に抑えて節税対策をしたい人も、利回りについてはしっかりと理解を深めておきましょう。
投資信託の「利回り」とは?
利回りとは、簡単に言うと投資した額に対する収益の割合です。利回りは年間の投資額に対して考えられることが多いため、利回り=年利回りと理解しておくとよいでしょう。
例えば利回り5%で100万円を投資した場合、100万円に対して5%の利益なので運用の結果として5万円の収益が出ていることになります。
また、似たような言葉として「利率」という言葉がありますが、利率は債券や預金に使われる言葉です。債券や預貯金に預けた額に対して、利息はどれくらいになるのかというのが利率になります。
投資信託においては、利息に似たものとして分配金がありますが、分配金には利率という言葉は使わず、利回りという言葉を使うのが基本です。
利回りも利率も、投資を始める上では重要なものなので、それぞれの意味と違いについてはよく理解しておきましょう。
一般的な利回りの目安
投資信託の利回りは、資産の種類(アセットクラス)によって平均的な利回りが異なります。アセットクラスとは、投資先が国内株式なのか海外株式なのかの違いです。
千葉銀行の算出データ*によると、各アセットクラスの投資信託を20年間運用した場合の平均利回りは以下の通りです。
・TOPIX(国内株式)…1.17%
・MSCI World Index(先進国株式)…2.19%
・MSCI Emerging Markets Index(新興国株式)…3.10%
・S&P500(米国株式)…3.26%
・MSCI ACWI Index(全世界株式)…3.05%
単純計算すれば、同じ100万円の投資でも、年間の収益は国内株式なら1.17万円、それに対して例えば新興国株式なら3.1万円の違いになります。
*:ちばぎんブログ「つみたてNISAの平均利回りは?ファンド選びで重要な3つのポイント」より
利回り(リターン)を求めたときに負うリスク
高い利回りになる可能性がある投資先の場合は、「リターンの振れ幅」というリスクを負うことになるため注意が必要です。
つまり、利回りが高いということはそれだけ収益が高くなる可能性がある一方、同じくらいの損失を出してしまう可能性もあるということです。
振れ幅に注意しなければ、突然大きな損失を抱えることになりかねません。利回りがマイナスになることや、元本割れになることも考えられるため、慣れない初心者のうちから投資信託で高い利回りを求めすぎないように注意しましょう。
確定申告の基準や利回りの仕組みを把握した上で行うことが大切
投資信託を運用していくには、確定申告が必要になる条件や収益を効率的に生み出す方法、またそれに伴うリスクについてよく理解しておく必要があります。
投資信託では、収益があれば基本的に確定申告が必要になるケースが多いですが、その分資産を増やせるという大きなメリットがあります。
投資先によって自分に合った投資の進め方を選ぶことは可能ですが、初心者がまず注意しておきたいのはリスクを増やしすぎないことです。高利回りを求めればそれだけ高いリスクを負うことになるため十分注意しましょう。
文:C・M
監修者:ファイナンシャルプランナー歴5年 北野小百合