年末調整までに今からできる節税対策 「生命保険料控除」で税金はいくら戻る?
実際おトクになる、税金額は?
税額計算では、課税所得(収入から各控除を差し引いたもの)によって、かける税率が異なります。
課税所得300万円の人であれば、税率は10%なので、1万2千円所得税を下げる効果があります。
生命保険料控除額12万円×10%
課税所得500万円の人であれば、税率は20%なので、同じように2万4千円の効果を出せます。
生命保険料控除額12万円×20%
住民税においては、一律10%で計算します。
しかし「控除」は差し引く所得や税があっての恩恵ですので、高額控除の代表である、住宅ローン控除などですでに各税金の控除を使い切っている場合、生命保険料控除を含めた他の控除は、活用する機会がなくなります。
これから加入をするならどんな保険がいいか
生命保険料控除を活用するために、不要な保険に加入するのは本末転倒です。「不要な保険」の定義にもよりますが、資産形成の性質を持たない、例えば掛け捨ての死亡保険や医療保険を「生命保険料控除を活用したいから」という理由で加入する人は少ないでしょう。
生命保険料控除はあくまでも「おまけ」でついてくるものだと考え、自身にとって備えておく必要があるのかどうか、本来の保険としての必要性を考えるべきです。
ただし個人年金保険に関しては、リスクヘッジの意味である保障としての性質とは異なる(年金)保険ですので、将来への資産形成を兼ねながら、所得控除を毎年活用することが出来る利点があります。
個人年金保険に加入されていない方は、控除枠の上限である年間8万円または、保険会社が定める規定の最低保険料のいずれか高い方までの掛金で、加入を検討しても良いかもしれません。
その際には、控除が受けられるよう「個人年金保険料税制適格特約」を忘れずに付加しましょう。
ただし運用を円で行う個人年金は、2019年現在、運用利率が極めて低いためおすすめできません。筆者としては、為替リスクを抱えてでも、外貨建ての個人年金をおすすめします。
また余談ですが、一部の保険会社が取り扱っている「変額個人年金」は、年金と名前がつくもののその商品性質からか、個人年金保険枠ではなく(一般)生命保険料控除枠の商品となっていますので注意しましょう。
では、支払い方法によって変わる控除の違いを確認しておきましょう。