保険金を受け取った時に税金はかかる?生命保険編

税金

③贈与税の場合

贈与税とは、個人から財産をもらったときにかかる税金のことです。
契約者、被保険者、受取人が以下の表のようにそれぞれ違う場合、死亡保険金は贈与税がかかります。


図:筆者作成

贈与税の計算式は以下のとおりです。※5
イ) 受け取った死亡保険金-基礎控除110万円=贈与税の課税対象額
ロ) 上記イ)で計算された贈与税の課税対象額×税率-控除額

税率は、贈与税の課税対象額に対して10~55%です。また、控除額は税率に対して定められた金額です。
贈与税の「110万円の基礎控除」は、相続税と比べると控除額としては少ないのが特徴のため、課税対象額が高くなります。贈与税は、控除額の少ないことや税率の高いことを考えると、一般的にこの3つのケースでは最も課税対象額が高くなります。

以上のように、保険を契約するときは、誰が保険料を負担して、誰が保険金を受け取るのかでかかる税金が違うため注意が必要です。
※5:国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

FP(ファイナンシャル・プランナー)がおススメする生命保険の入り方

生命保険は、遺族の生活を支える大切なお金です。保険の加入を検討する際は、契約者・被保険者・受取人の関係を考え、ムダに税金がかからない方法を選ぶことが大切です。
それ以外にも、生命保険に入るときは、以下の4つのポイントを押さえることも重要です。

①生命保険に入る目的をはっきりさせる

保険の営業担当者に勧められなんとなく保険に入ったり、とりあえずなんでも良いから安いモノに入ったりするのなどはやめましょう。どんな安い保険でも長く掛ければ、相当な費用になります。
よく考えずに入って、必要な保障や期間が不足していたら、いざという時に役に立ちません。万が一を想定して、どんな保障がどのくらい必要なのかをきちんと把握しましょう。

②シンプルな内容の保険を選ぶ

保険には、貯蓄と保障を兼ね備えたもの、さまざまな保障を兼ね備えたもの、外貨運用のものなど、さまざまな種類があります。ひとつのものでいろいろな保障をカバーできるものは、効率的だと感じるかもしれませんが、内容が複雑になり、わかりにくいものです。
また、ライフプランは時とともに変化するため、将来、保障内容を見直しすることもあるでしょう。複雑な保障は、変更が難しい場合もあります。保障内容はなるべくシンプルで見直ししやすいものを選びましょう。

③保険会社の安全性をチェックする

保険会社は破綻しないというイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、感染症や自然災害などで大幅に死者が増え死亡給付金の支払いが増えたり、社会不況で会社の経営が思わしくなくなったりすることも考えられます。
万が一、保険会社がつぶれてしまっても「保険契約者保護機構」で基本的に補償されますが、契約条件が変更になり、保険金額が減額される場合もあります。長く安心を得るためにも、保険会社の安全性は必ずチェックしましょう。

④保険販売と利害関係のない、中立的な立場のFPに相談する

保険を検討する際は、保険会社の営業担当者や保険代理店を通じてというのが通常の加入ルートになります。そうなると、加入者にとって有利な条件というよりは、提案者にとって有利な条件を提示されかねません。必要な保険を主体的に選ぶためには、保険会社や保険代理店と利害関係のないFPに相談するのが良いでしょう。

まとめ

生命保険はさまざまな契約形態があります。生命保険を受け取った際は、契約形態に応じて、かかる税金が違います。それぞれの違いを良く理解し、適した保険契約を結びましょう。保険を契約するときは、「難しいから言われるままに加入する」ことを避け、ライフプランにあった保険をアドバイスしてくれるFPに相談するようにしましょう。

舟本 美子

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」 会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。 あなたに合った...

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