第10話:3ページ先の本音/恋する3センチヒール

恋する3センチヒール

玲奈に会うために作ったポートフォリオを差し出す俊明。
それを見た玲奈は・・・
前回 第9話:「水色のノート」

第10話:「3ページ先の本音」

「すごいじゃん。綺麗に、まとめられているね」

嬉しそうな玲奈さんの顔を見て、自分の心が満たされるのを感じた。

水色のノートを開くと、見開き1ページ分、イラスト付きでポートフォリオについてまとめてある。

「月々3万円を1万円ずつ、現金、有価証券、不動産に分けて運用することにしました!なるほど」

大きく書いておいた一文を、声に出して読むと玲奈さんは微笑んだ。
言葉の横にはイラストが描かれていて、きちんとそれぞれの特性についても記載してある。
玲奈さんは、しばらく時間をかけて、しっかりとノートを読み込んでくれた。
玲奈さんがノートを読んでいる間、やたらと喉が渇いて、サングリアを飲み乾してしまった。

「資産運用をする理由が、明確になっていて良いね」

「ありがとうございます!」

「けど…」

「え、何かありましたか?」

玲奈さんは、少しだけ困り眉になってこっちを見た。

「一つ思ったんだけどさ、不動産投資は…、俊明くんまだ出来ないんじゃない?」

「えっ…」

不動産投資を始めようと、ワンルームマンションのオーナーをポートフォリオの一つに組み込んであった。

「実は私も一部屋持っているんだけどね、金融機関のローン審査っていうのがあって、さすがに社会人二ヶ月目とかだと厳しいかも。一年位働いて購入したって言っている友達もいるから、一年位働いてからトライしてみたらどうかな?」

「え、そうなんですか?頭金が0円でも可能だと記事に書いてあったので、てっきり今すぐにでも始められるものかと思っていました」

盲点だった。
今日、玲奈さんに告白までをもしようと考えていた。
玲奈さんが、今見ているページの3ページ先。
そこには、玲奈さんへの想いが書き込まれている。

「勉強不足でした。すみません。けれど、今から不動産も手に入れられる日まで、1万円ずつ不動産資金として貯めておこうと思います」

「うん、それが良いかもね」

告白するタイミングを逃した。
玲奈さんは、ノートの次のページが白紙なのを確認するとノートを返してきた。

「あっ、あの」

ノートを受け取る前に、言葉を発した。

「なに?」

玲奈さんは、ノートを持ったまま首を傾げた。

「僕が、投資用不動産を購入出来るようになったら、また会ってくれませんか?今度は、後輩としてじゃなくて、男として」

キョトンとした表情になった後、玲奈さんは目を細めて嬉しそうに笑った。
その頬が、赤く染まるのを僕は見逃さなかった。

2章第1話:「行きつけのコーヒーショップ」

みかみ

パグ犬愛好家。 趣味は、投資。夢は、世界を虜にする小説家。

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