2020年から給与所得控除と基礎控除が変わる! 税金はどうなる?
税額の具体例
では、具体的に昨年と同じ所得の場合、税額がどうなるかを考えてみましょう。給与所得控除と、基礎控除だけを考慮に入れて計算してみます。
なお、所得税率は2019年と2020年で変更はありません。
所得税額速算表 2019年・2020年とも同じ
※2037年まで、別途復興特別所得税2.1%がかかる
国税庁ホームページ資料「所得税の税率」より筆者作成
収入が給料・賞与だけの人
収入が会社からの給料等だけの人は2020年からどうなるのでしょうか?
2カ所以上の会社から給料をもらっている場合はすべての合計となります。なお、2カ所以上の会社から給料をもらっている場合は確定申告が必要です。
収入は給料と賞与だけで、年間300万円の場合
給与所得が850万円以下の人は2019年と全く同じですが、850万円を超える人は所得税が増額となります。
収入が給料などと事業所得や雑所得、不動産所得など副業収入がある人
会社員でありながら自営で仕事をしていたり、家賃収入がある人は、2020年の改正でどうなるのでしょうか。
給料・賞与収入が年間300万円、副業所得(経費を引いた後の額)が100万円の場合
給与所得控除を引く前の給与収入が850万円以下で、副業含めた合計所得が2,400万円以下の人は2019年と同じですが、給与収入だけで850万円を超える人は増税です。副業の所得を含めた合計の所得が2,400万円を超える人はさらに所得税額が増えます。
収入が事業収入や雑収入、不動産収入だけの人
給与の収入がない人はどうなるのでしょうか?
経費を引いたあとの所得が事業所得や雑所得、不動産所得のみで、合計200万円の場合
給与所得がない人は原則減税ですが、合計所得が2,400万円を超える人は増税となります。
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まとめ
条件が同じであれば今回の改正で、会社員の場合は副業収入があってもなくても給与などが年収850万円を超えない人は影響がありませんが、850万円を超える人は増税です。
一方会社員ではない人は、合計所得が2,400万円を超えない人は減税となりますが、2,400万円を超える人は増税となります。
今回の改正は、多様な働き方を推進することと、高額な所得がある人への負担を増やすという施策がはっきりと表れています。改正の内容と意図を知って、自身の働き方と収入であれば2020年の税負担がどうなるか、今後自身の働き方をどうしていくのがいいのか、そのためには今何を始めればいいのかを考えるきっかけにしたいですね。