今から知って安心! 年金受け取りの手続きと注意点

年金・社会保険

「退職後は貯蓄や年金で気ままに暮らしたい!」と誰もが一度は考えるもの。
65歳以上になったら受け取れる年金ですが、実はちょっとした手続きが必要だということをご存知ですか?
普段なかなか知ることのない、年金受け取りの手続きと注意点について説明します。

年金受け取りには申請が必要

漠然と「65歳以上になったら誰でも年金が受け取れる」と思っている方も多いですよね?ですが、年金は決して自動的に振り込まれるものではありません。
老齢年金の場合、日本年金機構から送られてくる書類に必要事項を記入し、自ら手続きを行う必要があるのです。

年金の手続きに必要なものとは?

年金受け取りの手続きに必要なものとして以下が挙げられます。

・老齢給付裁定請求書
・年金手帳または厚生年金保険被保険者証
・基礎年金番号通知書
・預金通帳
・印鑑
・戸籍抄本
・住民票の写し
・雇用保険被保険者証

また、場合によって年金証書雇用保険受給資格者証などの書類が別途必要になることもあります。
これらの書類などを社会保険事務所またはセンターに持参・郵送することが必要になります。

年金はいつから受け取れるの?

裁定請求といわれる書類審査に2~3か月ほどかかるため、年金の支給が開始されるのは手続きの2~3か月後です。ちなみに、年金の振り込みは基本的に毎回偶数月にされます。

年金が受け取れなくなる? 「5年の請求時効」とは

年金には「5年の請求時効」というものがあります。
これは、受け取る権利が発生して5年以上請求をしないでいると、さかのぼる5年間分は受け取れますがそれ以前の年金は受け取れなくなってしまうといった規定です。
つまり、たとえば権利発生から8年が経過した段階で申請を行ったら、直近の5年間分は受け取れてもそれ以前の3年間分は受け取れないということになるのです。

年金の受け取り方法1:繰上げ

老齢基礎年金の受給開始年齢は原則65歳です。
しかし、本人の希望により、60歳になってから65歳より前に繰上げて受給することもできます。
この場合、65歳時の年金額を100%として、本来の年金額にくらべて1カ月繰上げるごとに0.5%減額された年金額が一生涯支給されます。

減額率=0.5%×繰上げ月数

・例1
60歳0カ月で請求した場合(60月の繰上げ)
 0.5%×60月=30% 30%の減額

・例2
62歳3カ月で請求した場合(33月の繰上げ)
 0.5%×33月=16.5% 16.5%の減額 

になります。

繰上げするときの注意点

・一度繰上げ請求すると、裁定の取り消しや変更はできないので、減額された年金を一生涯受け取ることになります。
・付加年金(上乗せの年金)がある場合には、付加年金も同率で減額されます。
・国民年金に任意加入することや保険料を追納することができなくなります。

年金の受け取り方法2:繰下げ

繰下げの方法は2つありますが、1カ月単位で66歳~70歳までの年齢のいずれかの時期に行うことができます。
どちらかの方法を選択することになりますが、一度決めたら変更することができないので、慎重に検討しましょう。

選択肢1:一定の年齢から増額された年金を受け取る

老後の年金が不安な場合、公的年金を繰下げて年金額を増やす方法があります。
老齢基礎年金を66歳以降に繰下げた場合には、本来の年金額にくらべて、1カ月繰下げるごとに0.7%増額された年金額が一生支給されます。

増額率=0.7%×繰下げ月数

・例3
66歳0カ月で請求した場合(12カ月繰下げ)
 0.7%×12月=8.4% 8.4%の増額

・例4
67歳3カ月で請求した場合(27カ月繰下げ)
 0.7%×27月=18.9% 18.9%の増額

60カ月繰下げをすれば70歳の受給開始になり、42%増額された年金額になります。
しかし、これ以降繰下げても増額率は42%より増えることはないので注意しましょう。

年金の繰下げについては、繰下げしたい時期に年金の請求をすれば、そのときから受給することができます。

選択肢2:65歳からの金額の年金を受け取ると決め、過去の未請求分を受け取る

本来支給される年金を遡って請求することもできます。
年金を受ける権利の時効は5年なので、70歳になった月よりも後に請求を行うと時効により支払われない年金が発生しますので、気を付けましょう。

たとえば、68歳のときに請求する場合、以下の①と②を合わせた金額を受け取ります。
①65歳時に受け取る年金額(100%の金額)を受け取る
②過去3年分を一括で受け取る
68歳以降は、本来の受給額(100%の金額)をずっと受け取ることになります。

繰下げするときの注意点

・66歳になるまでは繰下げの申し出はできません。
・繰下げ期間にもらえるはずだった加給年金がなくなってしまいます。
・老齢基礎年金と老齢厚生年金とはそれぞれ独立しているので、老齢厚生年金だけを繰下げるという選択肢もできます。

繰下げ以外の年金を増やす方法

繰下げ以外にも年金を増やす方法があります。
20~60歳までの40年間、国民年金に加入する義務がありますが、満額もらえない場合には、国民年金の「任意加入制度」で60歳以上65歳未満の5年間納付できる制度があります。

また、自営業などの第1号被保険者は、月額400円の付加保険料を納めると、「200円×付加年金納付月額数」の付加年金を受け取ることができます。

さらに国民年金基金に加入する方法もあります。
国民年金基金は自営業者等の老後資金の確保を目的とした上乗せ給付の年金です。
掛金の上限は月額6万8,000円ですが、iDeCo(個人型確定拠出年金)と併用する場合には、拠出金の上限は合計して6万8,000円になります。

まとめ

「退職後の生活」と言うとかなり先の話のように思えますが、年金を受け取るためにみなさん保険料を毎月納付しているかと思います。
手続きや注意点を今のうちに把握し、将来安心して年金を受け取れるよう準備していきましょう。

池田 幸代

株式会社ブリエ 代表取締役 証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不...

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